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トピックス -企業家倶楽部

2012年05月25日

宇宙革命時代の幕開け 2012年宇宙の旅がはじまります/国際宇宙サービス代表 山崎大地

企業家倶楽部2012年6月号 先端人





日本人女性宇宙飛行士、山崎直子氏の夫としても有名な山崎大地。当時、メディアは山崎を「自らの夢を断念し、妻を支える献身的な夫」とし て広く世に紹介した。あれから二年。いったんしぼみかけていた夢、少年時代からの宇宙への憧れは大きくふくらみ、前人未踏の宇宙ビジネスへと山崎を駆り立 てている。この先に訪れるという「宇宙革命」。民間の宇宙飛行によってもたらされるビジネスチャンスとは何か。



■宇宙規模のチャンス到来 

世界の宇宙ビジネス事情を紹介しながら、これから訪れる民間宇宙ビジネスの幕開けについて語る山崎。淀みなくスピーディに情報を展開するその勢い に、冒頭から圧倒された。すぐそこにあるビジネスチャンスの可能性を、ユニークかつ未来的な視点でとらえている。フロンティアとしての宇宙の魅力を誰より も感じ、世に広く伝えたいと願っているのが山崎大地、まさに時代の先端人だ。

 「すでにアメリカでは宇宙産業が国主導ではなく、民間主導にシフトしています。宇宙旅行を体験する人は増え、宇宙は遠い場所ではなくなりつつある。特別な訓練を受けた一握りの宇宙飛行士だけが行ける場所ではなくなるんです」

 この十年で宇宙航空の技術は大きな躍進を遂げ、もうじき一般人が体験できる宇宙旅行がはじまるという。追い風になったのは、1990年代後半から はじまったXプライズカップという賞金レース。民間による宇宙機開発競争がはじまった。2004年、米国のスケールドコンポジット社が3人乗りの宇宙船の 開発に成功。その後、英国のヴァージングループが50億円を同社へ投資し、共同でヴァージンギャラクティック社を設立し、宇宙船を5機製造。一般客をター ゲットにした宇宙旅行ビジネスを早ければ年内にはじめる。

 昨秋、ニューメキシコに世界初のスペースポート(宇宙船発着のための専用空港)を完成させた同社は今後、ハワイ、ドバイ、シンガポールなど世界各国にスペースポートの建設を予定している。

 「いまこそ日本は宇宙ビジネスに本気で取り組むべきです。既に世界に出遅れてはいますが、日本の技術力をもってすればまだ追いつける。先頭にたつことだってできるかもしれない」



■アニメからはじまった宇宙への憧れ

山崎は宇宙の話をはじめると止まらない。蓄積された情報と体験、そして封じられていた夢が出口を求めてあふれてくる。人類の生活圏が宇宙へ拡大することを前提として語り、誰よりも先にその一歩を踏み出そうとする彼の熱意はどこからやってくるのか。

 原点は、子供時代にはまっていた宇宙もののアニメにあるという。壮大な宇宙を舞台に活躍する主人公に共感していくうち、宇宙そのものへの憧れや空 想がふくらんでいった。中学時代は手作りの天体望遠鏡で夜空を日々眺め、いつの日か自分も土星の輪に到達すると夢想していた。宇宙大好きの少年は成長し、 社会で夢を実現する方法を考えるようになる。

 相談した高校の担任は「まじめに考えろ」と一蹴。将来像がみえないまま、卒業して別の道を選んだが、幼い頃の夢はますます大きくなって山崎に迫るようになる。ついに仕事を辞め、航空宇宙学科のある東海大学に進んだ。

 そして大学三年生のときに観た映画アポロ13が、山崎の夢を具体的なものに変化させる。映画のなかで、地球に残って活躍するフライトコントロー ラー(宇宙管制官)と自分の未来を重ねこれまでにない興奮を覚えた。これこそ、進むべき道だと。その後は宇宙管制官になるためにまっしぐら。当時は就職氷 河期だったが、山崎は夢の扉をこじあけた。あとは訓練をうけ、日本の実験棟「きぼう」がうち上がるときを待つだけと思われた。



■宇宙飛行士との結婚


■宇宙飛行士との結婚


現在の妻、宇宙飛行士の直子さんとはまさに運命の出会いで結ばれた。めでたく結婚した二人は助け合いながらお互いの夢を目指す夫婦として共に歩み始める。

 だが、スペースシャトルコロンビア号の事故が起き、国際宇宙ステーション計画は大幅に変更。お互いの夢が両立しないときがやってきてしまう。自分の夢をあきらめなければ、家族がばらばらになってしまう……。万策つきたときに、山崎は妻の夢を支持した。

 その決意を機に、山崎の人生は思わぬ方向に転がりだす。退職、子育て、家事、両親の介護、敬愛する父との別れ……。どこかやりきれない思いを抱え たまま数年が経ち、人生の選択肢をなくしていった。自分の価値、生きがいも見失った山崎は死を意識するところまで追い詰められていく。

 窮地から抜け出すきっかけになったのは、自分を必要とする我が子や介護の母親の存在。そして、新たな夢の萌芽。

 「ひとつの夢がおわったら、別の夢へ挑戦すればいい。夢はいくつあってもいいはずだ。そのなかで、やれることから挑戦すればいいだけなのだ」。言葉には、失ったもの以上の何かをつかんだ山崎の強さがあった。



■宇宙革命の時代がやってくる

闇を抜け、新境地に立った山崎はこれからの宇宙ビジネスに無限の可能性を感じている。 「もはや宇宙へいくのは夢物語でも、他人事でもない。当たり 前のことになります。3日間の訓練で、誰もが宇宙へいくことのできる時代のはじまり。IT革命の次にやってくるのは宇宙革命でしょう」

 宇宙革命とは、いったいどんな変革が起こるというのだ。これからは宇宙が身近になり、活用する時代になる。ネットワークによる仮想空間でのつながりではなく、リアルに世界がつながる時代。宇宙空間を中継点と捉えて有効利用すれば、世界はいっきにスモールワールド化する。

 「世界中どこへでも、4時間以内で移動できるようになるんですから」

 輸送・物流システムや、飲食の文化に与えるインパクトは大きい。そして世界中にあるスペースポートから海外旅行にいくように、宇宙船に乗る旅行者 がでてくる。目的も様々だ。宇宙から地球を眺めたい人もいれば、結婚式やCMの撮影などに使う人もいる。教育分野では宇宙からの授業もあるかもしれない。 用途が広がれば、その分ビジネスチャンスも広がる。

 「いまチャレンジしない手はない」

 前人未踏のビジネスへ挑戦するためにつくった会社が国際宇宙サービス。自由な発想で無限の宇宙を遊ぶことを理念とし、自ら宇宙プロデューサーとして意欲的に活動を続ける。

 「たしかに大きなことに挑戦しているかもしれませんが、やっていることは案外地味ですよ」

 謙遜してそう語る山崎が、この先に辿りつく未来は誰にも予想できない。  
                        (田中紀久子)



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