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トピックス -ビッグベンチャー

2014年08月29日

アジア最大のビューティープラットフォームを創る/アイスタイル社長 吉松徹郎

企業家倶楽部2014年8月号 次世代の企業家




アイスタイルという会社

 アイスタイルというより、美容関連クチコミサイト「アットコスメ」を企画・運営している会社という方がわかりやすいであろう。創業は1999年。吉松がアンダーセンに入社して3年目に、友人からおもしろい話があると持ちかけられ、これはいけると、アイスタイルを立ち上げた。インターネットで世の中が変わると信じていた。3人でスタートしたアイスタイルは2012年には株式上場を果たし信用力と知名度を得て、成長を加速させてきた。2014年6月期の連結売上高69億1400万円連結経常利益2億3200万円を見込んでいる。

 アットコスメサイトを一度覗いてみていただきたい。ここには化粧品・美容に関する全てが、お客様のクチコミ情報とともに網羅されている。月間訪問者数は830万人、月間ページビュー数は2.6億PV、2万6000ブランド、総商品数23万点のデータベースと新製品情報などを網羅する日本最大の美容関連総合サイトとなっている。今、人気の商品は何か、その特長は何か、カテゴリー別に人気順位とクチコミが掲載されているのだから、若い女性にとっては興味深々。20~30代女性の4割が、毎月アットコスメを利用するという人気サイトに成長している。

 アットコスメの最大の特長はメーカーやブランドの枠を超えた、お客様データベースを集積していることだ。寄せられた膨大なデータは、カテゴリーごとに細かく分類され、ランキング形式に反映される。

 この膨大なクチコミを基に、各メーカーにマーケティングデータとして提供しているが、このデータベース化する力、分析・活用する力こそがアイスタイルの強みと吉松は語る。

 ビジネスモデルとしては、クライアントへのデータ提供やサイトへの広告料、いわゆるメディア事業が一番多く、売上全体の52%を占め、次に5店舗を展開するアットコスメストアの販売が29%を占めるまでになっている。

 2014年6月11日のクチコミ総件数は1133万件。お客様データをこれほど集めているところはない。2000年からは「ベストコスメ大賞」を発表。専門冊子も発刊、化粧品業界に大きな影響力を持つまでに成長した。



クチコミでブランドがつくられる時代

 アットコスメが出現して約14年、化粧品業界がどう変化したか。購買行動についてはあまり変わっていないと吉松。化粧品のネットでの購買は全体の10%程度で、ほとんどの人がまだ店頭で購入するというのが実態。実際、ネットとリアルの融合として、アットコスメストアを新宿、池袋、銀座などに5店舗展開しているが、売上げは絶好調という。新宿のルミネエスタ店は、化粧品専門店の一店舗当たりの売上では、日本でトップ10を獲得しているほどだ。人気の商品をいろいろ試しながら購入できる売場は、女性にとっては聖地。興味が広がり、いろいろ購入してもらえるという。

 一方、アットコスメの登場で、ユーザーの声をより反映させられるという意味では、ブランドが分散化してきている。過去は大手メーカーからの一方的情報によるブランドがほとんどだが、今はお客の声によってブランドが創られるようになってきた。従って零細企業でも、お客に支持されれば、人気ブランドとして認知される時代になってきたといえる。


クチコミでブランドがつくられる時代


アットコスメトップページ


美容関係の人材ビジネスにも進出

 アットコスメの役割は、どれだけ生活者と企業の出会いを広げていけるかにある。今後もテクノロジーの進化でいい出会いを創り、全ての女性が美容に関する商品を選ぶ時は、アイスタイルを活用するという状況をつくりたいと吉松。それだけではない。美容に関わる仕事を探す時も、アイスタイルのサービスを活用するなど、ビューティ関係は全てアイスタイルが網羅する。そんな役割を果たしていきたいと語る。

 この5月には、エステティシャン、セラピストなど美容サロン業界に特化した採用成果報酬型求人サイト『アットコスメキャリア サロン版』を開設した。モノだけでなく美容に関わる人材ビジネスにも進出、ビューティマーケット全てに関わっていく考えだ。

   今後は化粧品だけでなく、アンチエイジング、食品、美容機器など、美に関わること全てが対象になると吉松。とてつもなく大きな市場が広がっている。そして5年後は売上1000億円、利益100億円を達成したいと意気込む。



アジア最大のビューティープラットフォーム

 吉松が今、力を入れているのがアジアでの展開である。既に、シンガポール、インドネシア、上海に拠点を持ち、それぞれの国のインターネットマーケティング支援を実施している。今後はさらに拡大していく。

  

 今、海外の人が日本の化粧品情報を知りたいと思ったら、アットコスメにアクセスするのが一番だ。クチコミはもとより美容に関するさまざまな情報が網羅されているからだ。美白やスキンケアに対する関心が高いインド以東の国々は全てがターゲット。所得が増えて美に対する関心が高まれば、今後ますますアットコスメの重要性が増してくると睨む。

 そこでこの6月中には英語、中国語、韓国語に翻訳し、アットコスメを見られるように対応する。今は化粧品とサロンだが、今後はカテゴリーを拡大し、アジア最大のビューティプラットフォームを目指すという。

 20年後の夢については、インターネットが当たり前になっている時代、IT×ビューティで変化をリードする会社にしたいと語る。これまではゼロから1を創ることに力を尽くしてきたが、次は1を100にするのが仕事。多くの人を笑顔にしていく出会いを創るのがこれからの仕事、と語る吉松。女性の美に対する興味はつきない。ビューティ全てを網羅する、と宣言する吉松の前には果てしない大きな市場が広がっている。





吉松徹郎(よしまつ・てつろう)

1972年千葉県生まれ。東京理科大学基礎工学部卒業。96年4月 アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)入社。99年7月 アイスタイル設立、同年12月@cosmeをオープン。12年3月東証マザーズ上場、同年11月東証一部に市場変更。03年度、創業・ベンチャー国民フォーラム起業家部門、奨励賞受賞。13年「第15回企業家賞ベンチャー賞」受賞。

日本最大の美容関連クチコミサイト「@cosme(アットコスメ)」の企画・運営で、知られるアイスタイル。アットコスメは今や20~30代女性の4割が毎月利用するまでメジャーになった。代表の吉松徹郎は、生活者データを基軸に、美容に特化した「アジア最大のビューティプラットフォーム」を構築すると意気込む。そして、美に関わること全てに関わっていくと宣言する。



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