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| サマンサタバサジャパンリミテッドの強さの秘密(上) |
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| 良い場所、良い人、良い商品、良い宣伝」でブランドを確立
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| [2008-01-24 10:36:57.0] |
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吐く息もすっかり白くなった2007年12月の週末。午後6時すぎ、クリスマスのイルミネーションがきらめく東京・表参道のある一角が、まるで熱を帯びたような盛り上がりを見せていた。「何があるの」。100人を超える人々がじっと見上げるのは、サマンサタバサの旗艦店「サマンサタバサデラックス 表参道GATES(ゲイツ)店」。冷たく澄んだ夜空に、白やピンクや水色のガラス玉で彩られたお店がキラキラと光る。
午後6時30分、一瞬にして空気が破れた。白いコートを纏い、にこやかにバスから降り立ったのは、20代の女性サマンサタバサが開いた「エビちゃんクリスマス スペシャル トーク ショー」に人気のカリスマモデル「エビちゃん」こと蛯原友里。一瞬の静寂の後、わぁっと歓声が沸く。入り口の階段でくるりとポーズを取り、店内に入ってゆくエビちゃんに、集まった人々が感嘆のため息をもらす。
この日開かれたイベントは「エビちゃんクリスマススペシャルトークショー」。エビちゃんがデザインしたサマンサタバサのバッグ・ジュエリーを買った顧客の中から、抽選で30人が生でエビちゃんに会えるという主旨のものだ。会場になった表参道GATES店の3階に集まったのは、見事抽選に当たった若い女性やカップルなど。期待に目を輝かせ、エビちゃんが登場するやいなや、盛り上がりはピークに達した。
「エビちゃーん!」。思わず声を高くした20代の女性の首元には、サマンサタバサのネックレスがキラリと光る。女性たちの足元に置かれたバッグもほとんどがサマンサタバサのものだ。彼女たちへ向けエビちゃんデザインの最新作がお披露目された後、会はクライマックスのプレゼント大会へ。見事サマンサタバサのバッグを射止めたのは20歳の女性だった。
「すごく嬉しい。20歳の誕生日に彼氏からサマンサタバサのバッグをもらって、今日ここに来たんです」。エビちゃんとの記念撮影をしながら、感激のあまり半泣きになる彼女。会の進行を見守っていた社長の寺田和正が「彼氏の顔を見たい」と合いの手を入れ、会場はどっと沸いた。
そして午後8時前、イベントは終了。エビちゃんとサマンサタバサの華やいだ雰囲気に触れた女性たちは、幸福そうな顔で夜の表参道へ消えていった。
オリジナルの宣伝手法
20代女性の熱い支持を受けるサマンサタバサとは、どんなブランドなのだろうか。まず根幹のバッグブランド「サマンサタバサ」は、カラフルで華やかな雰囲気が特徴だ。キャンディーのようにポップなカラー、キラキラ輝く生地、ハートやリボンのちょこんとした飾りなど、女性の心をくすぐるデザインが持ち味で、バッグ一つの値段は3-4万円と、20代にすれば決して安い値段ではない。加えて、5 6万円の価格帯である「サマンサタバサニューヨーク」、1万5000円-2万円のブランド「サマンサベガ」など姉妹ブランドがある。バッグ以外には、ジュエリーの「サマンサティアラ」「サマンサシルヴァ」、小物ブランドの「サマンサタバサプチチョイス」など、サマンサタバサの会社自体で計12種類のブランドを持つ。
人気は高い。20代向け女性向けファッション誌「CanCam」、「AneCan」などに度々登場し、いまや女性誌でサマンサタバサのバッグやジュエリーを見ない月はない。業績も好調で、07年2月期で売上高172億9200万円(前年比27・6%増)、経常利益24億7600万円(同20・8%増)と成長を続けている。
成長の秘訣は、独自のブランド戦略にある。「ブランドは、『良い人材、良い商品、良い場所、良い宣伝』をいかに進化させるかがポイント」が寺田の持論だ。
中でも特に目立つのが、その宣伝手法だ。冒頭のエビちゃんなど、注目の女性をプロモーションモデルとして起用、かつデザインにも加わってもらい、コラボレーション商品を製作する。これまで、テニス選手で現役モデルのマリア・シャラポワ、イギリスの芸能人ヴィクトリア・ベッカムなど名だたるセレブが参加した。
「ブランドは、その時々のセレブに愛されてこそ成長する」。そう寺田は断言する。普通、こうした有名人を起用するなら広告代理店を通し、かつ億単位の広告宣伝費をかける。しかしサマンサタバサはそれをしない。社長の寺田が彼女たちに直接会って、直に依頼をするのである。例えばCanCamの専属モデルであるエビちゃんの場合、寺田の友人で当時CanCam編集長だった大西豊を通じて話が決まった。
モデルの起用法に加え、広告の作り方も独特だ。20代の女性が中心のプレスチームが、海外だろうと打ち合わせに飛んでいき、モデルが着る服やコーディネイトを考えるのである。判断基準は「かわいい」か「かわいくないか」。広告代理店やアートディレクター、数字をもとにしたマーケティングには手を出さない。顧客の20代女性が心の底から「かわいい」「サマンサタバサの商品を持っていて嬉しい」と思える広告を作るためだ。
顧客が「かわいい」「また欲しい」と思える仕掛け作りは重要である。「ファッションは劣化するもの。数年経っても持ちたい、または欲しいと思ってもらえる仕掛けを作らないとブランドはすぐに廃れてしまう」(寺田)からだ。
寺田が直にプロモーションモデルを口説けば、サマンサタバサの理念・姿勢をきちんと伝えることができる。顧客と同世代の社員たちが作るからこそ、本当に同世代の共感を得られる広告を作れる。手作りでオリジナルの宣伝。これこそ、サマンサタバサのブランドの根幹を成す宣伝手法である。 |
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