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トピックス -企業家倶楽部

1999年04月27日

【リゾートトラスト特集】科学的経営と徹底した本物追求で会員制リゾートホテルナンバーワンを貫く/リゾートトラストの強さの秘密

企業家倶楽部1999年5月号 特集第2部



 長引く不況に喘ぐ日本、その中で、五年後の経常利益倍増計画を掲げ一人気を吐くリゾートトラスト。何故、リゾートトラストだけが強いのか。この不況下になぜ一部屋一千万円以上の高額会員権が売れるのか。そこには科学的データに基づいた綿密な経営戦略と徹底した本物志向がある。その強さの秘密を多角的に解き明かしたい。



■強さその1 お客様に確実性を期す画期的タイムシェアリングシステムの開発

日本で会員制リゾートホテルが始まって二十五年、働きばち日本人もゆとりタイムを楽しみたいという欲求が高まる中で、リゾートホテル業界各社の会員権もそれなりに軌道にのってきた。しかしいつも聞かれるのは「せっかく会員になったのにお盆休みやゴールデンウィークに宿泊できない」という不満の声であった。
 
 リゾートトラストの主力商品(エクシブ)は会員のこうした不満を徹底的に解消した画期的なシステムである。この開発に当たり、オーナーで会長の伊藤興朗は従来型の日本の予約システムの長所・短所、アメリカで主流となっている一週間ごとのタイムシェアリングシステムの長所・短所を徹底的に洗い出した。ここで伊藤が根底に据えたのは「お客様にとってのどれだけ使い勝手のよいシステムであるか」である。

 そこで社内の英知を結集し侃侃誇誇の議論を戦わせながら生み出されたのが、画期的な日本型タイムシェアリングシステムXIV(エクシブ)である。
 
 これは一部屋を十四人でシェア、一人一人が独自のカレンダーを持ちそれに則って年間最低二十六日間の宿泊を保証するというものである。年間二十六日という数値も単なる思いつきではない、科学的データによって編み出された。それはこうである。
 
 これは一年三百六十五日を十四人で割った二十六日を固定化した独自の宿泊カレンダーを作り、各々が公平にしかも二十六日間を確実に宿泊できるというシステムである。日本の別荘所有者の平均利用日数は三十日ということを考え合わせても、二十六日という数字は別荘を持つのと同じ価値という事になる。

 エクシブ会員にとってのメリットは、購入した施設だけでなく、日本全国に広がる二十五カ所のすべてのリゾート施設が利用できることである。

さらに会員にとっての魅力は、同社と世界的なリゾート交換会社RCI社とのネットワークにより、世界五十四ケ国、三千二百カ所のリゾートホテルが利用できるということである。「このチェンジシステムを利用し、南欧のリゾートホテルに一週間三万円程度で滞在でき、休暇を楽しんだお客様からお礼のご連絡をいただきました」と語る伊藤は満足げだ。



■強さその2 営業拠点から三時間以内、認知度が高い有名リゾート地に限定の立地戦略

営業拠点から三時間以内、認知度が高い有名リゾート地に限定の立地戦略

 リゾートトラストの主力商品エクシブは全て東京、大阪、名古屋の販売拠点から車で三時間以内に立地する。これはまさに「お客様にとっての利便性」を第一に考える伊藤の勝つための重要な戦略である。

 いくら素晴らしいリゾートホテルの会員になったとしても、自宅から遠くてはそう頻繁には利用できない。ましてエクシブの最大のターゲットは企業経営者、医者、弁護士などの第一線で多忙を極めるエグゼクティブである。だからこそ、自分の拠点から短時間で行けることが極めて重要な要素となる。

 例えば首都圏の客が北海道のリゾートを購入したとしたら、一年に何回利用できるか。せいぜい二~三回がいいところ。それでは使い勝手が悪すぎる。

 エクシブのもう一つの立地戦略はネームバリューのある有名リゾート地に絞り込んでいることである。十カ所のエクシブは全てリゾート地として人気の高い軽井沢や蓼科をはじめ、伊豆、山中湖、鳥羽、白浜、琵琶湖、小豆島などいずれも誰もが認知する有名リゾート地にある。

