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トピックス -ビッグベンチャー

2014年01月21日

撃って出る!

企業家倶楽部2014年1/2月号 視点論点


 安倍自民党政権は2012 年12月の総選挙で大勝したあと、異次元の金融緩和、大盤振舞いすぎるのではないかと思われるほどの財政出動を行い、デフレを食い止め、物価2%アップをめざしてきた。第3の矢として、政府が期待しているのが民間の成長戦略。具体的には、設備投資や賃金引き上げだ。

 特に賃金引き上げは、2014年4月から消費税を3%引き上げ8%にすることを決めているだけに、大手企業を中心に引き上げに動いて欲しいのだが、産業界は重い腰を上げてくれない。そんな中で日本電産の永守社長は「社員の月給を上げる」と産業界に一石を投じた。

 産業界は2008年9月のリーマンショック以来、守りの経営に終始してきた。特に日本企業はバブル経済が弾けて以来、20年間もデフレ経済に苦しめられて来た。政府がいくら笛や太鼓ではやし立てても、企業は簡単には踊ってくれない。

 しかし、守りの経営だけでは、未来は無い。いつか閉塞状況を打ち破らねばならない。折角、政府がアベノミクスというデフレ経済脱出策を打ち出しているのだから、民間側もこれに呼応して、攻めの経営に転じるべきではないだろうか。

 機は熟している。まず、政府が3本目の矢である民間企業の成長戦略を促していること。第2は2020年、東京オリンピック・パラリンピックが決まり、7年間は日本にフォローの風が吹く。第3はアジアの成長力。日本の中庭といわれるアジアは今後10年から20年間高度成長が続き、中産階級が10億人くらい生まれると言われている。「アジアは今、ゴールドラッシュを迎えている」とファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は言う。

 撃って出なければウソだ。すでに先進企業は撃って出ている。筆頭はソフトバンク。2013年7月、米国第3位の携帯電話会社、スプリント社を約2兆円で買収、シリコンバレーに本社ビルを買い、現地で陣頭指揮を執る。

 2年前、ソフトバンクの創立30周年記念イベントで孫正義社長は「もう、1兆円を超えるM&Aはしません。借金を減らして次の世代にバトンタッチします」と述べ、投資家を安心させた。その舌の根も乾かないうちに、スプリント社を買収し、また、借入金は4兆円に増えた。




 孫社長がなぜ、前言を翻しスプリント社の買収を決断したのか。乗るか反るかの勝負をしないと生きている気がしないという企業家の本能的なものもあったと思うが、一番の理由は「今が世界一の携帯会社になるチャンス」と思ったからではないだろうか。

 すでに、日本国内の携帯電話の増加数は昨年を下回るという、成長にかげりが見られる。これに対し、アメリカの携帯市場はまだ成長過程にあり、孫社長は成長市場を求めて、アメリカ進出を決断した。

 10月3日、ソフトバンクの時価総額は8・83兆円を突破し、三菱東京UFJ 銀行を抜いて第2位に躍進した。スプリント社買収と投資している中国のネット企業アリババの上場が近いことが評価されたようだ。いずれにしても、グローバル化路線を積極的に進めていることが奏功しているといえる。

 グローバル化といえば、ファーストリテイリングを真っ先に挙げなければならない。ファーストリテイリングは2013年8月期連結決算で売り上げが前年同期比23%増の1兆1430億円となった。中核企業のユニクロの日本国内の売上は冴えなかったが、海外売り上げが伸び、全体としては23%の伸びを示した。

 ユニクロは中国をはじめ海外出店を加速し、2020年には売上高5兆円を達成、その時は海外売り上げが国内売り上げを上回ると、柳井正会長兼社長は明言した。

 上場企業には、約230兆円の余剰資金があるといわれている。社長としては予期せぬ出費のために出来るだけ資金を手元に置いておきたいという気持は分かるが、資金効率を上げるべきだろう。

 現在われわれが置かれている状況は撃って出る条件がそろいすぎてる位で、やや気持ちが悪いほどだ。今年は強気で行こう。(T)



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