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トピックス -企業家倶楽部

2015年01月16日

変化を乗り越え更なる進化へ/ジャパネットたかたを支えるスタッフ

企業家倶楽部2015年1/2月号 ジャパネットたかた特集第4部


「最高益を達成できなければ社長を辞任する」。2012 年12月、ジャパネットたかた社長・髙田明の言葉に激震が走った。「社長を辞めさせるわけにはいかない」と商品企画、テレビ番組やコールセンターなど各部署は一致団結。全員の思いがジャパネットたかたを最高益に導いた。しかし、創業者である髙田の退任で来年度からは新体制。同社を支える社員達がその今後と、自身の胸中を語る。

(文中敬称略)



努力する者には何人も敵わない


努力する者には何人も敵わない


ジャパネットコミュニケーションズ代表取締役社長 星井龍也 


 嵐のように鳴り響く電話の着信音。コールセンターに設置されたスクリーンではテレビ放映の様子から注文数、視聴率まで映し出される。

 テレビ、インターネットとマルチメディアでの宣伝販売に取り組むジャパネットたかたでは、膨大な顧客情報を管理し、全社で商品情報、売り上げの進捗状況などを瞬間的に共有している。まさに同社の心臓部ともいえるこのシステムを整備し自前主義を実現したのが、ジャパネットコミュニケーションズ社長の星井である。

「もう入社して10年になりますが、早いものです」と懐かしむ星井だが、ジャパネットたかたに入社する以前はコンピューターに憧れ、日本ユニシスでシステム開発に携わっていた。

 日本ユニシスへの入社当時はコンピューター開発最盛期。しかし、それから20年の間に技術革新は劇的な進歩を遂げる。機能性で差がつかなくなり、システムエンジニアの役割は開発よりもシステム管理が中心になっていった。

 システムエンジニアとしての仕事に疑問を抱いた星井。その彼を誘ったのが当時急成長を遂げていたジャパネットたかた社長・髙田明である。初めて見た髙田の第一印象は、テレビで見る彼の姿とは一味違った。

「話している内容はビジネスライクでしたが、会って最初に感じたのは誠実さ。裏表のない姿が魅力的でした」

 同社の特徴は徹底した自前主義。スピード感を持って時代の潮流に乗るために、アウトソーシングが主流であった10年前にして髙田が求めたのは、他社に委託していた自社システムの自前化と最新化だった。

 星井は「侍」と呼ぶ8人の中心メンバーと他20人のスタッフで土台となるシステムを完成。自身が手がけたシステムは社内の中で生き続けている。

 現在、星井はコールセンターの管理を手がけるジャパネットホールディングスの子会社、ジャパネットコミュニケーションズの社長を務める。

 「お客様は番組やネットから熱意を持って紹介される商品を買いたくなってコールセンターに電話をくださる。だから、コールセンターがその熱を冷ますことは絶対にあってはならない」とし、お客への丁寧な商品説明と、コールセンターに勤める社員全員が販売者としての当事者意識を持つことの必要性について言及した。

 星井が好きな髙田の言葉に「努力する者には何人も敵わない」というものがある。その言葉からは、自らの事業に全力投球する髙田の熱意が伝わって来る。

「刹那を懸命に生きる姿に共感しています。物事を全体的に考えながら、その中の個もおさえ、100%の力を効果的に発揮できるのは本当に素晴らしい」

 マルチメディア戦略を同社の強みと位置付ける星井だが、それを成し遂げた髙田は来年には退任予定。星井は次期社長である髙田旭人副社長について「社長は直感とロジカルの人です。副社長もロジカルだけれど、一番の強みは即決できる判断力でしょう」と評価する。そして、星井は最後にこう述べた。

「今まで積み上げて来た仕組みを残しながら、新社長のロジカルな体制で再スタートできればと思っています。髙田社長には100歳を超えても、最高の人生を歩んで欲しいですね」



朝令朝改で時代の変化に対応


 朝令朝改で時代の変化に対応


執行役員 メディア企画制作本部テレビ企画・制作部部長 兼 全社商材戦略部部長 浦明美


 専業主婦だった浦は子育ても一段落し、自宅近くのたかたカメラにパートとして入社。以来30年近く、ジャパネットたかたの成長を支えてきた。現在は主にテレビ制作を率いている。

「来年最高益を達成出来なければ、社長を辞任する」

 2012年の忘年会で髙田社長が突然、宣言した。2年連続減収減益の末に下した決断だった。社内は騒然。入社以来、常に髙田に導かれている安心感とワクワク感でひた走ってきた浦は、発表を聞いて「怖かった」と当時の胸の内を語る。