 つまり三時間以内なら何処でもいいというわけではなく、リゾートとしてブランドカがある場所なればこぞ会員としての価値が増すと言うわけだ。

 伊藤は語る。「かつてリゾート法が施行され、日本全国総リゾートブームに沸いたが、ほとんど失敗に終わった。それはあたりまえのこと、リゾートにはリゾートとしての条件が必要。リゾートの要件が揃わない場所でリゾート開発しても意味がない」。

 エクシブはとにかく客の利用しやすさを重視、拠点から三時間以内、しかも有名リゾート地に限定したことが拡販に繋がっている。いくら素晴らしい施設でも、いくらサービスに自信があっても、行きにくい場所や行きたいと思う場所でなければお客様にお勧めできないというわけだ。



■強さその3 毎回異なるコンセプトを生み出す企画開発力

 エクシブの強みは夫々のロケーションに最も合致した異なるコンセプトに基づいて設計されていることである。この事業構想力が同社の最大の武器といえる。例えばエクシブ蓼科の開発に当たっては、伊藤が自ら何度も現地に出向き、蓼科高原を最も活かすコンセプトとして「ブリティッシュ・カントリースタイル」と定めた。イギリスの貴族が郊外でリゾートライフを楽しむ姿をイメージして作られた建物は、エントランスから、ロビー、家具、調度品一つ一つまでイギリスのカントリースタイルに拘っている。

 エクシブ山中湖は森と湖というロケーションからコンセプトを「ドイツ風シャトー」。また「エクシブ琵琶湖」は「ヨーロッパの大庭園」をコンセプトに気品と優雅さを打ち出している。城ケ島海岸を見晴らす伊一豆高原に立地する「エクシブ伊一豆」は南仏のリゾートをイメージしている。

 このように十カ所のエクシブはそれぞれが異なるコンセプトで開発し、画一的な他社との差別化を明確にしている。これも会員にとっては大きなメリットとなっている。チェンジシステムを利用すれば、毎回異なるコンセプトのリゾートライフを楽しむことができるからである。「会員制はいいが何処に行っても同じような雰囲気では飽きてしまう」という不満を解消する上でもこの企画開発力は他社の追随を許さぬ大きな優位点となっている。

 次のエクシブとしては、兵庫県有馬温泉に「エクシブ有馬」のプロジエクトをスタートさせている。今、この秋の着工に向け鋭意準備中である。六甲の奥座敷、有馬の温泉を活かした次のエクシブのコンセプトは「フランスのシャトー」。どんな別世界ができるのか三年後の完成が楽しみだ。



■強さその4 徹底した本物志向で会員のステータスを高める

 伊藤は完壁主義者である。コンセプトが決まるとプロジエクトメンバー、設計事務所、営業マンに至るまで全員に周知徹底させ、思いを共有させる。そして設計の段階でも決して設計事務所任せにはしない。自分の思い通りの設計図が出来上がるまで決して妥協を許さない、何時間でも自らが出席し、とことん議論を重ねる。この伊藤の完壁主義が徹底した本物志向となって顧客満足を高めている。

 
 「エクシブにきたら日常を忘れ、別世界を味わってもらいたい」という伊藤、そのための施設の充実には余念がない。「あのエクシブに泊まってみたい。しかし会員でないと泊まれない」といったステータスが会員の価値を一層高めているといえる。

 毎回全力投球で取り組む伊藤だが、特にエクシブ蓼科の開発に当たってはその徹底ぶりを一分たりとも緩めることはなかった。国立公園内のため建物は二階建て規制が敷かれた。この時、伊藤の脳裏には広い敷地をゴルフのカートで行き交う、オーストラリア屈指のリゾート、ポートダグラスのシエラトンミラージュでの体験が蘇った。「そうだあれでいこう!唐松が林立する自然を活かし、お客様をゴルフカートで送り迎えしよう」。

