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トピックス -企業家倶楽部

2014年10月07日

質の高い社員を引き連れ顧客満足を求め続ける/プラスバイプラス代表取締役 室田茂樹

企業家倶楽部2014年10月号 モチベーションカンパニーへの道 vol.11


 電気・水道設備というニッチな業界で急成長している企業がある。電気工事店、水道工事店向けのCADソフト「plusCAD」の販売からサポートまでを行うプラスバイプラスだ。

 CADとは図面を書くシステムを指す。ソフトを使うことによって、図面作成が効率的になる。「ニッチな市場ですが、お客様への細かなフォローが大切です。目指すはシェア100%!」と室田は大見栄を切る。

 電気工事店、水道工事店の仕事は施工がメイン。だが、その他に役所への図面の提出や、見積書の作成といった事務的な業務も行わなければならない。特に水道工事の書類は役所ごとに形式が異なるので、面倒だとされている。しかし、p lusCADを使えば、誰でも簡単に書面を作ることが可能だ。



豊富なサポートで顧客の心をつかむ

 プラスバイプラスのクライアントである電気工事店、水道工事店に勤める社員は皆職人肌で、パソコンに苦手意識を持つ人も多い。そこで、パソコン作業に縁遠く、今まで手書きや外注で済ませていた顧客向けにp lusCADを開発。「誰もが簡単に使える」という謳い文句で売り出した。

 「とにかくお客様想いの会社を立ち上げたかった」

 代表の室田はCADソフト会社に勤めていたが、顧客に対するサポート体制の弱さに失望し、有志と共に独立を決意した。

 職人は、できることならば図面や見積書の作成に時間を割きたくない。しかし、フリーソフトでは使い方が分かりにくく、必要以上に時間がとられてしまう。こうした顧客の不満に室田は目をつけた。ソフトの提供だけではなく、使い方のフォローをすることによって顧客の不安を取り除いたのである。

 サポートは3種類用意し、万全の体制だ。1つ目に訪問サポート。顧客の元まで直接出向いて対応する。2つ目に電話サポート。フリーダイヤルで困った時に問い合わせができ、対応時間も幅広い。3つ目に遠隔サポートだ。顧客のパソコンと繋いで遠隔操作で案内をする。すべてが無料というから、使う側にとっては嬉しい。

 これらに加えて「もっと! p lusサポート」を導入した。顧客は朝から現場で仕事をし、夕方から夜にかけて帰宅して書類を作成する。つまり、夜に図面を書く場合が多い。そこで、夜も対応してほしいという顧客の声に応えたのが「もっと! plusサポート」だ。通常は平日9時~18時までだが、平日8時~22時までと土曜日9時~18時までを延長してサポートする。

 顧客からは「他のソフトを使っていた時は2時間かかっていた作業が、30分でできるようになった」といった喜びの声が多く寄せられる。

 「プラスバイプラスと付き合ってから儲かるようになった、という声が一番嬉しい」と室田は言う。ソフトが顧客に直接お金を生むわけではないが、見積もりを早く出せるようになれば元請け業者からの印象が良くなり、注文が増える。このような好循環を目指しているのだ。



社員の人間力が会社を支える

 室田が最も大事にしているのが、人である。人材育成に力を入れることによってこそ、顧客に行き届いたサービスを提供できる。

 会社を支えているのは社員一人ひとりの人間力だ。3カ月に一回、全社員を大阪に集めて行う企業理念の確認は、社員を育てる施策の一つである。4~5時間かけて行われるこの総会では、室田が社員に対して2時間程度熱弁を振るう。

 「決してお金のためではなく、お客様のため、自己育成のために働く」という理念の共有があるからこそ、社内の意識が高まっている。「去年の自分より今の自分が好きだ。プラスバイプラスに勤めて良かった。社員には是非そう思って欲しい」と室田は言う。

 
 「皆に幸せになってほしい」。その思いで立ち上げたプラスバイプラス。これが社名に使われている「プラス」の原点である。そのプラスを掛け算することによって皆で無限の幸せを目指す。ロゴの色にもこだわりがある。左側のオレンジは前向行動、中央のホワイトは誠実素直、右側のブルーは勉強熱心を表している。

 「うちの営業マンはどこの会社に行っても一流の営業マンになります」と室田は得意げだ。質の高い営業力はプラスバイプラスの強みの一つである。営業マンというと、単に物を売り込むイメージが強いが、そうではない。価値の提供こそ、彼らの神髄なのである。説明は「順序良く、短く」を心がけ、「このソフトは、御社の未来を明るくします」と提案する。

 では、営業マンはどのように契約を勝ち取るのか。朝の8時頃から仕事をする顧客が多いため、7時半に電話をかけて「お昼休みにうかがいます」とアポイントをとる。12時半頃に顧客を訪問し、13時半には100万円単位の契約書をもらってくる。初めて顔を合わせる相手と、1時間で契約を結んでくるというから驚きだ。

 電話でアポイントをとる際には、「楽しみにしておいてくださいね」と必ず一言加えている。「どんな面白いものを持ってくるのだろう」と顧客の期待値が上がるからだ。社員が自社の商品に自信を持っているからこそ、言える言葉である。



設備業界の総合支援企業へ

 現在の課題はマネージャー層の育成だ。先日ある女性社員から、社長相談室を作ってほしいという要望があった。しかし、室田の考えはマネージャーに共有している。それを社員にそのまま伝えることができていれば、社長相談室など開設する必要はないのだ。

 トップとマネージャー間で意識の差をなくし、マネージャーが先頭に立ったチーム作りに力を注ぐ。社員全員が理念を共有し、一丸となって新規事業にも挑戦していく構えだ。「私たちは単なる図面を書くソフトを販売する会社では終わりません」

 室田は先日行われた企業理念の確認会議でこう宣言した。

 今後はCADソフトだけにこだわらず、電気工事店や水道工事店の利益となるような支援をしていく。別のソフトの販売や、双方にとってメリットのある別の事業も広げていくつもりだ。

 職人不足で困っているという話があれば人材紹介をする。材料費が高いという声に対しては、安く提供する方法を提案する。このように、設備屋の課題を解決することで顧客満足を求め続け、プラスバイプラスは今後10年で設備業界の総合支援企業を目指す。



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