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【イベント・レポート】

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優勝した㈱ロジック・アンド・デザイン佐藤公明社長

東京ニュービジネス協議会(以下NBC)は、2024年3月6日、『スタートアップ・メンタリング・プログラム』決勝大会を開催した。この日は2023年度6月・9月・12月の予選で勝ち抜いた6社がピッチを実施。㈱ロジック・アンド・デザイン佐藤公明社長が最優秀賞に輝いた。NBCでは2019年からこのプログラムを実施、優秀な企業を支援・表彰しており今年で5年目となる。毎回素晴らしい企業が登場、日本のスタートアップ企業を熱くしている。  (副編集長 三浦千佳子)                        

 

■6社が決勝大会に出場

この日の会場は東京・青山に開設したばかりの「オルクドール・サロンAOYAMA」。 

NBC会長で㈱クリーク・アンド・リバー社社長井川幸広氏はじめ、NCB副会長でこの『スタートアップ・メンタリング・プログラム』委員長で㈱Ubicomホールディングス社長青木 正之氏ら、多くの関係者が集まった。

2023年の予選大会には併せて21社がエントリーしたが、その中から優秀賞に選出され、栄えある決勝大会に出場したのは以下の6社である。

決勝大会に出場した面々(前列)と審査委員・メンター

●決勝大会への登壇者

Milk.株式会社 代表取締役CEO 中矢 大輝 氏

株式会社コーンテック 代表取締役 吉角 裕一朗 氏

株式会社HIROTSUバイオサイエンス 執行役員COO 鈴木 彬 氏氏

株式会社ロジック・アンド・デザイン 代表取締役社長 佐藤 公明 氏

株式会社Sales Marker 代表取締役CEO 小笠原 羽恭氏

コクー株式会社 代表取締役CEO 入江 雄介氏

 

左から中矢氏、吉角氏、鈴木氏、佐藤氏、小笠原氏、入江氏


■優勝はロジック・アンド・デザイン

 決勝大会とあって参加者のピッチはどの人もハイレベルだ。持ち時間一杯に自社の成長戦略を熱く語る。熱心な審査の上、最優秀に輝いたのは、㈱ロジック・アンド・デザインの佐藤公明社長である。20~40代の若きベンチャーの中で、最優秀を勝ち取った佐藤社長は今年68歳。まさにシニアベンチャーである。ではロジック・アンド・デザインとはどんな会社なのか。

ロジック・アンド・デザインは2018年に創業、「“より視える化”で、世界を変える。」をミッションに、唯一無二の画像鮮明化・復元高解像度化アルゴリズムの技術開発力と、経験豊かなシニアパワー活用が注目されている。

明暗や霧、くすみ、ピンボケ、解像度などの原因により「見えない状態にある画像を、視えるようにすること、その画像処理をリアルタイムかつノータッチで実現する技術力が評価されている。同社は不鮮明な部分の「加工補正」を行うのではなく、「あるべき姿に戻す」という。

既に警察関係に採用され、皇居・赤坂御所に設置されている。また2024年1月2日の羽田空港の衝突事故の現場も滑走路に向かう海保機の姿を写し出していた。

こうした技術をセキュリティや医療業界はもとより、あらゆる業界業種の画像認識領域に広げ、安全・安心・快適な暮らしと社会に貢献。近未来は深海ビジネスや宇宙産業にまで展開したいとしている。この画期的な技術開発力と将来性、革新的なビジネスモデルが評価され、資金調達も順調に進んでいる。

2位には【人材×DX】で、中小企業や地方自治体の人材不足に貢献するコクー㈱代表の入江雄介氏が、3位にはSales Marker代表の小笠原羽恭氏が選出された。いずれも成長戦略が明快で、1位とは僅差だったと審査委員は語った。

熱心に審査する審査・メンターの面々

■8人の審査委員・メンターが支える 

NBCのこのピッチ大会は審査委員・メンターのメンバーが豪華なことで知られている。参加企業はこのメンターに出会えるだけでも価値あるとして、エントリーしていると語っている。

特にモデレーターとして進行役を務める委員長の青木正之の温かくて情熱的な姿勢が、このプロジェクトを成功に導いているといえる。そして多忙なスケジュールを調整しながらも審査員・メンターを務める方々には頭が下がる。

