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トピックス -企業家倶楽部

2012年06月19日

世界初のサービスを次々と生み出す 日本発のネットベンチャー/エニグモ代表取締役共同最高経営責任者 田中禎人 須田将啓

企業家倶楽部2008年8月号 注目企業

◆世界初しかやらない

エニグモはインターネットを活用したビジネスの企画・開発・運営を行う。世界初のサービスを生み出すことに特化しているのが特長だ。主なサービス は、世界各国の商品を代行購入できる通販サイト「BuyMa(バイマ)」、個人のブログを活用した口コミプロモーションの「プレスブログ」、消費者参加型 のCM制作ネットワーク「filmo(フィルモ)」などがある。
 

 主力は、BuyMaだ。これは世界各国で見つけたお勧め商品を販売したいバイヤーがネット上で紹介し、日本にいながら世界中にある商品を欲しいと いう消費者とマッチングするサービスである。例えばブラジルに住む日本人ユーザー(バイヤー)が近くのお店で見つけたユニークな服をカメラで撮りネット上 のBuyMaにアップすると、ユーザー(購入者)は商品を日本まで取り寄せることが出来る。商品代金の決済代行をエニグモが行い、個人がノーリスクで国際 的な取引を出来る点が魅力だ。世界中でのショッピングをウェブ上で体感できる買物代行サービスといえる。

BuyMaの収益モデルは取引価格の5%を決済システム利用料として購入者(会員)から徴収し、成約手数料として出品者(バイヤー)から3%を徴 収するというもの。現在では世界65カ国に約31万人の会員がおり、約1万人がバイヤーとして活動している。「本当に良い商品が消費者に伝わっていく市場 ができれば理想」と田中は語る。



◆博報堂出身の2人が起業

一般的には、代表取締役共同最高経営責任者は一人だが、エニグモでは須田将啓と田中禎人の二人を置いている。この二人が知り合い、エニグモができるきっかけとなったのは前職の博報堂にまでさかのぼる。 

  須田は1974年生まれ。慶應義塾大学院理工学研究科を修了。2000年、博報堂に入社。顧客企業にマーケティング戦略やブランド戦略を提案するマーケティングプランナーとして活躍後、04年に退社。田中と共に株式会社エニグモを設立した。

 田中も同じく74年生まれ。青山学院大学法学部卒業後の97年、オンワード樫山に入社。外資系PR会社のIPRシャンドウィック(現ウェーバー・シャンドウィック)を経てカリフォルニア大学経営大学院でMBAを取得。01年、博報堂に入社。そこで須田と出会う。02年の冬、博報堂のオフィスで田中が同僚の須田に声をかけたのがエニグモの始まりとなった。その頃の田中は後のBuyMaの原形となる「新しいショッピングの仕組み」のアイデアを温めていた。しかし、その新しいビジネスにはインターネットの知識が必要不可欠だ。田中は大学院でコンピュータを勉強していた須田と組むことを考えた。「須田は信頼できるし、のりも合う」(田中)との思いもあった。須田の方も「田中は真面目だが面白く、意気投合した」と言うように理想のタッグとなった訳だ。博報堂時代から須田も田中もいずれは起業するつもりで仕事をこなしていたが、須田のアイデアは実現に手間とお金がかかりそうだったので田中のアイデアをもとに起業することになった。

 ※田中禎人(右)と須田将啓(左)


◆博報堂出身の2人が起業

◆2度の逆境を乗り越えて

起業後、すぐにBuyMaのシステムの立ち上げに奔走するが、途中で大失敗を犯してしまう。システム発注先の下請け会社が開発途中で夜逃げしたのだ。親 会社との交渉の結果何とかシステム発注分は取り戻せたものの、貴重な半年間という時間を無駄にしてしまった。その後も、当初の計画よりBuyMaの会員数 や取引数が伸び悩んだことがあった。「何をやっても会員が増えない日々が続いた。突破口が見えなかった」(須田)と述べる。この時期は社内の空気も重く、 非常に苦しい時期だった。「皆黙黙と仕事をしていた。仲が悪いわけではなかったが、雰囲気は決してよいとは言えなかった」(田中)。その苦難を越えて現在 では会員数はおよそ31万人にまで到達し、バイヤーが世界65カ国にまで存在するサービスに成長した。

「04年に起業して、06年にはも う上場しているつもりだった」と笑いながら語るが、「おかげで経営者としても成長できたし、色んなサービスも考えることができた」と田中は振り返る。事 実、現在の主力の一つであるプレスブログはBuyMaの会員数や取引数が伸び悩んだ時期に出来たサービスだ。BuyMaが育つまでの間、確実な売り上げが 見込めて短期間に黒字を狙えるビジネスとして生み出されたものが結果として今のエニグモを助けていることになる。



◆海外展開を目指す

 世界初のビジネスを次々と立ち上げるべく、エニグモでは年1回新規事業開発コンテストを開催。アイデアを常時発掘し、新規サービスの開発につなげ ている。今年1月には不用品を貸し借りするサービス「シェアモ」を開始。書籍や健康機器、アウトドア用品など不用になった物品をユーザー同士で貸し借りす るサービスだ。「モノを大切にする文化が広まったら嬉しい」と須田は言う。他にもアイデアのストックは数多くあるが、「人的・資金的なリソースが不足して いて、それらをやりつくすことができない」(田中)という贅沢な悩みを抱えている。その悩みを解消するためには、優秀な人材の確保がかかせない。上場も視 野に入れ、知名度の向上と人材獲得に力を入れていく考えだ。
 

 海外展開も積極的に推進する。「世界初のビジネスなので大きい市場で勝負するのが合理的だと思う。また、海外から輸入したビジネスでなく日本発の新しいビジネスをやりたいという思いもある」(田中)

 06年11月、エニグモは「プレスブログ韓国版」のサービスを開始した。韓国のメディア系企業コジェコ社にプレスブログのブランドと営業・運営・プロモーションのノウハウを提供し、国を超えてフランチャイズ展開を始めたのである。
 

 07年9月には、「rollmio(ローミオ)」を米国でリリース。rollmioはプレスブログとfilmoを複合した新規事業で、日本発の サービスで世界を目指す。海外展開は「まず行ってみて、現地に根を下ろして市場を肌で感じることから始めるのがエニグモらしいやり方」(須田)という。 「海外に行って、そこでエニグモっぽいのを次々と生み出して行きたい」(田中)「将来的には、『エニグモで働いている』と海外に出かけたときに言うと、誰 からもリスペクトされるような会社にしたい」と明るく語る二人。この2人が率いるエニグモであればそれも夢ではないかもしれない。



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