• トピックス
  • 企業家倶楽部
  • バックナンバー
  • 企業家チャンネル
  • 私の注目ニュース
  • 新商品コーナー

トピックス -企業家倶楽部

2012年06月01日

特集第3部・編集長インタビュー 商品の先にある生活や感動を伝えたい/ジャパネットたかた代表取締役社長 高田 明 

企業家倶楽部2007年12月号


 「あらゆるメディアでの商品紹介を通じて、消費者に感動を伝え、新しいライフスタイルを提案していきたい」。テレビショッピング のMC(番組進行役)でもおなじみの高田明代表取締役はそう語る。テレビをはじめ、ラジオ、カタログ、チラシ、インターネットなど、様々な媒体のメディア ミックスで通信販売を展開しているジャパネットたかた。そのミッションは、「商品紹介を通じて、お客様と感動を共有すること」にある。ジャパネットたかた が目指す、理想の販売業とは何か。高田代表がその想いを語る。  

(聞き手は本誌編集長 徳永卓三)



■ラジオショッピングからテレビショッピングへ

問 御社はカメラ販売の店舗から始まり、90年に通信販売に進出しました。最初はラジオショッピングから始まったそうですね。
 

高田 地元のNBC長崎放送からお誘いを受けたのがきっかけです。当初は商店街にラジオのレポーターが来て、それぞれのお店の人が自慢の商品を宣伝するという内容でした。そのなかで私がマイクに向かって、我々のカメラ店の宣伝をしながら、カメラやビデオカメラなどの商品を紹介したのです。
 

問 その時の消費者の反応はいかがでしたか。
 

高田 とても良かったです。5分間でコンパクトカメラを紹介したら、1日に50台もの注文がありました。当時はラジオショッピングの企画は年に数回でしたが、「これはチャンスだ」と思い、長崎以外にも広げていったのです。まずは熊本や福岡のラジオ局にお願いして、九州地区で着実に枠を広げ、徐々にエリアを全国に広げて行きました。
 

問 94年にテレビショッピングに参入されましたね。
 

高田 ラジオの通販番組があっても、ラジオを聞かない人たちには届きません。そこでテレビでも通販番組を作ってみようと思ったのです。最初はテレビ長崎で放映しました。テレビショッピングの影響力は絶大で、長崎県のローカル番組でも一回の放映でカメラが300?400台も売れたことがあります。だから、なんとしてもテレビショッピングを成功させたいと思いました。しかし視聴率の高い放映枠はそう簡単には取れません。

 そこで目をつけたのが、深夜の時間帯です。テレビ局は東京の銀座に集中しているので、何度も佐世保から銀座に通って、テレビ局の担当者の方に「深夜枠を下さい」とお願いする日々でした。ただ時間も交通費もかかるので、「ルック21企画」という広告代理店を作り、営業所を銀座に置いたのです。その営業所を拠点にして、テレビ局を回りながら、深夜枠を増やして行きました。そのうちに、テレビショッピングも月に20回から50回、100回、200回とどんどん増えていきました。

問 当時は、自社スタジオがなかったそうですね。

高田 収録があるごとに東京や福岡、長崎のスタジオをまわって、番組を作っていました。撮影のために東京に出て行って30分番組を作ってそれをコピーしてテレビ局に流すのです。当時は深夜に一回放映するだけで制作費が1000万円以上もかかりました。テレビの媒体費や制作費はラジオとは桁違いに高いので、なかなか採算に乗らず、苦労しましたね。その頃から「いつかは自社スタジオを持ちたい」と強く思うようになりました。
 

問 テレビ、ラジオのほかに、カタログやインターネットなどのメディアミックスを始めたのは、いつごろですか。
 

高田 テレビショッピングを始めてから1年後くらいです。90年代後半にはインターネットも出てきたので、ラジオ、テレビ、カタログ、チラシ、インターネットなどをメディアミックスで展開しました。当時はテレビやラジオショッピングだけで商品を買うことをためらう消費者が多かったので、信頼の高い紙媒体なども組み合わせたので
す。 

 その後、メーカーの開発競争が激化して、パソコンなどデジタル機器の新商品が次々に出るようになりました。時代の流れはどんどん速くなったので、その流れに対応するためにも、番組を生放送にする必要が出てきました。生放送をするには、自社スタジオがなければ難しい。撮影スタッフも自社の社員でなければ、時代のスピードについていけないと感じました。

