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トピックス -企業家倶楽部

2015年03月06日

吉田松陰の志を継ぎましょう

企業家倶楽部2015年4月号 視点論点


 NHKの大河ドラマ「花燃ゆ」がスタートした。吉田松陰の妹、文と松下村塾の青年たちとの物語だ。主人公は文という明るい、才女だが、兄の吉田松陰も重要人物である。

 秋山香乃という女流作家の「吉田松陰 大和燦々」という吉田松陰の小説がある。秋山香乃は1968年北九州市生まれの作家で長崎の活水女子短大を卒業した作家である。秋山女史は吉田松陰の弟子に当たる高杉晋作の「晋作 蒼き烈日」を書いており、幕末の志士に興味があると思われる。

 吉田松陰と高杉晋作については司馬遼太郎氏が「世に棲む日日」という作品で描いているが、秋山香乃の松陰、晋作も生き生きと描かれている。司馬氏より秋山氏の思い入れが強い分、小説としては秋山本の方が面白いかもしれない。

 吉田松陰は正直な人で行動力のある人物だった。日本(皇土)を列強から守りたいと思う気持が人一倍強く、そのためにはアメリカなどの列強を自分の目で見たいと思い、当時はご法度になっていた密出国を企てる。アメリカの船に乗り込み、船長に「アメリカに連れて行ってくれ」と直談判した。

 また、松陰は友情を裏切ることは武士として恥ずべき行動と思い、友との約束を守るために、長州を亡命(脱藩)した。当時は亡命というのは武士の身分を捨てることであり、家族とも表立っては会えない。そうまでして友との約束を守らなくてもよさそうだが、松陰は約束を守らないのは武士として許されることではないと思ったのだろう。

 もし、吉田松陰が今、生きていたら、日本の現状をどう見るだろうか。出生率が1.3人ということに唖然とするかも知れない。「このままでは日本の人口が1億人を割ってしまう」と出生率増加を真剣に考えるかもしれない。

 国債残高が1000兆円に達していることについても黙っていられないだろう。1日の利子が822億円もあり、このままでは日本の財政は早晩、破綻しまうと叫び出すのではないのだろうか。

「日本はギリシャとは違う。財政破綻もしないし、ハイパーインフレにもならない」という楽観論もある。その最たるものは麻生太郎財務大臣だ。彼は「ギリシャは外国人に国債を買ってもらったが、日本はほぼ100%、日本人が銀行を通じて国債を買っているので、利率も上がらないし、破綻もない」と言い切る。

 確かに日本の個人金融資産は1600兆円ある、と言われている。100兆円が海外に逃避しているとみても、あと500兆円の余裕はある。しかし、毎年50兆円(2015年度は37兆円に減額)の国債を発行していたら、10年で日本人の財布は空になる。

 しかも、円安が進み1ドル120円が150円、200円となれば、輸入額は増え、貿易赤字はさらに拡大するだろう。国の福祉費も増大の一途をたどっている。吉田松陰でなくても、「日本は大丈夫か!」と心配になって来る。

 しかし、日本のマスコミは知らぬ振りをしているのか、いっこうに警鐘を鳴らさない。テレビなどはお笑い番組ばかり流している。

 今、日本に世界を俯瞰する学者や評論家はいるのだろうか。大前研一氏や中西輝政氏らの顔が浮かんでくるが、何故かマスコミは取り上げようとしない。欧米の著名人とのインタビューでお茶をにごしている。今だに、マスコミの船来志向は続いているのだ。

 筆者は中西輝政氏の見方は好きで、時々、文芸春秋などで寄稿文を見るが、世界をよく理解しているように思う。特に、英米一辺倒になっていないのがいい。フランス的見方、ドイツ的見方もまじえながら、芯は日本の国益を考えている。

 企業家はまずは自社の利益を考えることが第一だが、時には、政治や歴史、文化さらには世界についても自論を展開してほしいものだ。と言って、政商にはなってほしくない。中には、経済団体をつくり、自分たちの利権を通す動きがあるが、政治家にはカネはくれてやっても、おねだりはしないという毅然たる態度で臨んでほしいものである。



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