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トピックス -企業家倶楽部

2015年02月17日

免疫力を強化して健康を手に入れよ/テラ代表取締役社長 矢﨑雄一郎

企業家倶楽部2015年1/2月号 著者に聞く


『免疫力をあなどるな!』

矢﨑雄一郎 著 サンマーク出版(1400円+税)

最先端のがんの免疫細胞治療を行うテラの矢﨑雄一郎社長の一般向け著書。健康に最も大切なものは免疫力であり、健康な人とそうでない人の違いを科学的な切り口で解説する。ボス細胞を活性化させて免疫機能を高めれば健康促進にも老化防止にも繋がると説く。



良質な食事が健康体を作る

問 「お風呂上がりのアイスはNG」など、まことしやかに語られる健康法についても科学的な解説を加えていて面白く読ませていただきました。『免疫力をあなどるな!』を執筆された動機をお聞かせ下さい。

矢﨑 免疫力の重要性を一般の人に知って欲しかったからです。近年、私たちの行っている免疫を利用したがん治療が注目されています。では、その免疫とは一体何なのか。多くの人に知ってもらうため、本書は身近な例に科学的な検証を加え、分かり易い構成になっています。

問 免疫力とは体に病原菌が入ってきた時に抵抗する力のことでしょうか。

矢﨑 それは正しい答えの1つですが、私は免疫力を「自己と非自己を見分ける手段」と捉えています。自分の一部であれば手を出さないが、外敵と見なせば攻撃するといった具合です。病原菌の侵入に気付かないと菌が増殖して私たちは病気に侵されてしまいます。

問 免疫力はがんに対しても有効ですか。

矢﨑 人間の体では、1日約5000個のがん細胞ができていますが、免疫が毎日撃退しています。ところが慢性的なストレスが続いて免疫力が弱くなってしまうと、がん細胞を排除する機能が働かなくなってしまいます。こうして免疫のパトロールを掻い潜ったがん細胞は大きく成長し、排除されることはありません。そこで私たちは「がん細胞と戦え」と教えこませた樹状細胞(ボス細胞)をワクチンとして患者さんの体内に投与して、がんを攻撃するリンパ球にがんの目印を教えることでがんを撃退する「樹状細胞ワクチン療法」を行っています。

問 どうすれば免疫力は強くなりますか。

矢﨑 食事、運動、睡眠が基本です。自分の細胞を作るのは食べ物ですから、食事は特に重要です。例えば、免疫力を高めるプロバイオティクスなどの乳酸菌や抗酸化作用のあるバイオケミカル食品をお勧めします。

 さらに気をつけなければならないのはたんぱく質と脂質です。確かに、カロリーオーバーを起こしている人は脂質を控えなければいけません。しかし、一方で脂質がなければ細胞を作ることができなくなってしまいます。そこで、良質な油を摂取することが必要になります。

問 良い油とはどのようなものですか。

矢﨑 青魚に多く含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)やエキストラバージンオイル(不飽和オレイン酸フェノール類の含有量多)などが頭にも体にも良いと言われています。一方で、古い油や酸化した油は良くないことが分かっています。ファストフードのフライドポテトなどは同じ油を何度も使いまわして揚げていることもあるので気をつけなければなりません。

 体の中を構成している油を悪い油から良質な油に置き換えていくことをイメージして油を摂取していきましょう。


良質な食事が健康体を作る

清潔過ぎる環境が身体を弱くする

問 食事や睡眠以外に気をつけることはありますか。

矢﨑 子供の頃に免疫を元気にするため、大自然に囲まれた生活を送ることも重要です。人間には胸腺という免疫を教育する器官がありますが、20歳を過ぎるまでになくなってしまいます。子供の時に外でたくさん遊べば多くのバイ菌、病原菌に触れますから、それらに対する抵抗力が養われるよう、免疫にインプットできます。様々な菌や抗原に触れることで立派な免疫を作り上げることができるのです。

 ところが今の子供たちはコンクリートに囲まれた中で育っています。菌に接触しない環境に慣れてしまい、免疫に菌の情報を記憶させる機会を失ってしまっているのです。清潔すぎる環境で育った子供はアレルギーを引き起こしやすく、風邪を引きやすい大人になる可能性があると言われています。子供たちは砂場やドブに入って泥だらけになったり、犬や猫などの動物とじゃれたりして遊ぶことが重要です。

問 20 歳以降から免疫を作れなくなるということは、私たちが新しい病原菌と遭遇したらワクチンで対処するしかないのですか。

矢﨑 20歳になるまでに数え切れないほどの抗原に触れるので、戦うべき病原菌の区別はつくでしょう。ただインフルエンザなど、毎年のように形が少しずつ変異するものに関しては毎回ワクチン摂取が必要です。実はがんも進行していく中で変異していきます。そこで、私たちの免疫療法でも変化に対応して定期的なワクチン接種を行います。

 ただ、がんは変異するといっても形を変えない部分があります。例えば、がんには無制限に増殖する特徴があります。この増殖に必要なタンパク質を狙い撃ちするのです。現在、私たちの提供しているワクチンはこの変わらない部分を攻撃対象にして、効果を長く持続できるようになっています。



がん治療は先手必勝

問 がんは非常に恐ろしい病気ですが、どのように予防していけば良いのでしょうか。

矢﨑 50代からがんのリスクは常に考えなければなりません。年をとると免疫力が弱くなってしまいます。第一に、免疫力を上げる方法を理解して日常の生活を改めること。さらに、人間ドッグは必ず受けましょう。

 それでもがんになってしまった時にはどうするか。早期のがんなら、手術で対応できます。しかし、がんを見つけた時には既に他の場所に転移していることもあります。こうしたケースは手術で大きながんを取り除き、転移した微小ながんに対しては免疫療法を行うのが良いと考えます。

問 現在、免疫療法は既にがんになってしまった患者さんに行っていますが、がんを発症する前にワクチンを投与して予防することはできないのですか。

矢﨑 理論的には可能ですが、科学的な証明ができていません。進行しているがんなら、ワクチンによって、どれほど小さくなったか証明できます。しかし、がんになっていない患者さんにワクチンを投与してがんのリスクをどの程度抑えられたか評価するのは難しいのです。これを証明するには、数年後にがんになる可能性が高い人を大勢集めて、ワクチンを打つことによって数年後にどれだけの人ががんにならないかを実験しなければなりません。

 がんは手術しても再発する可能性が高い。そこで、私たちは進行がんの手術後の再発防止を目的として患者さんにワクチン投与を行い、再発の有無を見ることで証明しようと試みています。

 医療の最も理想的な形は先制医療です。まず、生活習慣を改善して、がんにならない免疫作りを行う。さらにもう一歩踏み込んで、がんのリスクが高い人には樹状細胞ワクチンをがんになる前に使い、がんに罹る人を減らしていくことをライフワークとしていきたいですね。



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