NBC会長で㈱クリーク・アンド・リバー社井川幸広社長、㈱MS-Japan有本隆浩社長、㈱エスクリ会長岩本博氏。㈱エアトリ大石崇徳会長、㈱カナミックネットワーク山本拓真社長、㈱識学安藤広大社長。 鎌倉新書清水祐孝会長、そして青木委員長を入れて8人の面々が審査に当たった。

6社のピッチ終了後、井川会長、青木委員長、ボードウォーク・キャピタル㈱代表那珂通雅氏の鼎談が行われたが、これも参加者にとっては楽しみの一つだ。

「どの企業も予選時よりものすごくブラッシュアップされているね」「プレゼンそのものも進化している」「どの企業も事業の目の付け所が素晴らしく、成長戦略が顕著で甲乙つけ難い」などの本音が語られた。

鼎談する左から青木氏、井川氏、那珂氏

 

そして結果発表。優勝した佐藤代表にはNBC井川会長からトロフィーと、那珂氏からはシリコンバレーのアクセラレーションプログラム参加の切符が贈られた。

今回も協賛企業として野村証券、SMBC日興証券、SBI証券、東海東京証券、香川証券、Jトラストグローバル証券、三井住友信託銀行が参加、またいつもながらfabbitが会場を提供、後援として経済産業省関東経済産業局が名を連ねた。

2019年度よりスタートした本イベントは今年で5年目となり、日本経済を活性化するプロジェクトとして定着している。だからこそ、協賛企業も増え、メンターからの投資、業務提携などの実績も増えている。NBCの次世代を担う企業発掘として、このプロジェクトに対する期待はさらに高まっている。

「起業から成功への道」イベントに300人が集結

「起業から成功への道」イベントに300人が集結

3月26日(火)17時。東京・京橋のイベント会場には多くの人が集まっていた。この日は台風並みの春の嵐が吹き荒れる悪天にもかかわらず、会場には300人以上のビジネスパーソンが詰めかけた。東京NBC主催のアーリーステージ~IPOを目指す経営者を支援するイベント「起業から成功への道」が開催されるのだ。

主催者のアントレプレナー創出委員会委員長でNBC副会長の青木正之氏の挨拶の後、基調講演を務めたのはZVCJAPAN㈱(Zoom日本法人)代表の下垣典弘氏である。

テーマは「AI時代の企業文化の創り方―Zoomが大切にしていること」。長くIT業界で活躍してきた下垣代表ならではの熱い話に会場は盛り上がった。特にパンデミック禍でZoomが社会の常識を変え、いかに貢献しているかについて語られ、会場からは納得の表情が。また昨今、生成AIに戸惑う感があるが、2011年ごろから我々は、検索を通してAIを使ってきているとの指摘に会場は沸き立った。日本は遅れているが、海外展開を考える人はAIの活用は必須条件とのアドバイスにうなずく姿も。

講演するZoom日本法人代表の下垣典弘氏

続いて「上場オーナー経営者が伝えるIPOの目指し方」と題してパネルディスカッションが開催された。登壇したのはNBC「スタートアップ・メンタリング・プログラム」でお馴染みのMS-Japan有本隆浩社長とカナミックネットワーク山本拓真社長、そしてZUU富田和成氏、ファシリテーターは青木正之氏が務めた。しずれも上場を目指す心構えや上場のメリットなど、ご自身の経験を踏まえ熱く語った。

そして「成功する起業家になるには」と題して、若手ベンチャーのBravegroup野口圭登氏、BitStar渡邊拓氏、学生起業家として大橋星南氏らが登場、パネルディカッションが行われた。それぞれが自らの経験と今後の夢を熱く語り、会場は盛り上がった。

その後は300人が一堂に会しての大交流会が行われ、盛りだくさんなイベントは終始熱く盛り上がり力強い大会となった。こうした最高のイベントに導いたのも、主催の青木正之氏の熱のこもった心意気の成せるわざといえよう。

会員数900名に迫る東京NBCが、本気でベンチャーを支援、日本経済の活性化に貢献していることは素晴らしい。「起業家と企業の成長を支える団体」として、井川幸広会長就任以降、一段と活動が加速されているが、さらなる発展と活躍が期待される。

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