• トピックス
  • 企業家倶楽部
  • バックナンバー
  • 企業家チャンネル
  • 私の注目ニュース
  • 新商品コーナー

トピックス -ビッグベンチャー

2014年01月24日

インターネット領域で世界を変革 売上高100億円達成 株式上場も視野に/VOYAGE GROUP代表取締役CEO 宇佐美進典

企業家倶楽部2014年1/2月号 トップに聞く


400万人以上の会員を擁する「ECナビ」。運営するVOYAGE GROUP 社長の宇佐美進典氏はパソコン通信からネット社会に親しみ、インターネット時代の到来に衝撃を受け、世界を変えようと会社を立ち上げた。2012年、MBOによるサイバーエージェントからの独立の背景や、海外進出、今後のインターネットビジネスについてのビジョンを聞いた。聞き手:企業家ネットワーク社長 徳永卓三



社名と事業が同じ名前のメリット・デメリット

問 ECナビからVOYAGE GROUPに社名変更された理由を教えてください。

宇佐美 2011年の10月に社名変更して2年が経ちました。社名変更の理由は端的に言えば、「ECナビ」であることのメリットよりもデメリットが勝ったことです。

 ECナビはインターネットを通じて行われるショッピングや資料請求、アンケート回答によってポイントがたまる会員制のお得なサイトです。知名度がありますので、会社名とサービス名が同じことは大きなメリットです。

 2006年から事業部制を取り入れ、子会社を積極的に立ち上げて新しい領域にチャレンジしてきました。5年経過したころからECナビ以外の売上が全体の半分以上になり、ECナビと競合する企業との事業も増えました。サービスがECナビメインの時は大きなメリットであった社名が、事業領域が広がり「ECナビさんは競合じゃないですか」と、逆にやりにくくなるというデメリットとなりました。このまま事業部制を進め、事業開発を強化していくために、社名変更に踏み切りました。

問 VOYAGEとはいい名前を付けられましたよね。会社のロゴも帆船を使われていてフロンティア精神と明るい未来を感じます。事業内容について具体的に教えてください。

宇佐美 大きく二つの事業を手がけています。ひとつは先ほど申しました会員制ポイント取得サイトのECナビを中心としたメディアビジネス。インターネットの中でユーザーにコンテンツやサービスを提供し、広告収入が中心です。もうひとつは特にここ最近伸びてきているアドテクノロジーです。アドテクノロジーとはインターネット広告配信などの技術で、子会社を中心に伸びています。



変化の激しい時代にチャンスをつかむ事業部制

問 広告というと、多くの企業は広告代理店に一任していますよね。

宇佐美 我々がやっているアドテクノロジー事業は、クライアント様がいわゆるメディアなんです。なので競合であるECナビの中にアドテクノロジーの事業があるのはちょっとまずい。我々には、メディアを運営してきた中で、メディアにとって、どうやればマネタイズ(インターネットの無料サービスから収益を上げる)が上がるのか、1ページビューあたりの広告収益をより高くできるのかというノウハウがあります。クライアント様はメディアであり、ECナビの競合でもありますから、ECナビとは別会社の方が動きやすいですし、お客様にも理解いただきやすい。またPCの領域、スマホの領域など、媒体が異なればそれぞれ全く手法が異なりますので、別会社の方が都合がいいのです。

問 スマホが進化し、企業は世の中の変化についていかなければなりませんね。

宇佐美 難しい分、チャンスでもあります。一度失敗したとしても、新しい分野でまたヨーイドン、と一斉に始まるわけですから。

問 PCで成功すると、拘泥してスマホに対応が遅れるメディアもありますね。

宇佐美 ひとつのビジネスモデルでうまくいくと、次のビジネスモデルに移りにくいというジンクスがどうしてもあります。一方でインターネットビジネスは3年から5年で変わります。変わり続けるプラットフォームやデバイスに対して、事業を創り出していける組織でなければ、継続して伸び続けることはできません。

問 変化に柔軟に対応できる組織づくりとして、どんな工夫をしていますか。

宇佐美 取り組み始めたのは2005ー6年です。2005年までは、営業部、開発部、コンテンツ部、という機能別組織でした。機能別組織は効率はいいのですが、事業全体を見ているのが社長の自分を含め一部の人間だけ。一部の人間しか見ていない中で、事業をどう最適化するかが課題でした。そこで事業部制組織に切り替えたのです。人材の採用の方針も変え、これまでの面白い物をじっくり作り上げようとする農耕民族的な人から、チャレンジを好む狩猟民族的な人を意識的に採用し企業文化の変化を目指しました。



自分たちの言葉で企業理念を

問 子会社が増えると社長の人数も増え、まとめるのも大変ですね。

宇佐美 事業部が増えてくると、自分の事業は良くしたい、会社全体は後回しでいいと求心力が事業部に傾きます。弊害が強くなってきたので、会社として全ての事業部を横断した価値観、企業理念をつくりました。会社全体が大切にしている価値観を、全社で共有化しようと。

