トピックス -ビッグベンチャー

2014年06月10日

キレイごとを証明する会社になる/うちナビ代表取締役社長CEO 角南圭、取締役COO 角南亨

企業家倶楽部2014年6月号 モチベーションカンパニーへの道 vol.9


肩書き、プロフィール、内容は全て掲載当時のものです。

昔ながらの不動産仲介ビジネスで飛躍

 不動産情報サイトを運営し、業界で近年頭角を現しているうちナビ。ホームズやスーモといったポータルサイトへの物件の掲載料をとるビジネスモデルとは異なり、本分は通常の不動産会社と同様の不動産仲介にある。同社社長である角南圭はサイトをあくまで「ホームページ」だとして店舗運営に力を入れ、全国に直営で15店舗を展開している。創業7年で社員数は100名に達し、2014年度も25名に内定を出した。

 サイトで見ることができるのは、物件情報だけに止まらない。各店舗の様子はユーストリームで生中継され、その雰囲気を垣間見ることができる。さらに、店舗ごとのスタッフ1人ひとりにページが割かれており、出身地から座右の銘まで記載されている。各スタッフに物件探しを依頼できることも特徴で、渋谷にある本店のページにはCOOである弟の角南亨氏の顔も並ぶ。各スタッフの情報欄には、担当したお客の声も写真付きで掲載されている。こうしたオープンな情報開示がお客からの親近感や信頼感を生み、特定のスタッフのファンになるケースも少なくない。



「誠実で負けず嫌い」な社員が集まる


 通常、不動産業界というと高学歴の人材が集まりづらいと言われることも多い。窓口業務に中卒や高卒の社員が就くのは当たり前の世界だ。そして飲食業界と同様、基本的には各店舗でのマネジメントが求められる。しかし、実際にはそれをきちんとこなせる優秀な人材が不足しているのが実情だった。このような業界の中で、角南は人材確保に意欲的だ。

「もちろん学歴が全てではない」と前置きしながらも「確率論的に言えば、大卒の人間の方がビジネスパーソンとして活躍してくれる」と角南は語る。うちナビの社員のうち大卒は7割以上。通常の不動産会社の7割を中卒と高卒の社員が占める中で異彩を放っている。

 また採用においても他社との差は明らかで、うちナビは不動産仲介業という「事業内容」を前面に出すことはない。若い人材に敬遠されがちな不動産会社だと思われては、優秀な人材の興味を損なうと考えたからだ。事業紹介では「教育で世界を変える会社」と銘打つため、リクルートをはじめとした人材開発系の企業を志望する学生が受けに来ることが多い。その中から理念に共感し、かつ業務に必要な「誠実で負けず嫌い」な気質を持った人間を選ぶ。



人を形作るのは環境

角南は「人を形作るのはその人物が育った環境である」と説く。人間の性格は容易に変化するものではない。そのため、幼い頃からの親の教育方針などは人材採用において重視している。

 角南の両親はともに三井物産に勤務し、父からは小さい頃から、「人を思いやることに関して負けず嫌いな人間が世界で一番格好良い」と言われ続けて育てられ、母からはあらゆる場面でトップたることを求められた。そうした子供時代を経て、一番になりたいという思いから就職活動は頭にはなく、「社長になりたい」と大学時代に偶然出会った先輩と起業した。

 このような自身の経験から、角南は人材開発にも環境という要素を取り入れている。例えば、社員教育の一環として、新入社員や内定者のみで店舗運営を任せる施策も行う。確かに多少のリスクはあるが、あえてノウハウのない状態で実地を経験させることにより、実践的に学ばせるのだ。バックアップ体制は用意されているので、あとは環境が人材を育てるという算段である。今では両親同様三井物産に勤務していた弟の亨も経営に参加し、現場での人材教育に携っている。「社員には、誰かに何かを与えられる人間になってほしい」と語り、「そのためにまだまだ苦労や辛い経験も必要だ」と不慣れな社員を見守る。



ミッションステートメントを果たすため業界1位を目指す

「正しいことを正しく、当たり前なことを当たり前に行うことが成功に繋がる」

「コツコツ真面目に頑張ってきた人間が成功する」

 こうした信念を世の中に証明していくことを、うちナビは使命として掲げている。確かに、一見キレイ事に聞こえるかもしれない。しかし、そのキレイ事が真であることを証明するためにも、うちナビは業界1位を目指す。何度も倒産の危機にさらされたが、そのような危機的状況でも角南は役員たちに「お金のことは自分が何とかするから、とにかくうちナビの信念だけは果たしてほしい」と宣言してきた。というのも、角南はうちナビの使命に共感する出資者が必ずいることを知っていたからである。結果的に、その信念を貫いたからこそ、うちナビは倒産の危機から脱することができた。

 そして今、角南が力を入れていることこそ、この使命の共有である。中でも社長である角南の家に社員を呼び、ひたすら語らう「社長宅合宿」が特徴的だ。一晩中社員一人ひとりに向き合うことで、その人物が抱えている課題を角南自らが見つけるだけではなく、会社の理念の浸透度を測る。うちナビの実際の業務は賃貸仲介であるため、目の前の仕事にばかり目が行くと大きな目標を見失いがちだ。そうならないためにも、うちナビの使命を全員が共有し、それを果たすために各人が可能な限り全力で取り組むくことが、うちナビの成長に繋がっている。 

 業界ナンバーワンを果たし、キレイ事を実現せんとする同社の未来に期待がかかる。



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