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【第21回企業家賞】コシダカホールディングス 社長 腰髙 博

会社名や組織名・役職・内容につきましては、取材当時のものです。

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受賞者の喜びの声 日本のカラオケを世界へ

受賞者の喜びの声 日本のカラオケを世界へ

(企業家倶楽部2019年10月号掲載)

 
 本日はこのような賞をいただき、まことにありがとうございます。本当に身に余る光栄で、感謝に絶えないという気持ちでいっぱいです。 

 弊社はカラオケ「まねきねこ」と女性専用のフィットネス「カーブス」の二つが事業の柱です。今回は特に、カラオケ「まねきねこ」についてお話ししましょう。 
  
快適にカラオケを楽しんでもらう 

現在「まねきねこ」は「安心・安全」「リーズナブル」「フレンドリー」をコンセプトに、全国に約520店舗を展開しています。

 まず「安心・安全」については、「きれいな空気のお部屋でカラオケを楽しんでいただきたい」との想いから、今年9月1日をもって全室禁煙とさせていただくことになっています。実は都内の店舗では、すでに禁煙を実施しており、大変好評です。

 それから「リーズナブル」。当社は飲食物の持ち込みがOKとなっていますが、これは創業当初から変わっていません。カラオケ屋は「部屋代」と「飲食代」が大きな収益になりますから、「飲食物の持ち込みで利益が下がるのではないか」と言われますが、私たちには独自の考え方がありました。

 私たちが飲食物の持ち込みをOKにしているのは、部屋の稼働率を上げるためです。実は、カラオケ屋は相当繁盛している店であっても、平均30%そこそこしか部屋は埋まっておらず、残りの70%は空いている状況です。つまり、「部屋に空気を入れておくくらいならば、お客様に来ていただいて稼働率を上げた方が良い」との考えから、飲食物の持ち込みをOKにしています。

 これに関して、面白い話がありました。カラオケ屋は、金曜日、土曜日の夜はどの店も満室です。弊社の「まねきねこ」も同様に満室の状態。その時間帯に来たお客様は、残念ながら「申し訳ありません、ただいま40分待ちです」などと言われます。

 ここで普通ならば「他の店に行こう」と店を出てしまうのですが、「まねきねこ」では違います。「この買ってきた飲み物や食べ物はどうするんだ!?」となるわけです。他の店は飲食物が持ち込み不可ですから、せっかく買ってきたものを無駄にしないためには、「仕方がないけど40分待とう」ということになります。  
  
激変するカラオケ業界

 カラオケと聞くと、どのようなイメージを抱かれるでしょうか。先ほど言ったように、「金曜の夜に大騒ぎ」というイメージを抱く方が多いかもしれません。それもその通りなのですが、ここ10年でカラオケ業界も変わりました。今現在は平日の昼間、主に郊外やロードサイドの住宅地に近いお店はほとんど満室です。

 一体誰がそのような早い時間に来ているのかというと、シニアの方々です。一般的にカラオケは昼の12時にオープンします。ある日、開店前の店舗に行くと、お客様がオープン前から店の前に並んでいました。お客様を待たせるのは申し訳ないと思ったので、私は営業時間を早めることにしました。しかし、それでも開店前にお客様が集まるようになってしまった。最終的に、今では朝9時のオープンになりました。ありがたいことに、朝9時に開店しても半分の部屋が埋まります。

 午前中に1回転、午後に1回転して、午後3時過ぎに学校帰りの高校生がどっと来ます。郊外、ロードサイドの店舗であれば、平日の昼間は大体3回転はするようになってきています。

 これはシニアの方々のアクティブな活動が広まったからだと思います。お店としては飲食物が出ませんので、売上げは上がりませんが、それでもご来店いただき、ファンになっていただけるのでありがたい限りです。

 また、最近では一人カラオケが人気です。全組数のうち、2から3割のお客様がお一人でいらっしゃった方ですね。「一人で歌って何が面白いんだ」と思われた方は、一度一人で行ってみて下さい。とても楽しいと思います。何と言っても、周りの目を気にせず、好きな曲を好きなだけ歌えますからね。

 実は、私もカラオケに行く時は一人です。それが高じて、一人カラオケ専門店「ワンカラ」を作りまして、今は都内に7から8店舗あります。一人カラオケは、カラオケ業界の一つの潮流と言えます。

海外展開を加速

 当社は日本のカラオケチェーンで唯一海外展開を行っています。今はシンガポール、マレーシア、タイなど主に東南アジアに店舗を出店しています。

 日本は少子高齢化で大変ですが、海外に目を向けると若い人がものすごく多いのが印象的です。フィリピンの人口ピラミッドを見ると、0歳児が一番多く、きれいな三角形をしています。このような国はここから20年、消費が伸びていくでしょう。衣食住、そして余暇としての「カラオケ」ということで、私たちが進出する余地もあるのではないかと考えています。

 私も人生が半分終わったのですが、「もっと海外展開に取り組みたい」という想いがありますので、まだ引退はできません。国内では優勝劣敗がはっきりしてきましたから、私たちがカラオケ業界のトップに立って、さらに海外に展開していきたいと思っています。

 改めまして、本日は大変ありがたい賞をいただき、ありがとうございました。

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