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| 【新興市場の星たち】テラ |
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| 世界最先端の治療法でがん難民を救いたい/テラ代表取締役社長 矢崎雄一郎(やざき・ゆういちろう)
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| [2009-12-28 02:00:00] |
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世界一の症例数を誇る樹状細胞ワクチン療法
テラはがんのワクチン療法を研究開発し、そのノウハウ・技術を医療機関に提供しているベンチャー企業だ。現在国内にがん患者は300万人おり、年間33万人が命を落としている。従来の標準治療だけでは治らない患者や、副作用が強くて治療できない患者のことをがん難民と呼び、68万人を突破している。「がん難民は標準治療が終わると他に適切な治療が見つからず、痛みを止める緩和ケアしかない」。そこでがん難民へ新しい治療を提供すべく使命感を持って起業したのがテラ代表取締役社長の矢崎雄一郎である。
テラが提供する治療は樹状細胞を利用したワクチン治療だ。樹状細胞とは人間の皮膚の表面にある細胞で、例えば怪我をして体外からばい菌(異物)が入ると二つの仕事をする。まず、その異物を食べる。次に体の奥まで入り、全身にあるリンパ球にその異物を攻撃するように指令を出す。ただ、がんは自分の細胞が変化したものであるため、樹状細胞はがんを異物として認識できない。この認識を人工的に可能にしたのがテラである。
その方法とは、手術で患者のがん細胞を取り出し、樹状細胞に患者のがん細胞を食べさせ、異物として認識させる。そして、認識させたものを無菌ルームで培養し、1回あたり1×10の7乗個(1000万個)を5回から7回、患者に投与する。これでがん細胞だけを攻撃できる。まさにオーダーメイドの治療である。
この培養技術は非常に難しいとされているが、矢崎は自身が所属していた東京大学医科学研究所で開発された培養技術をもとに独自発展させた。全世界で確認されている樹状細胞ワクチン療法の症例数1000に対しテラは1700の実績を誇る。
しかし患者からがん細胞を取ることが出来ない場合も多々ある。例えば、がんが進行しすぎて手術ができない、脳腫瘍が難しくて取れない場合などだ。こうしたケースを解決するのに用いられるのが、がんの特徴(がん抗原)をもつWT1ペプチドである。これを患者のがん細胞の代わりに使って異物として認識させ、樹状細胞ワクチン療法に応用する。WT1ペプチドは、ほぼ全てのがんや白血病に免疫反応の効果があることが世界で明らかになっている。また、治らないがんとして認識されているすい臓がんにも効果があったことでも有名だ。実際に2009年9月、米国癌研究会議(AACR)の学会誌において75種類のがん抗原の中で1位に選出された。テラはこのWT1ペプチドの独占特許を取得している。WT1ペプチドの利用によって、患者からがん細胞が取れても取れなくても樹状細胞ワクチン療法を可能にした。
テラはこうした画期的な技術・ノウハウ・特許等を医療機関に提供し、その利用料を受け取る。08年12月期の売上高は5億4600万円、経常利益は1億700万円。09年12月期には売上高9億400万円、経常利益1億5100万円を見込んでいる。
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