 そこで2001年に、念願の自社スタジオ「ジャパネットスタジオ242」を佐世保本社の近くに作り、生放送をスタートしたのです。



■自前主義が特徴

問 自社スタジオはデジタルハイビジョンに対応した最新の機材などもありますね。番組製作のスタッフも社内で育てるなど、自前主義がジャパネットたかたの特徴です。
 

高田 創業以来、自前主義を貫いてきました。自前主義のメリットは、我々がきちんと責任を果たせることです。テレビスタジオなどのハード面もそうですが、カメラ、照明、音声などの製作スタッフはすべて社員です。外部のスタッフは使っておりません。その分、育成に力を入れることで、我々が作りたい番組を作ることが出来ています。
 

問 自前主義で社員が育つことも大きなメリットですね。
 

高田 ただ最近は企業規模の拡大で状況も変わってきました。例えば、福岡のコールセンターでは、派遣社員の方も働いています。もちろん自前主義が我々の基本ですから、コールセンターの業務を一括でアウトソーシングしているわけではありません。コアの部分はあくまで社員が運営・管理しています。業務をすべて丸投げすれば、我々が責任を取れなくなるからです。お客様に信用してもらうには自前主義でなければいけないと思っています。



■商品の先にある生活や感動を伝える

問 ジャパネットたかたの企業理念は、「『モノ』の向こうにある生活や感動を伝えること」ですね。
 

高田 商品を通じて生活提案をしていきたいと思っています。お客様の生活そのものに密着した商品提供を行うことで、商品の先にある「生活」や「感動」をお届けしたいと思っています。私たちがお奨めする商品がきっかけで、「生活が豊かになった」とより多くの方に感じていただきたい。そんな想いで、商品の開発や選定、自社製作、アフターフォローまで全力投球する企業であり続けたい。「ジャパネットたかたで買ってよかった」と思われるサービスを提供し続けていきたいのです。
 

問 そう思うきっかけがあったのでしょうか。
 

高田 昔、店頭販売をしていたとき、おじいちゃんおばあちゃんが来られるので、カメラを薦めてみました。その中でわかってきたのは、モノをいくら販売しても、最終的には満足につながらないということでした。カメラを手にした人がどういう時に嬉しいかといえば、カメラをきちんと使えて、いい写真が撮れたときです。「いい写真が撮れました」とお客様に笑顔で言われたときが、私たちにとっても一番の幸せです。
 

問 他に、顧客の感想で印象に残っているものはありますか。
 

高田 あるときカラオケ機器を買っていただいた女性が姑さんとうまくいかなくて悩んでおられた。でもカラオケを通して仲良くなったそうです。これが、商品の強さだと思うのです。そういうメッセージを伝えていきたいと思っています。それはどの商品でも同じですね。商品を通じて、多くの人々の生活が豊かになったり、快適になったり、幸せになってほしい。そもそも何のために企業があるのかといえば、人々を幸せにするためだと私は思います。確かに経営者としては、売り上げと利益をしっかりと上げることも必要です。それがなければ、社員も養えません。社員全員でいい仕事をして、利益を出し、税金を納め、社会に貢献することが大切だと思います。




■商品開発に込められた開発者の想いも伝えたい

問 昨日、高田社長がテレビショッピングで炊飯器を紹介していたのですが、非常にわかりやすくて、「これはうちにも一台欲しいな」と思いました。高田社長の説明を聞くと、「なるほど、それでおいしいご飯が炊けるのか」というのがわかるんです。
 

高田 ありがとうございます。とても嬉しい言葉です。でも「あと5分間あったらもっと伝えることができるのに」と毎日のように思います。作り手であるメーカーも商品に込めた想いがたくさんあります。今度、10万円もする高額の炊飯器を紹介するのですが、正直売れるのかどうかは私も自信がありません。でもその開発者の方は30年以上も炊飯器の開発を手がけてきました。その開発者の想いは15秒のCMやカタログだけでは伝えきれません。メーカーの「使ってほしい」という機能をわかりやすく伝えていくのも、私たちの使命だと思っています。

問 炊飯器を伝える際のポイントは何でしょうか。
 

高田「炊飯器の新機能はこうですよ」と伝えるだけでは意味がないと思っています。なぜおいしいご飯を頂くか。それは食生活を楽しくするためです。家族みんなでご飯をおいしく食べれば、幸せになれる。だから「おいしいご飯が炊ける炊飯器をぜひ買ってみてください」と伝えます。

