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トピックス -企業家倶楽部

2010年12月27日

アパレルネット通販の旗手/スタートトゥデイ 代表取締役  前澤 友作 氏 

企業家倶楽部2011年1/2月号 今、日本を最も面白くする企業家たち




アーティストから起業の道へ

 スタートトゥデイはファッションのネット通販サイト「ZOZOTOWN」を展開しています。「ZOZO」のネーミングの由来はイマジネーションの 「想像」とクリエイトの「創造」、二つの言葉の意味をこめて「ZOZO」としました。インターネット上にある街をイメージし、お客様が買い物をします。雑 貨、インテリアなど様々なファッションアイテムを販売しています。僕達がカッコイイと思う洋服だけを専門に取り扱っています。
 
 試着が出来ないので「パンツが売れないのではないか?」とよく質問されますが、売れ行きは店頭とあまり変わりません。10万円を超えるジャケットやブルゾンなどのトップス、アウターの売れ行きも好調です。その理由には、利用者の多くがリピーターであることがあげられます。既にたくさんのお洋服を持っているお客様自身が、ブランドや素材などの情報から、商品をイメージしてご購入頂いているのです。
 
 僕は元々プロのミュージシャンを目指していまし た。中学3年生にバンド活動を始め、高校を出たときに、インディーズのレコード会社からスカウトを受け、はじめのレコードを出したのです。その活動に目を つけたメジャーレコード会社から声が掛かり、メジャーデビューを果たしました。インディーズとメジャー合わせて7枚CDを出し、音楽活動に没頭していたのです。
 
 しかし、僕を起業に導いたのもまた音楽だったのです。演奏だけではなく音楽を聴くのも好きだった僕は、まだ日本で売られていな いレコードやCDを世界中から取り寄せていました。すると、そのCDやレコードを友達が欲しがったので、2、3枚多くCDを購入し原価で譲っていたので す。その規模が徐々に広がり、自分たちのライブ会場の隅でライブへ来てくれたお客様に販売することになりました。その後も売れ行きは順調で、カタログを作 り、全国に配布して注文を取るまでに至ったのです。バンド活動の傍ら始めたこのCD・レコードカタログ通信販売は、信じられないほど大きくなり、バンドと 通販、二足のわらじを履く多忙な日々が続きました。2000年にはバンドがメジャーデビューし、全国ツアーを行う一方、カタログ通信販売事業も順調に進 み、タログ発行部数3万部、売上が月500万円に達し、どちらかに専念しなければいけないと感じていました。そして通信販売事業を選択し、会社を設立したのです。

 周囲には、高校生の頃から夢だったミュージシャンの活動を辞めたことに驚かれました。しかし、10曲入りのCD1枚を3000円で売るのはあく まで「雇われミュージシャン」です。それに比べ、将来の可能性が無限に広がる会社経営をダイナミックに感じたのです。ちなみに、社名である「スタートトゥデイ」はニューヨークのバンド「ゴリラ ビスケッツ」の「スタート・トゥデイ」という曲名に由来しています。


アーティストから起業の道へ

企業理念は世界中をカッコよく世界中に笑顔を

 スタートトゥデイの企業理念は「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を」です。「カッコよく」とは、見た目が良ければいいというわけではなく、洋服を通した 人と人との繋がりが世界平和をもたらすと本気で考えています。「世界平和」と言うと企業理念として重過ぎるので、スタートトゥデイらしく「カッコよくなっ て皆が笑顔になったら、それが世界平和だ」というわけです。
 
 会社を経営し、従業員やお客様など、たくさんの人と関わる中で、「自分の 生きていく責任、会社を経営していく責任」を考えた時に「世界の平和を求めること」に行き着きました。 当社の一番の強みは、洋服が好きなスタッフが仲間 同士でやりたい仕事していることです。ビジネスモデル自体はインターネットで洋服を売る「通信販売」で目新しいものではありません。他社との違いは、そこ にかける情熱です。「企業対お客様」といった商売目線ではなく、同じ仲間同士という意識を心掛けています。スタートトゥデイ社員の大半が元々 ZOZOTOWNを利用していた元お客様でしたので、同じ目線で考えることが出来るのです。


企業理念は世界中をカッコよく世界中に笑顔を

自前主義を貫く

「Do It Yourself」という考えに基づき、僕たちの手でビジネスにまつわる機能や設備で作り、向上させていきたいという思いがあります。ス タートトゥデイは今でもシステムやデザインに始まり、ロジスティックセンター内の物流のフローまで全て自前で行っています。他社に委託すると非効率的でコ ストも掛かります。またサイトデザインも日々リニューアルし、小さな改善を繰り返しています。使いやすいことを大前提に、検索機能も日々向上しています。
 
  スタートトゥデイの物流センターにおける総合管理システム「WMS」は自社開発によるものです。多くの物流会社、ロジスティックセンターは既存のソフトに 手を加えて使用するのが一般的ですが、スタートトゥデイはゼロから制作しました。そのシステムの設計は僕がやったもので、未だにどこがどう動いているか、 把握しています。それは、迅速な配送システムを心掛けるためです。
 
 例えば平日の午前中に受注を受けた場合、翌日には届きます。受注を受けて、メーカーに発注し、取り寄せると5日から1週間掛かります。スタートトゥデイでは全ての在庫を物流センター内に1度お預かりして、すぐに配送できるようにしています。
 
