トピックス -企業家倶楽部

2014年12月30日

感謝する気持ちを忘れず人間力を磨いて欲しい/スーパーホテル会長 山本梁介

企業家倶楽部2014年12月号 私の信条





 スーパーホテルでは、売上至上主義ではなく、理念浸透主義の経営を目指しています。もちろん事業ですから、利益を上げることは大前提です。業績を上げていくための目標数値を決めていますが、なぜその数字を追うのか、現場に経営理念が浸透していなければ、顧客満足を与えることは出来ません。朝礼では、自分の頭で考え、顧客のために正しいと思うことを自ら行動することを説いています。

 当社はホテル業界でIT化を先駆けて導入し、顧客満足度を上げる取り組みをしています。自動チェックイン機で宿泊費を支払うと部屋番号と鍵の代わりとなる暗証番号が印字された領収書が発券されます。この前払い式の自動チェックイン機を導入することで、ルームキーは不要になり、チェックアウトもスムーズになりました。朝のフロントの込み合いがなくなり、顧客満足度は上がり、さらに人件費も抑えられるのです。

 顧客満足度ばかり追い求めてもいけません。同様に重要なのが社員満足度だと考えています。ではどうすれば、社員満足度が上がるのでしょうか。それは社員に自己実現してもらうことです。

 そこで、一人ひとりの社員に自分の夢を描く機会を持つようにしています。社員は皆、必ず上司と部下の関係にあります。課長であっても、自分の下には部下がおり、部長と言う上司が存在します。当社では、上司と部下のコミュニケーションは「話し込み」と呼び、対話する時間が設けられています。上司は部下が自分の夢を書く「チャレンジシート」と行動計画を記した「ランクアップノート」というツールを使っています。部下の長所を知り、目標を明確化し、自分の目標と会社の目標をどのように近づけていくか考えるようにサポートします。

 理想とする社員の人物像は「自律型感動人間」です。自分の頭で考え自ら行動でき、周りの人々に感動を与えられる人物です。なぜ、そう考えるようになったのかというと、自らの挫折の経験からです。バブル崩壊で業績が落ち込んだときがありました。銀行に資金繰りで相談に行っても良い話しはありません。業績が落ち込んだのは自分のせいではなく、景気が悪いのが原因だと他責にしたいという甘い気持ちも芽生えました。

 しかし、夜遅くに会社に戻るとまだ灯りが付いており、社員は頑張って仕事をしていました。家では家族が文句一つ言わずに支えてくれました。その時に感じたことは自分の周りにいる人たちへの「感謝の気持ち」です。自分一人の力は小さなものだけれども、感謝する気持ちを持つと心が大きくなりました。気持ちが明るくなり、人間的にも成長します。すると回りの人も協力してくれるようになりました。

 多くの成功している人に会って話を聞いてみると、皆同様に「私は運が良かった」と言います。しかし、本当に運だけでしょうか。運が良かったという人たちは、ピンチのときにそれを嘆いてばかりいるのではありません。ピンチをチャンスに変えるアイデアをひらめく、感性を持っています。逆境の際に逃げずに乗り越えようとする人だけがひらめくのです。そして、感性が豊かな人は人間的な魅力も持っています。まさにそれが「人間力」なのです。

 社員には、いつも感謝する気持ちを忘れず、人間力を磨いて欲しいと願っています。



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