問 顧客の声をメーカーにフィードバックすることもあるのでしょうか。
 

高田 お客様からのご感想やご要望もメーカーに伝えています。例えば、我々のカスタマーセンターで集まったお客様からの声をメーカーにお伝えすることで、メーカーがよりよい商品開発ができるようにしています。我々はお客様とメーカーの橋渡しにもなっていきたいと思っています。




■時代の変化に即座に対応する仕組みを作る

問 高田社長は毎日のように生放送でMC(Master of Ceremonyの略で、司会者や番組進行役)をされていますが、相当なプレッシャーだと思います。それでも生放送にこだわる理由は何でしょうか。
 

高田 生放送は、まさに「今」を伝えることができるからです。政治でもビジネスでも1日後は何があるかわかりません。それは誰にも予測できないことです。例えば、我々はメーカーではありませんので、メーカーからどのような新製品が出てくるかは分かりません。だからこそ、新製品が出た時に、いかに早く消費者の方に正確に伝えていけるかが大切だと思っています。最も早く伝えるには、生放送が適しています。そして生放送を行うためには、自前主義がいい。
 

問 自前主義で時代のスピードに対応しているわけですね。
 

高田 もちろん「自前主義がいい」というのはあくまで現在の段階で、今後はそうとも限りません。自前主義も時代の流れで変わる可能性もあります。今のところは自前主義で展開していますが、10?20年のサイクルで経営のスタイルも変えていく必要があると思っています。




■お客様と高感動

問 通信販売で最も大切なことは何でしょうか。
 

高田 自分が本当に好きな商品だけをご紹介するという姿勢です。これは、MCだけではなく、商品を選ぶバイヤーや番組のスタッフなど、すべての社員がこの姿勢を持っていなければいけません。まず自分自身がその商品に感動し、ぜひ伝えたいと心から思うこと。私はその感動とともに商品を紹介したいと思っています。「お客様と感動を共有するショッピングにしよう」と、私はいつも社員に言っています。
 

問 ジャパネットたかたの番組では、驚くことに、台本がないそうですね。なぜでしょうか。
 

高田 自分が本当に気に入った商品を紹介するのだから、台本は必要ないと思います。重要なことは、よどみなく商品を紹介することでも、上手に話すことでもありません。アナウンサーも同じだと思いますが、原稿通りに読んでしまうのでは、心が伝わりません。我々の番組に台本がないのは自分流に表現したいからです。こうやってインタビューをお受けしているときも、台本を持ってお話していませんよね。自分の好きな言葉で語ることが最も大切なことだと思います。
 

問 話すことを忘れたり、言い間違えたりすることはありますか。
 

高田 実は私も結構つっかえています(笑)。でも「あ、忘れました」とか「ちょっと待ってくださいよ」とMCが言ってもいいと思っています。そのほうが自然ですからね。しかし製品情報などは間違って伝えてはいけません。もし間違えてしまったら、素直に謝り、その間違いを訂正すること。その誠実さが大切だと思います。



■厳選した商品のみを紹介する

問 ジャパネットたかたの売上高は2006年度で1080億円を達成、1000億円の大台に乗りました。どう考えますか。
 

高田 数字そのものは特に意識していませんが、企業としての責任はより強くなっていると感じています。例えば、もし我々がお客様の信頼を得られない商品を紹介していたら、それは大きな問題です。

 ジャパネットたかたでは、その商品を販売したとき、お客様に確実に喜んでいただけるかどうかを一番大切な基準にしています。販売数や利益はその後の問題です。まずはお手元に届く商品が価格に見合った品質や機能を持ち、お客様の期待を裏切らないこと。さらに使いやすさなども考慮しながら、販売する商品を選びます。
 

問 商品の選定はどのような判断基準で行われているのでしょうか。

高田 直感が8割です。「これをぜひ紹介したい」というのが一番ですね。一番大切なことは、常に商品に対して関心を持つということだと思います。その好奇心がなければ、何年経っても商品を見る目は養えないと思います。




■他社との差別化は意識しない

問 テレビショッピング業界で今、どんな商品が売れていますか。
 

高田 最近はほとんどが宝飾やアパレル、化粧品関係です。やはり女性をターゲットにした商品ですね。健康食品も増えてきました。ただ、ジャパネットたかたの場合はそれらを扱わず、デジタル家電を中心としています。
 