 かくして、蓼科はこれまでの高層とは全く異なり、低層の八つの建物を広い敷地に配置し、自然に溶け込んだ形で開発することに決めた。

 自分の思いが固まると、とことん設計業者と議論を重ねる。「蓼科の場合は設計の段階で二十時間ぐらい議論したのではないでしょうか」と専務の高浪宣昭。

 オープン前日に蓼科を訪れた伊藤は館内を何度も廻っては支配人の山崎利夫に「ジュータンが出っ張っていて子供が転んだら危険、すぐ直しなさい」と指示するなど、最後まで入念なチエックを怠らない。

 内装は調度品一つ一つ、コンセプトに合致したものを伊藤自身が選び指示している。

 もともと「家具や調度品が大好き」という伊藤のこと、目に狂いはない。海外視察でも建物やサービスだけでなく小物一つにまで勉強を怠らない。

 また「レストランの味はホテルの大変重要な要素を占める」と伊藤。非日常を楽しみたいと訪れた客が滞在中に飽きることがないようにとの配慮から「エクシブ蓼科」には日本料理、フランス料理、イタリアン、中華料理と四つの本格的レストランを設置、一流の味が楽しめるように工夫している。

 味にも徹底して本物志向を貫く伊藤は料理長としてフランス料理界の大物、内山敏彦をスカウトし、料理部門の総責任者に据え、レストランのレベルアップに努めている。伊藤のこうした本物追求の姿勢が、他社には真似できないエクシブのステータスを高め、会員の価値を高めている。



■強さその5 長年の経験で積み重ねたホテルの運営力

 蓼科オープンの日、伊藤は駆けつけれくれた来賓に感謝しながら何度もつぶやいた。「これからが本番」。

 ホテルの最大の価値はもてなしの心である。

 「お客様にいかに楽しく快適に過ごしていただくか、私どもの仕事はこれからがスタートです」と、蓼科オープン初日、支配人の山崎は口元を引き締めた。

 「気ぜわしい日常を忘れ、ここではゆったりと自然に親しみ、リゾートライフを楽しんでいただきたいのです」と語る山崎の目が優しい。そんなスタッフの気遣いが随所に感じられる。

 「何よりも重視しているのはお客様のご要望にはすぐ対応し、解決してさしあげること。不満を感じたままお帰りいただくことのないように徹底しています」。それには従業員一人一人のレベルアップに全力を尽くす、とホテル運営事業を統括する常務の河崎信彦。

 伊藤は語る「バブルの頃、こぞってリゾートに参入したところは、皆倒産した。それはホテル運営のノウハウも何もなく、お金に物を言わせて土地を買い漁り、ハードだけを作ったからだ。ホテルはハードだけでは意味をなさない。たしかなノウハウがなければ続かない」と。



■強さその6 顧客との信頼関係に基づく卓越した営業力

 一ロ一千万円以上というエクシブの会員権を売る営業マンはただものではない。全国に散らばる二百五十人のつわものが顧客開拓に日夜奔走している。

 エクシブの顧客ターゲットは年収八百万円以上の会社経営者、医者、弁護士などエグゼクティブである。

 それだけにアポイントをとるだけでも大変だ。従ってかなり個人の裁量に任せている。販売拠点を東京、大阪、名古屋の三カ所としているが、それぞれエリア制をとっている。従って「エクシブ琵琶湖」を東京の客に販売することはない。

 そもそも伊藤が会員制を導入したのは早期の資金回収にある。エクシブはそのスケールの大きさから、初期投資額も大きい。従ってオープン前に三割は販売する必要がある。

 「エクシブ蓼科」の場合は三月初旬のオープニングまでに既に三十四%の販売にこぎつけた。この不況下に一室平均一千万円以上というのだから凄い。

 同社営業の強みは顧客の七〇%が既存会員の紹介という満足度の高さである。自らが体験、満足して推薦してくれるわけだからこれほど力強い味方はいない。長年築き挙げてきた顧客との信頼関係がここに結実しているといえる。

 同社の営業スタイルは組織というよりは個人個人の人間性を重視した方式を取っている。「高額な商品を売り付けにきたというのではなく、人生の楽しみ方、リゾートライフの素晴らしさを提案しに来てくれた」と思っていただけるような営業スタンスが大切と言う。従って最初は駄目でも何度かリゾートライフの素晴らしさを提案していくうちに、信頼関係が生まれ、結果として営業に繋がることが多いという。

