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【第2回企業家賞】

会社名や組織名・役職・内容につきましては、取材当時のものです。

企業家倶楽部アーカイブ

-2000年-

-2000年-

(企業家倶楽部2018年6月号掲載)

 

【第2回企業家賞】-2000年-

企業家大賞

クルマ環境向上賞パーク24 西川 清 社長

企業家賞

百円革命賞   大創産業 矢野博丈 社長

快適暮らし提案賞 ペイントハウス 星野初太郎 社長

平和貢献賞   ジオ・サーチ 冨田 洋 社長

I P 技術賞  インターネット総合研究所 藤原 洋 所長

証券革命賞   松井証券 松井道夫 社長


企業家大賞《クルマ環境向上賞》

自社の利益のみを追わず社会貢献でさらに頑張る
パーク24社長 西川 清 氏


 企業家大賞に選んでいただき、身に余る光栄です。逆にどうして選ばれたのか考えてみると、一企業として自社の利益を求めるだけでなく、社会的貢献をしながら会社を発展させてきた点を見ていただいたのかと思っております。

 けれども私も創業時は「社会貢献」の「社」の字を考える余裕もなく、30年必死でした。体はだいぶ衰えましたが、首から上は若いつもりですので、大賞の名を傷付けないようにさらに頑張っていきたいです。

企業家賞《百円革命賞》

創業の精神を忘れずお客様第一主義で

大創産業社長 矢野博丈 氏


 百円均一は新しいビジネスではなく、古くからある均一商法で、私は企業家というより真面目な商人というだけが誇れるものです。

 百円ショップが大きな商売になるとは夢にも思いませんでした。「死ぬまでに年商1億円に行けばいいね」と女房と言い合って、泣きながら頑張ってきた。その時に年商30億円といった目標でなく、1億円の夢を抱いたことが、お客様第一主義経営につながった気がします。我々は智恵はありませんが、汗を流すことに関しては日本一頑張る社員に恵まれました。この幸運を無駄遣いしないように頑張りたい。今日の受賞は努力賞として考えております。


企業家賞《IP 技術賞》

技術をベースにインターネット産業を根付かせる

インターネット総合研究所所長 藤原 洋 氏


 この賞は、表に出てこない日本の技術者、科学者を代表していただいたと思っています。

 私は天体物理学を学ぶうちにコンピュータに興味を持ちました。80年代後半から90年代初め、商業化する前からインターネットをアメリカで使って、これはいつか世の中を変えると思っていました。

 それで日本でもインターネットのインフラづくりをしようと通産省に提案したところ、予算が付いたため、企業を巻き込んで会社をつくろうということになった。当時NTTが分割され、政府がNTTの強力なライバル企業ができるのは好ましくないと判断したため、沢山集められた技術者が行き場を失いました。そこで自分たちで会社をつくるしかなくなり、できたのがインターネット総合研究所です。一番年長だった私が所長になったのが起業のきっかけでした。

 このたびいただいた企業家賞をきっかけに、日本のインターネット産業をしっかりしたものにするため、何がしかの貢献ができるのではないかと考えています。

 
企業家賞《証券革命賞》

すさまじい変化に向かって積極的に取り組む

松井証券社長 松井道夫 氏


 最近感じるのは、時代の変化の早さです。3カ月前は遠い過去、1年前は歴史的過去です。5年、10年前は考古学です。つい3カ月前の常識は見事にひっくり返されます。アメリカはその変化を最も受けつつ対応している。そこで英語もコンピュータも分からない私でも、ヒントを得ようと、アメリカに行っています。

 証券界にも、凄まじい変化が起きています。ただ一つ言えるのは、私が予想している以上に変化は急激であるということ。今後も積極的に事業に取り組んでいきたいと思います。


審査委員長講評

セコム取締役最高顧問 飯田 亮 氏


 インターネット総合研究所の藤原洋 さんは、インターネットのインフラ技術を提供されました。この会社は日本社会がインターネット化するためには是非とも必要とされる会社です。新しい時代には必要な会社が出てくるもの。必要とされる会社は必ず伸びます。

 松井証券の松井道夫さんは、インターネット上での株取引をしています。オンライン取引は伸びないと業界の人は言う。しかし、どうもそうではないらしいのです。既存の大手証券会社は自分の権益を守るために否定的な意見を言っているだけなんですね。松井証券はネット上の信用取引を武器に、証券界に革命を起こしました。

 このように受賞者の皆さんは何のために仕事をするのか非常に明確です。より一層のご発展を祈って、ご挨拶とさせていただきます。

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