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トピックス -ビッグベンチャー

2014年05月12日

ヤンキー層は消費の主役か

企業家倶楽部2014年6月号 ビジネストレンド


 




 2013年4月、日銀による異次元の量的緩和から始まったアベノミクスで、80年代後半のバブル景気崩壊後、長く低迷していた景気は少しずつ上昇傾向にある。今年4月には、その情勢を追い風に、17年振りに消費増税が8%に引き上げられた。消費動向はどう動いていくのだろうか。

 高度経済成長期からバブル景気までの若者は、都会でなければ得られない機会や情報、商品を求めて集まった。欧米ブランド品を身につけ、高級レストランで食事をし、都心のタワーマンションに住み、休暇は海外渡航、高級外車のスポーツカーを所有する。都会の若いエリート層の生活スタイルはテレビや雑誌等で紹介され、憧れの的となった。彼らが流行を生み、消費を引っ張ってきた。

 しかし、不況下の中で成長した30代までの若者は、堅実で合理的、無駄を嫌う。特に首都圏の若者は車離れが顕著で、高級ブランドには興味が無く、デジタルデバイスや携帯通話代が主な消費だ。ITを駆使して最安値で買物をする。もちろん情報料は無料である。インターネットの普及で、大都市圏と地方都市の格差はかなりの部分で解消された。リアルタイムで同じ情報を得、買いたいものはクリック一つで手に入る。

 そんな中、消費をけん引しているのが「ヤンキー層」だと言われている。『ヤンキー経済消費の主役・新保守層の正体』(原田曜平)によれば、ヤンキーの定義は一昔前とは異なる。服装などは従来と同じように見えるが、暴力を嫌い、保守的な生き方を選ぶのが特徴だという。

 地元志向で仲間意識が強く、家族の絆を大切にする。反抗や不条理を歌い上げるのではなく、感謝の言葉を繰り返す音楽がヒットする。生まれ育った土地で家庭を持ち、暮らしていくことを望んでいる。家族や仲間が一緒に移動出来るワンボックスカーで、山や海のレジャーやディズニーランドなどのテーマパークに出かける。家族の記念写真や食事会も欠かさない。結婚後も親と同居もしくは近居している場合が多く、共働きも容易でマイホーム志向が強い。消費に大変積極的なのである。

 それを後押ししているのが、大型ショッピングセンターの郊外への出店である。ファッションブランド、雑貨店、レストラン、映画館やスポーツエンターテイメント施設まで揃っている。さらに、隣接して大型家具店、大型会員倉庫店や大型ホームセンターなども相次いで出店されることが多い。車を少し走らせれば、遊びから食事、買物まで全て済ませることが出来てしまう。かつては都会でしか手に入らなかったモノは、容易に身近で手に入るようになった。

 生まれ育った場所で家族と生活することは素晴らしいことのように思える。しかしヤンキー層の特徴として、未知の商品は欲しがらず、口コミや仲間内で支持される売れ筋のものを買いたい、周知の場所に出かけたいという志向がある。『下流社会 新たな階層集団の出現』(三浦展)は、住む場所も付き合う仲間も固定してしまえば昔の村社会とさして変わりがないと警鐘を鳴らす。新しいものを生み出し変革を推進する若者が減っていき、格差が広がる可能性も潜んでいるからだ。

 景気の波に関係なく駐車場が車で溢れる郊外の大型店を見る限り、ショールーミング化の憂いは感じられない。店舗で商品を手に取り買物をするヤンキー層とシニア層の消費動向は、今後も企業にとって無視出来ないだろう。(庄司裕見子)



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