飯田 亮 審査委員長
今年も例年通り数多くの素晴らしい企業があり、豊作の中で苦渋の選択となりました。だが、審査する先生たちは優秀なので、割合、間違いなく選べたと思います。だから今回受賞されたのは間違いない方々です(笑)。企業家ネットワークも創業十周年。一年一年「大丈夫か?」と思いながらここまで来ましたが、これも徳永代表の手腕でしょう。
さてファーストリテイリングと言うとよくわからないかもしれませんが、ユニクロです(笑)。安くて質のいい商品を提案し、チープシックなライフスタイルを定着させました。急拡大と大量生産で一昨年は失速しましたが、本年度は低価格で提案したカシミヤのセーターが広く支持されて、業績も復活。「成長しなければ死んだも同然」という考えの下、2010年1兆円企業の目標を掲げて挑戦し続けるベンチャー精神と優れた経営手腕が評価されました。僕もユニクロのフリースを持っています。高品質でね。今度Tシャツを買おうと思っています。柳井会長兼CEOは趣味がジャズ。以前CDをもらったことがありますが、クールで爽やかなジャズでした。いつも車の中で聴いています。このいいセンスが仕事にも生きているに違いありません。きっと1兆円企業になるでしょう。
次にザインエレクトロニクスの飯塚さんですが、これは話を聞いてもよくわからない(笑)。アナログとデジタルを何とか融合させなきゃいかんということで、それを混載したミックスドシグナルのシステムLSI技術で、ひとつの事業分野に集中し、半導体は儲かる事業だということを証明したわけです。よくわからないが、得意分野のシステムLSIで世界の六〇%以上のシェアを占めているのは素晴らしい。「技術者の解放」を理念として、大手企業から優秀な技術者を受け入れ、横並びでなく自己責任で優れた製品を開発しました。日本のハイテク産業を活性化させている点が評価されています。そのユニークなビジネスデザインが受賞の理由です。
壱番屋はカレー屋さんです。僕と肩書きが似ている宗次徳二創業者特別顧問は、独自のFCシステムを確立、味・接客姿勢ともに良質なカレーチェーンを全国に九百店以上展開。撤退がないFC展開と、早朝に出社し、周辺の掃除をするという経営姿勢が評価されました。客単価八百円のカレーで五百四十億円も売っています。これだけカレーを売ったら大変。日本中、真っ黄色です(笑)。これは大変な経営手腕。元は奥さんが喫茶店で出したカレーが評判になったそうですが、大したものです。
グローバルメディアオンラインの熊谷会長兼社長は四十一歳? セコムが四十二周年だよ(笑)。ここはセコムとビジネスモデルが少し似ています。「すべての人にインターネット」を合い言葉に、すべての人が求める「情報」に関するソリューションを構築し、社会に貢献するインフラサービス事業を拡大している点が評価されました。サーバーをレンタルするわけですが、いちいち売るのでなくレンタルだから、レンタル収入が入る。それで成長しました。客が約四十万社あるといったら、どこに行っても頭が上がらないでしょう。何しろすごいもんです。それをこんなに若くてやるんだから、こっちはやっていられない(笑)。
トレンドマイクロの代表取締役社長兼CEOのスティーブ・チャンさんは今日は欠席で、台湾で金稼ぎしてるようです(笑)。彼とはだいぶ前からの知り合いです。この世界ではサイバーセキュリティ、ウイルスプロテクトの分野で秀逸な企業です。「ウイルスバスター」シリーズで日本のネットワークを蔓延するウイルスの脅威から守ってきました。新型ウイルスにも即座に対応して、利益だけでなく社会的使命を持って事業を行っている姿勢が評価されたわけです。うちでもサイバーセキュリティを行っており、ウイルスを何とかしようと思っていますが、なかなかうまくいかないから、今度教えてよ(笑)。とにかく本当に優秀な会社です。
最後に星野リゾート。昨年の夏、軽井沢にいたんですが、あまり寒くて、うちにもいられない、ゴルフもできない。それで星野社長のところの温泉に行っていました。何かあったら彼のところへ行けばいいんです。とても古い企業ですが、新しい革新的なリゾートをやろうということで、広大な敷地と立派な建物を持つトマムを買収。新しいリゾートとして再建しています。自然環境との共生を理念に、前近代的なリゾートに米国的合理主義を取り入れた経営を導入し、再建請負人として国内リゾート業界に新風を吹き込んでいる点が評価されました。小泉首相が謳う観光立国の中枢にならんとしているわけで、これから期待の持てる会社です。 |