 髙田のメッセージは明快だった。

「お客様に支持されない会社になっているかもしれないという危機感を持て」

 顧客に支持されなければ生き残れない。社員が一丸となって覚悟を決め、最高益になるための売上目標をメディアごとに逆算して立てた。

「利益を上げなければならないのがきつかった」と回想する浦。売上高ならば大量にチラシを撒くなど宣伝の力で達成可能だが、そうした施策では経費がかかる。リターンの保証がない以上、宣伝の乱発は行えない。

 さらに売上の半分以上を占めていたテレビが売れない。その後釜を発掘すべく、バイヤーが掃除器などの家事家電や粗利益の高い非家電商品を提案する。その中に現在同社の人気商品となっている掃除器「東芝トルネオ」があった。市場の反応は予想以上で、すぐさま売上の柱となり、「日本中の掃除機を買い換えてもらおう」が合言葉になった。また、ふとんクリーナー「レイコップ」も短期間でブームとなった商品である。

 浦は成功の秘訣を「スピードを持って改革を行ったこと」と分析する。髙田は「朝令朝改」を是とし、即時即決を行った。決断が夕方になると実行が翌日になってしまう。それでは遅いのだ。

 東京オフィスの開設も効果的だった。佐世保本社では、決裁権がない担当者による「持ち帰り商談」も多々あったが、東京では即時決裁が可能となった。また、バイヤー向けの見本市なども出張なしに参加することができ、商品提案スピードが格段に早くなった。

 CS放送のジャパネットチャンネルDXは、言わばジャパネットたかたのファンのための番組であり、新しい商品が矢継ぎ早に紹介される。財布などの雑貨もあり、その中から「マジックラップ」といったヒット商品も生まれた。CS放送でヒットした商品は地上波や他の媒体で取り上げ、さらに売上を伸ばした。

「佐世保と東京は切磋琢磨しながら一緒に戦っていました」と浦。地上波など、より多くの視聴者が見込まれる放送は、売れ筋の商品を手堅く販売していった。

 しかし、8月末から売上が伸びない日が続いた。9月には急遽1週間連続でチャレンジデーを設けるなど、売上確保に向けて猛烈に追い上げ。11月30日にようやく最高益達成が見え、その速報を聞いた社員たちの目からは涙が溢れたという。

 最高益達成で社員たちの実力を確信した髙田は、2015年1月16日をもって社長退任を決定した。テレビへの出演は1年間続けるが、その間に浦はテレビ制作の責任者として、象徴であった髙田抜きでも自社をお客に愛される組織にすべく、使命感に燃えている。

 そんな浦から、髙田親子にメッセージ。「髙田明社長、旭人副社長は共に、妥協せず、意思が強くて無理をするところまでそっくりです。健康には気を付けて下さい」



さらに実力を付けジャパネットを支えたい


さらに実力を付けジャパネットを支えたい


商品開発本部 第一商品バイヤー部シニアリーダー 宮岡哲平


 布団用クリーナー「レイコップ」、東芝の掃除機「トルネオ」ージャパネットたかたが誇る看板商品たちを生み出した男、宮岡哲平が新卒で同社に入社したのは2001年。長崎出身で、テレビでよく見る髙田が佐世保に社を構えていたことに親近感を覚え、試験を受けた。

 面接で社長の髙田明と話し、感動したと語る宮岡。「テレビのままでありながら、経営者として凄さも感じました」と当時を振り返る。

 入社後はテレビ制作、バイヤー、コールセンターと経験を積み、MCにも挑戦した。ただ、「一番面白かったのは俄然バイイング」と断言するように、最終的にはバイヤーとして落ち着き、今に至る。

 東京勤務は2年前から。東京オフィスができて「ムーブジャパネット」のスローガンも掲げられるなど、会社の転換期であった。

 髙田が常々口にするのは、「事実は受け止めなければならない」ということ。11年のアナログ停波に際してテレビの需要減が予想されると、デジタル家電を担当していた宮岡は様々な商品を仕込むことで対応した。

 
 12年からは白物家電を任される。白物は黒物に比べ当社ではシェアが低かったため、伸びしろがあると判断して奮闘した。

 そんな宮岡だが、12年12月に髙田が「次の年に最高益を出せなければ社長を辞める」と宣言した時は愕然とした。

「正直、なんでこんなこと言うんだろうと思いました。でも社長の本気度が伝わってきたので、絶対に辞めさせるわけにはいかないと気持ちを切り替えましたね」

 まずは、自分が与えられている範囲でどれだけ利益を出せるか。テレビの需要落ち込みをカバーするためには、全社的にもテレビより利幅が高い白物家電に比重が置かれた。そのため宮岡は、2大看板商品であるレイコップとトルネオが売れるよう、生産計画や仕入れ値交渉などを整えていった。