問 業界の成長をどう見ていますか。
 

高田 全体的には伸びていると思います。特に「ショップチャンネル」を運営するジュピターショップチャンネルと「QVC」を運営するQVCジャパンの2社が急成長しています。毎年数百億円の勢いで伸びていますよ。一方で、テレビショッピングに参入する企業も多いのですが、同時に撤退する企業も多い状況です。
 

問 御社はテレビショッピングの業界で何番目なのでしょうか。
 

高田 テレビショッピング部門だけでみれば、売上高で3番手です。我々のテレビショッピング部門の売上高は3 00数十億円ですが、トップの「ショップチャンネル」は約1000億円です。会社全体の業績で言えば、我々のほうが若干高いのですが、来年にはおそらく抜かれるでしょう。「ショップチャンネル」は視聴可能世帯数が約2000万世帯以上と圧倒的ですから。
 

問 他社との差別化は意識しますか。
 

高田 他社との比較はあまり重視していません。我々はライバルに左右されず、独自のやり方で行こうと思います。また会社としても、数字目標も掲げていません。昨年12月の忘年会の時にも、私は「07年の目標は06年の売上高から下がらなければいい」と伝えました。やはり業績が下がるのはよくありません。かといって売上高が1080億円から一気に1500?2000億円になれば、確実にサービスが低下してしまいます。例えば、お客様の電話にきちんと対応ができなかったり、配送が遅れたりします。そういう意味で、企業は緩やかに成長していくことが大切だと思っています。



■企業理念と社員教育が会社のすべてを表す

問 一般的に、社員の数は増え続けると、企業理念が共有できなくなりがちです。ジャパネットたかたは、その点どのように工夫していますか。
 

高田 どんなに社員の人数が増えようとも、社員全員で同じ企業理念を共有することが大切です。もし一人でも企業理念を間違えて解釈すれば、その人の間違った解釈と対応が我々の会社のすべてを表してしまいます。だからやはり社員の教育が重要だと感じています。

問 どんな点に気をつけて、社員教育をされていらっしゃいますか。
 

高田 創業の頃は私が率先垂範すれば、社員がその背中を見て育ってくれます。しかし企業の規模が大きくなり、社員の数が400人近くになれば、私が 社員一人一人に企業理念を伝えるには限界があります。だからこそ、全社員で同じ理念を共有するために、社員教育を強化しています。

 例えば、アイデアマラソンです。「アイデアを何でもいいからノートに書こう」という訓練をしています。そしてアイデアを書いたら人に伝え、改善していく。

 他にもインストラクター制度に力を入れています。新入社員には先輩社員がインストラクターとして教えます。インストラクターを育てるインストラク ター研修も行っています。さらに役員にも研修があります。こうした研修を通して社員全員が企業理念を理解できるようにしています。



■インターネットで社会は変わる

問 インターネットも通販業界にインパクトを与えているでしょうね。
 

高田 インターネットで社会は変わると思っています。買い物もネットでしたほうが楽ですし、自宅まで送ってもらえます。その分、買い物に行く時間を 他のことに使うことができます。もちろんウインドウショッピングを楽しむ方もいますから一概には言えませんが、ネットほど便利なものはありません。買い物 だけではなく、何かを調べるときもそうです。今思うと、ネットがなかった時代はどうやって情報を探していたんでしょうね。
 

問 御社の売上高の比率は、カタログやチラシの紙媒体が44%、テレビ通販が31%、ネット通販が16%、ラジオ通販が9%です。今後はどう変化すると見ていますか。
 

高田 今年の決算でネットの売上高が全体の約20%(約200億円)を占めると予測しています。今後はもっと割合が増えていくでしょう。ネットはお 客様からの反応がすぐに来るので、面白い。例えば、生放中にメールが来るので、今後はお互いに会話をしながら、商品説明を調整することもできるでしょう。 これからはネットの環境の中で最善の番組を提供して行くために、我々が出来るものはなにか。そこにチャレンジして行きたいですね。
 

問 御社のコマーシャルではメルマガ会員を募集していますね。
 

高田 メルマガ会員は現在約60万人ですが、早期に500万人にしたいと思っています。メールマガジンやネットで動画を見てもらえるようになれば、 テレビショッピングを見ていない人にも伝えることができます。モバイル向けではワンセグ放送をすでに開始していますし、ネット向けではスタジオから生放送 で番組を流しています。今後は、いつでもどこでもジャパネットたかたの生放送を見てもらえる仕組みを作っていこうと考えています。



