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トピックス -企業家倶楽部

2013年12月13日

博物館の年間入館者数2億7000万人

企業家倶楽部2013年12月号 数字で読み解く日本経済 vol.8


 秋は人を物思いにふけさせる季節だ。11月3日は「文化の日」。今回は芸術から日本経済を考えてみる。

 芸術に関心を持つ人が訪れるのが博物館や美術館だ。法律では、美術館や動物園なども「博物館」に含まれる。また、展示物の内容によって「博物館類似施設」という概念も法的には存在する。ここでは、それらを包括したものを「博物館」と呼ぶことにする。

 文部科学省によると博物館は全国に5747カ所(2011年度調査)あるという。年間の入館者数は2億7765万2000人。日本の人口で平均すると、年に2回程度は博物館に足を運んでいる計算になる。

 入館者数のグラフをみると、それほど大きな増減はない。ただ、より細かいところに目を配ると、興味深いデータが浮かび上がってくる。来館者の多くが大人であると想定される場合と、子どもである場合とでは、明暗がかなり分かれてくるのだ。

 来館者の多くが大人と思われる博物館には、美術館と歴史博物館がある。1995年度調査を100とした指数でみると、歴史博物館が108・1、美術館は115・5に伸びている。一方、子どもが訪れるのが一般的な動物園は80・6に沈む。夏休みに小学生や中学生でにぎわう科学博物館は100・8で横ばいにとどまっている。こんなところにも少子化の影響が表れていると言えそうだ。




 美術館と歴史博物館の入館者数が増加傾向にある背景には何があるのだろうか。まず、定年退職などで時間に余裕のあるシニア層が増えていることがあげられる。一般的には、人は年齢を重ねれば、歴史や美術に関心を持つようになる。「仕事で忙しかったときには行けなかったが、今だったら行ける」と考えている人は多いのではないだろうか。

 美術や歴史に関心がある人は、総じて経済的にも余裕があると考えられる。美術館や博物館に行ったときに記念品やお土産を買う人も多いだろう。仲のよい人と一緒に連れ立って、ついでに食事をしたりする人もいるはずだ。そう考えれば、美術や歴史が地域経済を活性化させるきっかけになり得るとも言えるだろう。

 長野県松本市では「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」が毎年夏に開かれている。世界的な指揮者の小沢征爾氏の師にあたる斎藤秀雄氏を記念した音楽祭で、全国各地から多くの音楽愛好者を呼び寄せている。経済効果は特に試算されていないようだが、住民が自分たちの地域を誇りに思うことも合わせれば、そのプラスの効果はかなり大きいはずだ。

 目を世界に向けてみよう。世界でもっとも入館者数が多い博物館はパリのルーブル美術館で972万人(2012年、シームド・エンターテインメント協会とAECOMエコノミクス社調べ)、2位がワシントンの国立自然史博物館の760万人、3位が同じくワシントンの国立航空宇宙博物館の680万人となっている。上位20 位に日本の施設はなく、アジア太平洋地区の9位として、東京の国立科学博物館(201万人)が入っただけだった。

 だが、この結果は日本の博物館の入館者数を増やせる余地がまだ残っていることも意味する。国内だけでなく、海外からの観光客を呼び込めるかどうかがカギになる。芸術は観光後進国から脱却する手がかりになるのだ。(Y・N)



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