 大きな失敗は無かったと語る宮岡だが、一番苦労したのはこれらの商品を継続して売り続けること。

「レイコップやトルネオは想定以上に売れたので、社内では売れて当たり前という空気が生まれ、その期待に応えるため在庫や市場の動きなど多方面に気を配って心臓が縮まる思いでした」

 しかし、今やレイコップは100万台超、トルネオも150万台超の売れ行き。これを成功と言わずして何と言おう。

 バイヤーとして商品選びで心がけていることを問うと、「ジャパネット的かどうか」との返事。悩んだ際は、いつも携帯している社のクレドに照らし合わせ、これに沿ってさえいれば商品のカテゴリに囚われることは無いと語る。

 そんな宮岡にとって社長の髙田は「お父さんのような存在」

「構え方が常に自然体で、業績の善し悪しで態度が変わらない。多くを教えていただきましたが、一番学んだことは誠実でなければならないということですね」

 ジャパネットを支えていけるだけの実力を付けたいと、やる気に満ち溢れる宮岡。髙田へは「社長に学ばせていただいたことをしっかり具現化していけるように努力します。社長は、これからはご自身のしたいことをなさって下さい」とメッセージを残す。

 まだまだ若い36歳。同学年で、来年から社を率いることとなる副社長の髙田旭人にも「副社長が考えるジャパネットの未来像に共感しています。そこに向かってしっかり役割を果たしていきます」と、次世代を担う身として頼もしく笑った。



熱意溢れる企画で果敢にチャレンジする


熱意溢れる企画で果敢にチャレンジする


メディア企画制作本部 ペーパーメディア企画・制作部シニアリーダー 永溪幸子


 現在、ペーパーメディア企画・制作部の最前線に立っているのが永溪幸子だ。ジャパネットたかたとの出会いは就職活動のときの合同説明会。ジャパネットたかたの「お客に対してしっかりと責任を取る」という自前主義の理念に惚れ、2003年に新卒で入社した。

 永溪はカスタマーサービスセンターでのアフターサポートに配属され、入社1年目にしてお客の生の声を聞く機会に恵まれる。商品購入後のお客の疑問を電話で受け付け、商品の使い方に関する問い合わせに対応した。

「お客様に分かってもらうためには、自分が誰よりも商品を理解していなければいけない。電話ではお互いの顔が見えません。同じ商品を自ら手元に取って、お客様の立場に立った説明を心掛けました。お客様の声に集中して聞ける経験ができてよかった」と当時を思い返す。

 それからしばらく経った2012年、地デジ移行とエコポイント終了を受け、主力だったテレビが全く売れなくなっていたマーケティング部門などを経験し、メディアミックスの戦略部門に移った永溪は「今まではテレビの販売に偏りすぎ、ポテンシャルのある商材を紹介しきれていなかった。埋もれている商品を伝えるためにも、今までにやったことのない企画に挑戦すべきだ」と思いを新たにする。

 ジャパネットの特徴であるメディアミックスを最大限に活かした企画ができないかと思案し、副社長の髙田旭人との対話から生まれたのがジャパネットチャレンジデーである。チャレンジデーはテレビ、ラジオ、インターネット、チラシといった同社の全媒体を1つの商品にだけ絞って、集中的なプロモーションを行う日を作る試みだ。永溪は社長の髙田明の反対にも熱意で押し切り、チャレンジデーの企画を通す。

 同年7月、今後の社運を占う第1回目の商品をエアコンに定め、ジャパネットチャレンジデーを決行。ジャパネットが有するすべてのメディアがエアコンのPR一色に染められた。想像していたよりも多くの電話が掛かり、購入を迷っていたお客がいたこともあってか、日付が変わるまで電話の音が途切れることはなかった。

 時計の針が12時を指した瞬間、社内は社員たちの盛大な拍手に包まれた。準備段階では期待と不安が入り混じっていた永溪だったが、達成感のあるスタートダッシュに思わず拳を握りしめた。この成功には当初反対していた髙田明も「若い人の考えることは私たちの世代とは違った面白さがある」と感心する。

 永溪は、今ではペーパーメディア企画・制作部のシニアリーダーとしてお客を楽しませる紙面展開、新企画を目指して奮闘している。積極的に社員に接する髙田明はよく考え抜かれたチラシの紙面を褒め、「常に瞬間、瞬間を精一杯やりなさい」と永溪に激励の言葉を贈る。

 チャレンジデーで活躍した永溪だが戦略、事務や管理、システム部門など、将来にやってみたいことは尽きないという。

「社長は起業して、ラジオやテレビで当時、誰もがやっていない方法で商品の販売を始めた。できるかどうかに縛られず、やるべきことに身を投じてきたからこそ今のジャパネットたかたがある。チャレンジ精神を引き継いで、新しいことに全力投球で挑戦していきます」



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