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| 【特集記事】SBIホールディングスの21世紀戦略 |
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| 金融立国の旗手を目指し世界の産業を育成 |
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| [2007-03-19 14:39:23.0] |
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バブル経済の崩壊、第1次金融ビッグバンの実施、中国、インドなどBRICs の台頭。この15年間の内外の経済環境激変の中で、日本は技術立国、金融立国を目指して再スタートを切った。その金融分野の革命の旗手として名乗りを上げたのがSBIホールディングスである。2005年7月、ソフトバンクから独立したSBIはインターネットを武器にベンチャーキャピタル、証券業、金融サービス分野で矢継ぎ早に新戦略を打ち出し、既存勢力を脅かしている。すでに株式委託売買代金では巨人、野村證券を凌駕した。SBIを率いる北尾吉孝は「中国、インドに進出する一方、国内では東京証券取引所に匹敵する証券市場を創設、世界に冠たる金融王国ニッポンと総合金融情報企業、SBIグループを作りたい」と豪語する。 (文中敬称略)
○金融革命の旗手めざす
北尾は2月初旬、東京都内で開かれた、ある若手ベンチャー企業家を集めた勉強会で次のように語った。「SBIは2005年7月にソフトバンクグループから独立した。あと3年早く独立していたら、もっと事業を拡大できた」
この日の講演は迫力満点。一時間の講演予定が一時間半に及んでも、北尾節は冴えた。その北尾をして焦りを感じさせるのには理由がある。日本の金融界が第2次金融革命の真っ只中にいるからだ。欧米に遅れること20年、1990年代後半に日本は第1次金融ビッグバンを経験した。そして今、ブロードバンド化したインターネットの普及により、金融界のあらゆる垣根が取り除かれ、銀行、証券、生・損保など既存の金融会社のほかコンビニエンスストア、JRなども参戦して、完全自由競争時代に突入したのである。
この事態を飛躍のチャンスと見た北尾はSBIの第2創業期と捉え、全社員に向けて号令をかけた。目指すは総合金融情報企業の実現である。総合金融情報企業とは何か。それは消費者がワンストップ(1ヵ所の店)で銀行から証券、生・損保などあらゆる金融サービスを受けられるシステムを作ることである。
金融業界ではこれまで、預金は銀行、株式売買は証券会社、保険は生・損保会社という具合に分かれていた。消費者は各店舗を回って用事を済ませなければならなかった。金融ビッグバンはそうした業種間の垣根を取り払う一方、株の取扱手数料なども、自由化した。金融会社は一挙に自由競争の中に放りだされた。
ワンストップと競争を加速化させているのがインターネットである。ネットは中抜きと価格破壊をもたらす。たとえば、ネット証券。インターネットで株式の売買が可能になり、消費者はパソコンで売買し、その手数料は従来の10分の1になった。今やネット証券専業5社の個人株式委託売買高は全証券会社の64.6%に達している。
○ネット証券で首位に立つ
ネット証券のトップ企業に躍り出たのが、SBIグループのSBIイー・トレード証券だ。98年に創業、松井証券や楽天証券などを抜き去り、135万口座を有し、営業収益は07年3月期第3四半期で423億円に達した。株式の取扱高では、北尾の出身企業である最大手企業の野村証券をも追い抜いた。イー・トレード証券で獲得した顧客は当然、銀行、生・損保業務の顧客となり、住宅教育ローンも必要とする。SBIは10ページ図のように5つの業態に38社の企業群を設立、顧客のあらゆる金融ニーズに応える体制を整えつつある。
SBIは各金融企業をインターネットで串刺しにして、ワンストップサービス体制を整える構えだ。「SBIグループは証券会社でも銀行でもない。インターネット会社そのものだ」と北尾は断言する。言い換えれば、インターネット会社だからこそ、金融革命が起こせるというわけだ。
○第2創業に向けてアクセル踏む
今、北尾は第2創業に向けて具体的な手を打ち始めた。その第1弾が住友信託銀行と設立するネット銀行である。銀行進出は北尾の悲願であった。金融業を営む者として、決済機能を持つ銀行は欠かせない。予行演習としてスルガ銀行と提携しているが、今回、ネット銀行を設立することで、本格的に銀行業界に参入する。
07年1月11日にSBI、住友信託両社で各50億円出資、SBI住信ネットバンク設立準備調査会社を設立した。今後、出資金を合計200億円程度まで増やし、07年度上半期の後半に社員80人程度で開業する計画である。
第2は株式の夜間取引市場の開設だ。現在、株式の売買は午前9時から午後3時まで。それ以降の取引は出来ない。一般ビジネスマンにとっては不便この上ない。夜間に取引可能となれば、取引高は大幅に増加する。そこでSBIは共同で夜間取引市場を開設することになった。06年11月8日、資本金5億円でSBIジャパンネクスト証券準備会社を設立、私設取引システム(S)運営業務を手がける。07年2月を目標に認可を申請中で、早ければ、今春にも業務を始める。すでに世界20ヵ所の取引所に取引システムを提供しているフランスのエイトス・ユーロネクスト・マーケットソリューションと導入契約を結んでいる。
夜間取引市場が軌道に乗れば、そのまま昼間の取引市場ともなる。つまり、第2の東京証券取引所の出現である。現在の東証は完璧とは言えない。06年1月のライブドア事件が起きた時は、取引量が急増してシステムダウンした。05年12月には誤発注が発生、みずほ証券は約407億円の損害を被った。現在、同証券と東証の間で責任をめぐって裁判中であるが、元はといえば、東証のシステムが貧弱であるからだ。「こんな状態では世界の金融センターとしての役割を果たせない」と北尾は歯軋りする。そこで、東証のシステム整備が遅れるようなら、証券会社が共同してもう一つ取引所を作ろうと動き出したのである。既に北尾は新取引所の創設を証券各社に働きかけ始めた。「2,3年先の設立というような悠長なことは考えていない。年内の設立が必要」と北尾は早期設立に意欲を示す。
第3は金融ポータルサイトの開設。SBIは06年8月18日、ソフトバンクと金融ポータルサイトの共同出資会社を作ることで合意した。SBIは証券、保険、商品先物などの金融商品やその評価方法などの金融コンテンツを持っている。一方、ソフトバンクは携帯電話、ブロードバンド事業のほか動画、オンラインゲームなどのコンテンツを有する。これら両社の強みを生かしてウェブ2.0型の強力な金融ポータルサイトを構築する。新会社の取締役には孫と北尾が就任する予定で、資本関係はなくなったものの、事業面では2人が協力関係を維持して行くことを社内外に印象付けた。
第4はインターネット総合研究所との経営統合である。金融ポータルサイトを開設するにしろ、金融サービスのサイトを拡充するにしても裏方を務める技術者集団が必要になる。そこで、平成電電の倒産の影響などで経営が揺らいでいたインターネット総研がSBIに支援を求め、06年11月に経営統合で合意した。ところが、インターネット総研の中核企業であるIXIの粉飾決算が発覚、経営統合計画を一旦は、白紙に戻さざるを得なくなった。
ただ、インターネット総研の技術力や技術者は捨てがたい。また所長の藤原洋の頭脳と人脈はさらに重要。経営統合は白紙に戻すものの、粉飾決算の全容が明確になれば、同総研の企業価値を再評価し、株式交換比率を見直して統合ということもありえる。「ネット総研の技術力は高く評価している」と北尾は語る。
この続きは、 「企業家倶楽部」2007年4月号で! |
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