問 CREEDとありますね。内容を紹介していただけますか。

宇佐美 「挑戦し続ける。」「自ら考え、自ら動く。」「本質を追い求める。」「圧倒的スピード。」「仲間と事を成す。」「すべてに楽しさを。」「真っ直ぐに、誠実に。」「夢と志、そして情熱。」創業以来からこのような価値観を掲げていましたが、いいなと思ったフレーズを借りてきたものが多く、借りた言葉では社内で浸透しにくいと実感しました。これらCREEDは、日常会話や日報、賞状の中から自分たちの言葉でつくりました。


自分たちの言葉で企業理念を

消費者をエンパワーメント

問 主力のメディア、ECナビについて教えてください。会員数はどのくらいですか。

宇佐美 現在400万人くらいです。年間30ー40万人ベースで増えています。

問 若い人が多そうですね。関心の高いコンテンツはなんでしょうか。

宇佐美 若い人も多いですが、一番のボリュームゾーンは30代の女性で、コツコツポイントを貯めるというお得感のあるコンテンツが人気です。PCから使われる方が多く、ショッピングが多いですね。若い人はスマホから、ゲームコンテンツの利用が多いです。我々が作りたいと思うメディアは販促的なメディアで、買う気のある人を現実の店舗に誘導できるようなメディアを作りたいと常々考えています。

 インターネットのすごいところは、消費者ひとりひとりをエンパワーメントする可能性があることです。ものがなければメーカーが強い、ものがあふれてくれば売り手が強い、これまではそうでした。ECナビでは作り手、売り手よりも消費者をエンパワーメントしていると感じます。

問 宇佐美さんが一番情熱を燃やしていることを教えてください。

宇佐美 我々はもともと、この事業をやろうと決めて立ち上げたわけではなく、インターネットという領域の中で何かすごいことをやろうと会社を作りました。CREEDとは別に、創業理念に「360°スゴイ」と掲げていますが、これが創業時の思いです。やるからには世界を変えるようなすごいことをやろうと思っています。



アジアネットリサーチの勝ち組に

問 新規事業について教えてください。

宇佐美 よりスマホの取り組みを強化します。これまではPCをメインにビジネスを展開してきましたが、PCユーザーをスマホに、スマホユーザーを実際の店舗の世界に誘導し、枠組みを横串で通していくような取り組みを考えています。

問 デバイスの割合を教えていただけますか。

宇佐美 比率で言うと、ユーザーの9割はPCです。新規に登録される方はスマホが30%で今後増えていくでしょう。

問 海外進出はいかがですか。

宇佐美 ネットリサーチの会社を中国、韓国、台湾に展開しています。ECナビ同様、アンケートなどに回答いただける会員です。アジアは成長領域で今は群雄割拠。アジア全域のネットリサーチがワンストップでできる、勝ち組になれるよう強化していきます。

問 日本以外の会員数はどのくらいですか。

宇佐美 自社会員で、中国86万人、韓国30万人、台湾がサービス開始したばかりなので数万人、といったところです。他にオペレーションの拠点をフィリピン、営業拠点がシンガポールとアメリカにあります。

 



10年後は1千億企業

問 売上は今どのくらいですか。

宇佐美 前期仮締めで100億円くらい、前期比18 %増ほどです。

問 ベンチャー企業として二桁成長は理想的ですね。利益はどのくらいでしょう。

宇佐美 5億円ほどです。

問 本当は売上の10%目指したいところですね。社員数300名弱とお聞きしていますが、株式上場を考える頃ではないでしょうか。

宇佐美 元々独立系でしたが、2001年にサイバーエージェントグループになりました。サイバーエージェントの役員も兼務していましたが、2012年からVOYAGE GROUPに専念しまして、6月に株式上場を見据えてMBO(経営陣による株式買い取り)を行い独立しました。

問 サイバーエージェントの藤田社長さんはよく成長企業の株を渡しましたね。

宇佐美 70%ほど持っていただいていました。藤田さんの懐の深さと思います。

問 10年後はどうなっていると思いますか。

宇佐美 10年という時間軸はこの変化の激しい時代において長すぎて、なかなか難しいですね。今41歳。51歳には売上、時価総額ともに1千億は超えていたいです。

問 私共の企業家大賞も是非とってください。

宇佐美 40代のうちにとれるよう頑張ります。

P r o f i l e

宇佐美進典(うさみ・しんすけ)

1972年愛知県生まれ。1996年早稲田大学商学部卒業後、トーマツコンサルティング入社。1999年アクシブドットコム(現VOYAGE GROUP)を創業、取締役COO に就任、2002年代表取締役CEOに就任。2005年サイボウズと合弁でcybozu.netを設立、代表取締役CEOに就任。2005年サイバーエージェント取締役に就任。2007年日本インターネットポイント協議会を設立、副会長に就任(現会長)。著書に「SNSビジネス・ガイドWeb2.0で変わる顧客マーケティングのルール」(共著)「新・データベースメディア戦略。~オープンDBとユーザーの関係が最強のメディアを育てる」(共著)がある。



コメントをシェア

骨太対談
 
コンテンツメニュー
企業家賞
企業家倶楽部企業家大学
Page Top