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| 【第10回企業家賞記念講演】アリババ・グループの世界戦略(上) |
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| アリババ・グループ ジャック・マーCEO |
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| [2008-07-24 22:55:00.0] |
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この度は、企業家大賞を、誠にありがとうございます。今日はこのような場を与えていただきまして、大変光栄に存じております。私は約一万人以上の従業員、若くて優秀な人たちに囲まれて仕事をしております。中国の地でこういう優秀なスタッフを抱えて仕事をできるということ、これは私にとって大変勇気を与えてくれることであります。
いろんな失敗がありましたが、何とか現在、ここまでやってきました。本日はそのことをお話させていただきます。2003年だったでしょうか、日付は具体的には覚えておりませんが、ハーバードビジネススクールに招聘を受けまして、そこでお話させていただく機会がございました。なぜ、中国のインターネットのバブル崩壊の後、当社が生き残ることが出来たのか、というテーマで話して欲しい、というご依頼があった訳です。そこで、理由が三つあると申し上げました。
第一に、私は技術に関して細かい事はわからないということ、二つ目といたしましては資金がなかったということ、三つ目は何も準備を、心の準備をしていなかったということです。みなさん、こんなことを申し上げますと、「いや、そんなことはない」とおっしゃるかもしれませんが、それは、本当に私の心の底から出てきた理由なんです。技術がわからないということは、私どものアリババのサイトというのは、大変使いやすい、誰でも使えるサイトとなっております。ということは、私のような技術を知らない人間、すなわち80%の人間が使える、ということなんです。
二つ目の資金が潤沢になかった、という理由でなぜ、死にたいにならなかったということですが、多分私はインターネットのバブルの崩壊時において、姿を消していった企業というのは、あまりにも潤沢に資金がありすぎたからこそ、姿を消したのだと思っております。当初の資本金というのは実は大変限られた金額(2000USドル)でした。その中で慎重に一円一円を使っていかないと明日には糧がなくなるという状況でありましたので、大切にその限られた資本を使っていかなければならなかった、ということがあります。企業があやまちを犯し始めるのは、資金が潤沢にあるからこそ、と言えるのではないでしょうか。
三つ目の準備をしていなかったという理由をあげさせていただきましたけれども、このような状況下において、どこの企業が前もって計画準備をたてることができるのでしょうか。どのようにプランニングできるのでしょうか。言うなればさまざまな変化の波が押し寄せている時代であります。このような変革の波を、どのように予想して計画を立てたらいいというのでしょうか。市場が変わっている、そして顧客も変わっている、コンペ、競合他社も変わっているというこの大きな変革のうねりのなかで、自分が唯一できることと言うのは、変化より先に自分が変わっていく、ということであります。ビジネスというのは大変舵取りが難しい、厳しいということは事実であろうと思います。
今、中国でアリババに関する本は十冊ほど出版されております。いかにしてアリババがこの大変な時期を乗り切ったのか、またその中でどう成功をつかんだのか、ジャック・マーが大成功を収めたその理由、様々な書物が店頭を飾っておりますけれども、私はどれ一冊として読んだことがございません。私自身も書いておりません。本を読んでみますと、どこからか飛来した流星のように、伝説のように語られているということがございますけれども、事業というのは、そんな風に、幸運に成功を収めるというものではないんですね。
成功を収めるためには、それなりの代償を支払っていかなければ、成功を収めることは出来ません。とあるときに、飛行機の中で雑誌を読んでおりました。その文章に目を通していたときに、「この人物というのは、大変賢い、大成功を収めた人なんだと、一体これは誰のことを書いてあるんだろうということで、ページをめくってみますと、実は、私自身について書いてあった記事だったのです。ですから、ビジネスで何かを学び取る、他者から何を教訓として学ぶかということにおいて、一番重要なのは、過去の経験の中で失敗をしたことは何なのかということを学ぶ、ということなのではないでしょうか。成功するということ、それは色々な要因が合い重なって成功につながっていきます。色々な成功の仕方があるのです。
しかしながら、失敗をするということ、それはそう数あるということではありません。ですから私もよくチームにいうのですけれども、色んな本を読んで、借りて、買ってこようと、その中で失敗した企業はなぜ失敗したのかということをぜひ学ぼうではないかということを申しております。失敗してそれがゆえんに事業が上手くいかなかった、それを回避していくことが出来さえすれば、生き残るチャンス、また生き残る道のりというのは見えてくるものなのです。もし私が自ら筆をとって本を書くことがあるとしたら、それはアリババが犯した過ち、ということで本を書く、これがもしかしたら私が天国に行く前にやらなければならないことの一つなのかもしれません。(続く) |
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