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トピックス -企業家倶楽部

2013年09月02日

おしぼりを世界の文化に/藤波タオルサービス代表取締役専務(現社長) 藤波克之

企業家倶楽部2013年10月号 言いたい放題





会社概要、プロフィール、肩書きなどは掲載当時のものです。


 夏の時期、おしぼり業界は繁忙期だ。社員は朝早くから出社し、使い終わったおしぼりを回収しに飲食店を回る。暑い日中に重たいものを何度も運ぶ、ハードな肉体労働だ。工場ではパートの主婦たちが大型の洗濯機で洗浄した膨大なタオルを巻く作業が夜まで続く。通常なら16時で帰宅できるが、繁忙期は残業が続くことが多い。

 「遅くまで、ありがとう。お疲れ様」と社員に声を掛けると、「このご時勢に仕事があるのは良いことだよね」と答えてくれる。経営者としてはうれしいが、喜んでばかりはいられない。生産性を上げるなり、仕事の質を改善し、社員の働きに報いたい。





 以前、ベトナムにある提携先のスタッフに、「なぜ日本人はそんなに働くのか?」と聞かれたことがあったが、すぐに答えが浮かばず、返事に困った。彼らの方があくせく働くわけではなく、時間の使い方が上手に思える。本当の豊かさとは何か考えた。なるほど、知人のドイツ人も旅行好きで、夏休みやクリスマスの時期には半月ほど長期休暇を取り、連絡が取れないほどだ。日本人よりも海外の人の方が人生を満喫しているではないか。旅は良いものだ。私の勝手な希望だが、弊社の社員にも世界中を旅して、リフレッシュし、そして見識を深めてもらいたい。

 お陰さまで取引先が増え、工場はフル回転している。今、新工場を建設中だ。今後は、おしぼりの業種を変えずに、業態を変えていきたい。この2、3年インフルエンザが猛威を振るったのは記憶に新しいが、顧客から「ウイルス対応のおしぼりがないか」と問い合わせがあった。

 そこで、慶応義塾大学と提携し、抗ウイルス技術を開発した。幼児向けやメディカル領域など抗菌のニーズは広く、用途は広がっている。「使うだけで潤いが残るおしぼりはないか」という声もあった。新商品開発のヒントはいつもお客様からある。もっと顧客の声に耳を傾けなければならない。

 そこで、現在は機能性おしぼりの商品開発を進めている。抗ウイルスだけでなく、香りや保湿といった美容領域も魅力的な市場だ。アロマ付きおしぼりやカラフルな色のおしぼりなど、美容業界で使えるおしぼりも開発した。新しいテクノロジーを付加することで、これまで飲食店がメインであったが、ネイルや美容サロン、医療機関といった新しい市場が見えてきた。

 新しいおしぼりの商品開発には、女性スタッフの力が大きく関与している。色や香りといった感性の部分は女性が適しているようだ。ウェブや商品のデザイン、キャンペーン企画など女性の心配りが活かされる仕事だからだ。女性の強みである感性と男性の強みである集中力と視野の広さを上手に補完させることが課題といえよう。今後は、技術と戦術を駆使して、小回りの利く組織にするのが目標だ。ユニクロやメガネのジンズのように日本発の世界企業にするのが夢だ。

 古くから日本人に親しまれてきたおしぼりだが、おもてなしの心は世界に通用するはずだ。これからも機能性おしぼりを開発し、日本のみならず世界中で様々なおしぼりを出すシーンを創っていきたい。



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