  また、ZOZOTOWNに出店していないブランドのショッピングサイトの受託開発からフルフィルメント(発注、決済、配送といった全体的な業務)までして います。例えば、オンワードというブランドが運営する「ONWARDCROSS NET」というサイトのシステムの開発やデザイン、裏側のフルフィルメン ト全般は当社で請け負っています。サイト構築による売上も、ある程度は見込んでいるのです。ZOZOTOWNとブランド独自のサイト、どちらで売れても同 じようにデザイン、システム構築やフルフィルメントを行っているので、収益上影響はありません。また配送やカスタマーサポートも全て当社が請け負っています。


自前主義を貫く

手紙で思いを伝える

 お客様には商品と共に手紙を届けることもあります。会社から、スタートトゥデイの歴史や思いを伝え、僕からも「前澤です。僕は世界平和を夢見ていて、今皆 さんに商品を買っていただく事は夢の一助になっていただいています」というメッセージを送るのです。手紙を入れる行為も、商品を1つ仕入れるぐらいに手間 が掛かります。しかし、この手紙には返信用封筒と書類がついており、お客様からたくさんの返事をいただけます。「ZOZOで人生が変わりました」と感動的なものから、「使いづらい」、「在庫がすぐに無くなる」という厳しい意見も届けられます。その手紙は冊子にして全社員に配り、皆で読みます。お客様の目線で考える中で重要なことの1つだと思っているのです。



返品に対する考え方を変えたい

 スタートトゥデイは返品を受付けていません。お客様から「靴や下着は履いてみないと分からない」と声が多くありますが、「何でも取り敢えず買い、合わない物は返す」、そのような消費行動が世の中に蔓延したら、コスト掛かり環境にも良くありません。返品を無くすことで商品の値段も抑えられます。企業は返品に掛かるコストを見越して、商品の値段を決めているかです。自身に合う物を注意して選ぶ、そういう世の中になれば商品の値段はもっと落とせます。クレームもありますが、これがスタートトゥデイの考えなのです。
 
 僕自身も消費者として物を選ぶ時は慎重に判断し、絶対に返品しなくてもいいようにしています。ZOZOでも洋服の写真を多く表示し、肩幅や着丈などの細かい情報もミリ単位まで開示して、コメントをつけるという当たり前のことをしっかりやっているのです。



楽しく働くことが最大のモチベーション

 社員の皆には「楽しくやりなよ」と常日頃から言っています。時計を気にしながら仕事に取り組むのではなく、時間を忘れるほど楽しみながら知恵を絞る方が良いものができます。スタートトゥデイの社員は洋服に携わるこの仕事をみんなで楽しんでいるのです。
 
  社員のモチベーション管理は一切やっていません。皆で意識を共有するために、工夫を凝らした「START TODAY CAMP」というイベントを年に2 回行っています。去年の年末は社員全員が集まり、坂本九さんの「心の瞳」を合唱しました。家族愛をテーマにしている曲を歌う事で「また来年もがんばろう ね」や「こうやって皆で集まれて、一つの歌を歌えるって幸せだよね」という家族のような価値を社員みんなで共有しました。
 
 おしゃれな 人ばかりを採用しているわけではないですが、洋服の組み合わせを楽しむ人が採用されているのが現状です。僕の考える洋服が好きな人の共通点は、感受性豊かで様々なものを柔軟に受け入れ、それらを組み合わせることで、自分の洋服に表現できることです。そういう自己表現したがる人は他者との繋がりに重きを置き ます。自己満足で洋服を着ているのではなく、一つのコミュニケーションツールとしているのです。


楽しく働くことが最大のモチベーション

毎日がスタートライン

 スタートトゥデイは、何のために成長するのか、しっかり説明できる企業でありたいです。世の中の多くの経営者は資本面での成長を、真っ先に指針へ掲 げている様に見えます。僕は必ずしも経済的な成長だけが正解だとは思えないので、根本的な意味が欲しいのです。もちろん、従業員数、取引先様の数、売上流 通の額や株主の数など、まだまだ増やしたいと思っています。しかし、そこに至るまでに、関わる人々の幸せを生み出すことが前提になければなりません。経済 成長を追うあまり、社内から不平不満や犠牲が出てしまうようではいけないのです。
 
 僕自身も、自分なりの社長像、トップ像を求めて行きたいと思っています。悩んだ時には人の話に耳を傾ければいい。ですから特定の人物を目指すのではなく、よく先輩方の声に耳を傾ける柔軟な姿勢を保って行きたいと考えています。
 
  自前主義を貫いて、全ての機能やサービスを自分で作り、ゼロから仲間と一緒に作り上げてきました。そこには大きな達成感や喜びがあります。そしてその作り 上げたものを良いと言ってくれるお客様がいる喜びは何物にも替え難いことだと感じています。この喜びは日々増大しており、「あの頃よかったな」と感じる事 はありません。毎日が一番面白いと感じているからです。「スタートトゥデイとはいい社名を付けた」と今になって思っています。



P r o f i l e

前澤友作(まえさわ・ゆうさく)

1975 年、千葉県生まれ。 早稲田実業高校在学中に、音楽バンドを結成。高校卒業後すぐにアメリカへ音楽遊学。95年、音楽活動を続けながら輸入レコード・CD のカタログ通販ビジネスを自宅にて創業。自身のバンドはその後メジャーデビューを果たす。98 年5 月に、有限会社スタート・トゥデイを設立(現株式会社スタートトゥデイ)。本格的に事業をスタートする。2000 年、アパレルネット通販に進出し、04 年にファッションショッピングサイトの「ZOZOTOWN」を本格的にオープン。その後も事業を拡大し、07年12月、東証マザーズ上場を果たす。08 年、第10 回企業家賞を受賞。

肩書き、プロフィール、会社概要等は掲載当時のものです。



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