 「売らんかな」主義的発想では務まらない。ここでも基本となるのはリゾートトラストらしい営業である。

別荘を持つよりエクシブの会員になった方がお得

 昨今は別荘所得者の乗り換えも多い。かつては別荘を所有することは成功者としてのステータスであった。しかし、四季がはっきりしている日本では、オンシーズンにしか利用しないことが多い。まして物件を自分で管理するとなると大変である。
 
 例えば蓼科に別荘を所有しているとしよう。気候からいって利用するのはせいぜい七月・八月の二ヶ月。シーズン前に窓開け、掃除、敷地内の草取りと快適ライフを楽しむまで大変な手間がかかる。利用しても三度の食事の支度など家族全員が楽しむというにはほど遠い。バブルの頃ならいざ知らず、今は所有していてもこの先物件の値上がりは全く期待できない。となれば自分で別荘を持つよりエクシブ会員権を購入した方がずっとお得ということになる。
 
 昨今企業の福利厚生のアウトソーシングの一環として、エクシブを購入する会社が多いという。保養施設を自社で所有するより会員制のリゾートクラブに加入した方が機能的、という考えからである。事実エクシブの顧客の五五%は法人という数値からも、既に企業の保養施設としての役割を担っているといえる。これは会社側にとっても管理や人件費を勘案すると効率的と言うことになるし、利用する社員側もいつも同じ施設よりは、チェンジシステムで様々な施設が利用でき、しかも本物志向の快適なリゾートライフを楽しめるとあって、大変人気という。

 これらの需要は今後益々高まると予測される。これからは「リゾートライフはプロのリゾートトラストにお任せ」ということになりそうだ。

新企画の導入で益々高まる会員としての価値

 同社は一昨年、インターネットによる会員とのネットワークシステム「ワンダーネット」をスタート、ホテルの予約、交換が瞬時にできるシステムを導入した。またホテルだけでなく周辺のイベント情報を随時提供している。さらに会員のメリットを高めるためにや主要都市のレストラン一万カ所と提携し、割引価格で利用できるなどネットワークサービスを開始した。また会員同士のゴルフコンペの企画など、七万人の会員のコミュニケーションにも役立つよう企画中だ。

 「この分野は新社長の伊藤が得意の分野ですから、今後さまざまな企画やサービスが登場すると思います」と目を細める。

 二年前オープンした「エクシブ山中湖」には、世界最高の医療技術を導入したメディカルクラブ「ハイメデイック」をオープンさせた。リゾートがリフレッシュ機能を持つとしたら一種の健康産業である、という伊藤。普段忙しい会員にリゾートライフを楽しみながら、健康診断ができないものか、というアイデアから開発したものである。

 何事にも徹底主義の伊藤はここでも世界最高の検査技術を導入した。入会金と検査代含めて一千万円という高額にもかかわらず、順調に会員数を伸ばしているという。特に人材が育っていない中小企業の社長はもしものことがあってからでは遅い、命はお金に代えられないと言うわけだ。ここでも会員の価値を高めるという伊藤の先見力がものをいう。

顧客満足の高さが新規客を呼び込む

 リゾートトラストの強さの根底にあるのは「全てはお客様の満足ため」という徹底した顧客主義を貫いていることだ。立地戦略、コンセプト、画期的予約システム、世界に負けないスケール、徹底したおもてなし、一流の味、どれをとってもすべてはお客様に満足していただたいという思いに尽きる。この顧客志向が世界に負けない本物のリゾートを可能にし、高い満足度を産んでいる。そしてそれがまた新規の顧客を呼び込んでいる。

 本物を追求し、全力で顧客に尽くせば必ず理解してもらえる。伊藤の強烈な思いが社員全員に浸透し、リゾートトラストスピリットとなって息づいている。この思いがある限り、リゾートトラストは無敵といえる。

 働くだけでなく楽しむことにやっと目を向け始めた日本人に真の豊かさを目覚めさせるためにもリゾートトラストの役割は大きい。



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