■10年後の姿は未知数

問 10年後のジャパネットたかたはどんな会社になっているのでしょうか。
 

高田 正直、わかりません。業績としては、緩やかに伸びて、10年後に1500億円くらいだといいかなと思っています。10年後になれば。社員が 500?600名の規模になっているでしょうから、社員教育を徹底し、日本一高い志を持った集団が商品を通じて元気や感動を日本中に伝えていきたいと思っ ています。
 

問 佐世保に本拠を置く理由は何でしょうか。
 

高田 他所に移るメリットを感じないからです。昔では無理だったかもしれませんが、今はITや物流の環境が整ったことで、佐世保から全国展開ができ ます。これは非常にありがたいことです。ただ人材を広く求めるという点では、少し難しい面もあります。人材を広範囲で確保する点が、我々のこれからの課題 ですね。ただし、佐世保であれ、どこであれ、場所を原因にする時点で負けではないかと思っています。どこにいても1番になる努力をすることが大切で、場所 を変えたから1番になれるわけではありません。たとえ500人の街でも、そこで1番のサービスを提供し、信頼を積み重ねていくことが大切だと私は思ってい ます。
 

問 株式は上場されないのですか。
 

高田 私の代では今のところ考えていません。必要性を感じないからです。もう一つは、上場すれば責任の持ち方が変わると思います。株主に対しての責任が増えるかもしれません。それは私にはまだ向いていないと思っています。
 

問 創業経営者は、引退時期が難しいところだと思います。高田社長はどういう形で引退をお考えになっていらっしゃいますか。
 

高田 できるなら今でもいいし、今できなければ5年後でもいいと思っています。若い人にやらせてみて、自分は時々顔を出してちょっと文句を言うくら いになれればいい。今の立場には固執していません。もちろんお客様の信用に応えるためにも、教育制度を充実させるなど、組織改革には力を入れています。社 員の皆が成長して、あと2、3年したら、「社長はもういいですよ」と言われたらいいですね。
 

問 後継者の顔は浮かんでいますか。
 

高田 特定の誰かというより、社員に競ってもらいたいと私は思っています。



■生きていてよかったそう言える人生にしたい

問 最後に、高田社長の夢をお聞かせください。
 

高田 人にはいつか死が訪れます。一度の人生ならば、やはりいい人とめぐり合って、いい人生を送らないともったいない。社員教育も決して会社のためだけではありません。最近、私は考えが変わりました。昔は「入社すると一生いなさい」という考えでしたが、最近は途中で辞めていった社員が転職のときに、「以前、どこで働いていましたか?」と面接で聞かれて、「ジャパネットたかたです」と胸を張っていえるようになってほしいと思っているのです。面接官に、「ジャパネットたかたの社員はこれくらいのレベルしかいないのか」と言われたら、とても恥ずかしい話ですよね。だから自分の成長のためにも一生懸命にやってほしいと思っています。それはどの部署でも変わりません。
 

問 社員の皆さんを見ていると、非常に仲がいいですね。
 

高田 今、社内結婚がものすごく多いんです。社内結婚した二人には、ぜひ幸せになってほしい。そして、夫婦で作った子供に自分たちの喜びや感動を伝える人であってほしいと思うんです。子供に親の感動を伝えることができれば、その子供が親になったときに、自分の子供に感動を伝えることができます。そういう連鎖ができればいいなと思うんです。私は死ぬときに、「生きていてよかった」と言える人生にしたいですね。
 

高田 明(たかた・あきら)

1948年長崎県生まれ。71年大阪経済大学経済学部卒業後、株式会社阪村機械製作所に入社。海外駐在員などを経て、74年父親が経営する「カメラのたかた」に入社。86年独立して「株式会社たかた」を設立し、代表取締役に就任。90年ラジオショッピング、94年テレビショッピングに進出。99年現社名に変更。2000年オンラインショッピングを開始。01年CSデジタル放送を開局、生放送も開始した。自らMCとして商品説明を行うユニークな番組作りに加え、メディアミックスを積極的に活用するなど、通販業界の革命児として知られている。




コメントをシェア

骨太対談
 
コンテンツメニュー
企業家賞
企業家倶楽部企業家大学
Page Top