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トピックス -企業家倶楽部

2014年11月26日

日本人1000万人が英語を話せる未来を創る/レアジョブ代表取締役社長CEO 加藤智久

企業家倶楽部2014年12月号 新興市場の星たち


25分129円という破格の安さで英会話レッスンを提供するレアジョブ。オンライン上に抱える講師は3800人。2014年6月に東証マザーズに上場を果たし、ユーザー数も増加の一途を辿っている。そんなレアジョブの現在とそのビジョンを追った。




 グローバル化が進み、社内公用語を英語とする企業も現れる昨今。特に若者たちには、英語運用能力が期待されている。時間もお金も無い中で、英語を話せるようになりたい。そんなニーズに応える会社が、オンライン英会話のレアジョブだ。

 オンラインで英会話を習うとは、いかなることか。レアジョブは無料インターネット電話「Skype」を利用することによって、場所や時間にとらわれない英会話レッスンを可能にしている。講師は、英語圏ながら日本との時差がほとんど無く、しかも労働力の安いフィリピン人。現在その数は約3800人おり、ユーザーはその中から自分に合った講師を選ぶことができる。



いつでもどこでも英会話

 オンラインで英会話を習うことのメリットは多い。一番の強みは、いつでもどこでも英会話を行えることだ。日本人が英語を話せるようになるためには、約3000時間が必要と言われている。学生時代に英語を頑張った人でも1000時間弱しか勉強できていない日本人にとっては、忙しい社会人生活の中で残りの2000時間を確保しなければならない。「英会話教室へ通う行き帰りの1時間すらもったいない」と加藤も強調する。

 その点レアジョブ英会話であれば、必要な動作はパソコンやタブレット、スマートフォンなどの端末に「Skype」をダウンロードするのみ。朝起きて出勤までの時間を使っても良し、布団に入って寝る前の時間を使っても良し。わざわざ教室に通う必要が無いため、効率よく英会話を習うことができる。

 低価格も魅力の一つだ。人気の最も高い月額5800円のプランならば、なんと1レッスン換算で25分187円。月額1万6000円のプランに至っては、25分129円で受講できる。現在は「初月1円キャンペーン」を行っており、入会した初月に限り1円でレッスンが受けられる。英会話に対する敷居が低くなり、気軽に始められる。

 約3800人という講師の多さも、ユーザーにとっては嬉しい。日本の東京大学に値する優秀なフィリピン大学の在学生・卒業生をはじめ、教えるノウハウを身に着けた、厳選された講師陣がそろう。

 普通の英会話教室では、たとえ同規模の講師を抱えていても1店舗あたりの講師数は50人に満たない。しかしレアジョブ英会話はオンライン英会話なので、画面の向こうにいる3800人の中から自分に合う講師を選べるのだ。自然、テキストに沿った会話だけでなく、趣味や仕事についても語り合えるので、生きた英会話を楽しむことができる。



社長自らフィリピンに飛ぶ

 ユーザーだけでなく講師たちにも配慮を欠かさない。フィリピン在住の講師にとっても、自宅で英会話を教えることが出来るのは魅力だ。インターネット環境が普及した今日、講師たちは自然豊かな田舎に住んでいても、自分のペースで働くことが出来る。

 英語が流暢に話せて、教えられるのは講師として最低限の条件。レアジョブ英会話が求めるのは、それ以上のホスピタリティである。それはすなわち、相手の喜びを自分の喜びと思うこと。講師はユーザーを喜ばせたり、優しく諭したりしながら英会話を教える。それでこそ生徒は継続して勉強しようと思い、上達できるのだ。

 厳格な採用基準によって選ばれた講師は、英語を教えられるようにトレーニングを受ける。さらに講師として一人前になってからも、スキルがレッスンの中で生かされているか確認される。

 社長の加藤自身、4か月に一度はフィリピンに飛んで講師と直接会い、コミュニケーションを取る。「英会話初心者が話せるようになるためには、僕たちに何ができるでしょうか」。加藤の投げかけた問いについてグループで考え、最終的には発表してもらう。この事業は、英語を教えるだけでなく、ユーザーに英語に対するやる気を出してもらってこそ成功と言えるのだと講師にも理解してもらうのだ。



目的意識から提供


 今年6月の東証マザーズ上場を経て、さらにユーザー数が増えているレアジョブ。初月1円キャンペーンもあって、英会話に興味のある人がより足を踏み入れやすくなっている。「以前よりも初心者の割合が増えてきました。講師たちへの指導を一層徹底し、教材を増やすなど対応していかなければなりません」

 現在、レアジョブ英会話では約1700種類もの教材を用意し、ユーーのレベルに応じて講師の方から提案をする。紙媒体ではなくネット上の教材だが、これをどう活用するか情報提供をしていかなくてはならない。

 もう一つの課題は、「なぜ自分は英会話を始めたのか」という動機がはっきりしないユーザーが増えていることだ。レアジョブ英会話は敷居が低い分、目的意識を持たずに漠然とした動機で門を叩くお客も多い。しかし、それではなかなか継続した努力を行うのは難しく、講師もどのようなレッスンを提供するのがベストか判断がつきにくい。

 そこでレアジョブ英会話は、オウンドメディアなどを通じて他のユーザーを紹介し、英会話を始める人々の動機付けを助けている。さらに、講師に任せっ放しにするのではなく、日本人スタッフによるカスタマーサポートを通じてユーザーへのアドバイスも試みている。



IT×ホスピタリティの企業を目指す

「私たちはこれから、英会話レッスンだけでなく英語学習全般のオンライン化を進めていきます」

 今まで教材はほぼ100%が紙媒体であった。しかしタブレット端末の普及から、日本でも徐々に教育のオンライン化が進められつつある。そこで、レアジョブもその一端を担おうというのだ。「技術の進歩で、“辞書を引く”という行為は今後なくなってしまうかもしれない」

 未来の英語学習について問うと、加藤はニヤリと笑った。

 近い将来、会議の場にスマートフォンを一台置いておけば、それが会話を全てテキスト化できるようになるだろう。対話者の英語を分析し、各人の英語が上達するために学習すべき単語をリストアップしてくれれば、効率的に英語学習を行うことが可能だ。

 さらに、そうした情報が一元的に管理できるプラットフォームが構築され、ネット上で共有されれば、アマゾンなどのECサイトで洋書を購入する際にもレベルに応じた推薦を受けられるかもしれない。リアルタイムで、一人ひとりに適した英語学習が提案される時代の到来だ。

 またレアジョブは現在、「日本人1000万人が英語を話せるようにする」という目標を掲げているが、この輪をさらに他国へと広げていくことも視野に入れる。

「いくら技術が進歩しても、根本的に大切なのは相手を思いやる気持ちです。私たちはIT×ホスピタリティの企業を目指したい」 加藤は”おもてなし”でオンライン英会話の雄となるか。



P L O F I L E

加藤智久(かとう・ともひさ)

1980年千葉県出身。一橋大学卒。2005年外資系戦略コンサルティングファーム・モニターグループ入社。2007年にレアジョブ設立、代表取締役社長就任。2014年6月東証マザーズ上場。



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