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トピックス -企業家倶楽部

2014年07月11日

快適な車社会の実現に挑む/パーク24社長 西川光一

企業家倶楽部2014年8月号 次世代の企業家


   ドライバーにとって黄色の看板の「タイムズ」は運転中の相棒ともいえる。この駐車場ビジネスの圧倒的ナンバーワンを誇るのがパーク24である。父親である先代社長から引き継いで10年、2代目社長の西川光一は、カーシェアリング、レンタカー、ロードサービスなどモビリティ事業を拡充。新時代のサービスを強化し、快適なクルマ社会の実現に命を賭ける。



駐車場ビジネスのフロンティア

   全国いたるところで見かけるタイムズの黄色の看板。数台しか置けない小さなスペースでも、ドライバーにとっては貴重な存在だ。クルマ社会にはなくてはならない駐車場ビジネスのリーディングカンパニー、パーク24。今や売上高1554億円(2013年10月期)、経常利益195億円(同)を達成、14年10月期は売上高1680億円、経常利益は2ケタ増の215億円を見込む超優良企業である。

   創業は71年、先代社長の西川清が前身となるニシカワ商会を立ち上げ、駐車管理機器を販売、業容を拡大していった。そして91年、無人時間貸駐車場「タイムズ」の本格営業に切り替え、大きく飛躍した。

   現社長の西川光一がパーク24に入社したのは93年。機械メーカーの敏腕営業マンとして活躍していた西川は、入る気はなかったが、父親の要請でやむを得ず入社した、とそのいきさつを語る。

   全国に45万3000台を誇るタイムズ。そのすべてにITシステムを導入、クレジットカードや電子マネーでの決済が可能となっている。またタイムズ駐車場の位置や、空車情報を瞬時に提供、ドライバーの駐車場探しの苦労を軽減している。

   このITシステム導入を敢行したのが西川である。2000年頃、常務だった西川は役員会で訴えた。「これからはITシステムを導入しなければ生き残れません」

   当時、急速にタイムズ駐車場を増やしていたが、どこが故障しているのかさえ管理できないというのが実態だった。早急にITシステムを導入、本部での一括管理が必須だったのだ。

   しかし、当時の年間の利益は25億円。40億円ものITシステム投資を提案したのだから、通らないのは当然といえる。しかし西川は諦めなかった。粘り強く説得、3度目でようやく先代が首を縦に振った。「そんなに言うならやってみろ」。あの時の英断がなければ今のパーク24の成長はなかったと西川は述懐する。



カーシェアリングで新機能を拡充

   右肩上がりの急成長を遂げるパーク24だが、駐車場だけではない、今西川が力を入れているのはカーシェアリング、レンタカー、ロードサービスなどのモビリティ事業である。中でも特に力を入れているのはカーシェアリングだ。これまでクルマに乗ろうと思えば、所有するか、借りるしかなかったが、時間でシェアするという新しい発想で、クルマを利用する機会を創りだしている。一か月1030円の会費で会員制度を導入、利用料金は15分206円という安価だ。会員は既に34万人に及ぶ。既に8500台を保有するが、この10月には1万台を獲得、世界最大の保有数となる見込みだ。

   ちょっとした買い物、子供の送り迎えなど、使いたい時に近くにカーシェアリングがあれば便利である。自家用車を所有していても使い勝手がよいと、利用するケースも多いという。しかもここには、BMWやアウディの小型車など、さまざまな車種も取り揃えている。ユーザーにとっては、自由に好きなクルマに乗ることができると、最近は試乗体験として利用する人もいるという。今は拡大時期で投資し続けているが、これをもっと拡充し、早急に黒字化したいと意気込む。


カーシェアリングで新機能を拡充

強みは足で稼ぐ営業力

   住宅街の路地裏から都心の一等地まで、いたるところにタイムズ駐車場を設置、駐車場としてその数、売上げともに圧倒的№1を誇るパーク24。西川に強みを尋ねると「営業力」と即答した。

   いくらITシステムを完備しても、それを施す駐車場がなければ商売にはならない。まずは駐車スペースを確保することが一番。約400名の営業マンが、日々空地情報をキャッチ、タイムズの提案に余念がない。通常空地情報を得るには不動産会社を廻るのが一番手っ取り早い。しかし同社の営業マンは、地主を一軒一軒訪問、直接交渉する。不動産屋に登録している地主は転売意向が強い。それではタイムズ駐車場としての契約期間が短くなる。一年でも一か月でも、一週間でも契約期間を長くするには、地主との直接交渉が必要だ。こうした営業マンの努力により、契約期間は業界平均3.5年に対し、タイムズは7.5年と2倍以上の長さとなっている。

   クルマ1台置けるスペースがあればタイムズの候補となる。地主にとっては遊ばせておくより有効活用できるし、ドライバーにとっては目的地に少しでも近い駐車場は便利だ。例え小スペースでも細かく活用、タイムズ化を提案するのが営業マンの力である。「先代も私も営業マンあがりですから営業には強い」と語る西川、年間1700カ所の駐車場を作り続ける営業力が最大の強みと自信を見せる。



ブランドを統一しサービス拡充

   今、西川が熱心に取り組んでいるのはブランドの統一である。時間貸駐車場タイムズ、モビリティ事業のタイムズカープラス、タイムズカーレンタルなどを拡充、それぞれに会員がいるが、これを統一、会員サービスを拡充することで強みを倍増したいと意気込む。既にそれぞれのポイントについては共通化を進めている。今の若者たちにとってポイントは重要なサービスである。タイムズとしてブランドを統一、利便性を高め圧倒的ナンバーワンを加速したい考えだ。

   車は走っているときより止まっている時間の方が多い。駐車場ビジネスのプロとして、移動することのストレスをなくしたいと語る西川。パーク24のおかげで路上駐車がなくなったといわれるようになりたいという。駐車場ビジネスの総合プロデューサーとして5兆円市場に挑む。その目には人とクルマと街の新たな未来が見えている。


   豪放磊落そうに見えるが、緻密で繊細な人だったと先代を語る西川、その先代の企業家魂をしっかりと受け継いだ西川が、日本独自の駐車場ビジネスをどこまで成長させるのか、楽しみだ。




西川 光一(にしかわ・こういち)

1964年東京生まれ。89年、株式会社アマダ入社、93年11月パーク24に入社し情報開発部長に就任。94年1月取締役、98年1月常務取締役、00年11 月タイムズサービス株式会社代表取締役、04年1月パーク24代表取締役社長、現在に至る。

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