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トピックス -企業家倶楽部

2015年03月09日

全ての瞬間に感動を起こす企業になる/アイアンドシー・クルーズ代表取締役 上村一行

企業家倶楽部2015年4月号 モチベーションカンパニーへの道 vol.14


 2011年に起こった東日本大震災以降、太陽光発電が注目されている。震災時での停電やその後に実施された計画停電を受け、自宅で発電できる太陽光発電に目が向けられるようになったのだ。

 そもそも、太陽光発電は地球温暖化の状況を受け、環境にやさしい「クリーンエネルギー」として取り上げられていた。そして、自宅に太陽光パネルを設置することで得たエネルギーを売電したり電気自動車の動力として利用したりする暮らしは「スマートライフ」と呼ばれている。

 このような背景から、先日トヨタ自動車が一般向けに水素自動車を発売するなど、環境という新たな需要に向けて動き出す企業は多い。アイアンドシー・クルーズもそのうちの一社だ。「次の世代に残していきたいと思えるような価値観や商品を扱おうと決めていました」

 そう語るのはアイアンドシー・クルーズ代表取締役、上村一行だ。同社は2008年に創業。主な事業内容は太陽光発電システムの販売会社とユーザー間のマッチングビジネス、そして太陽光発電に関するシステムを卸すサプライ事業である。2013年時点では10億円であった売上げ規模が2014年には3倍以上の35億円まで膨らむなど、順調に成長を続けている。

 創業から約5年を経た現在、同社の社員数は40名。社名は「感動(Impression)を創造(Create)し続ける組織(Cruise)」という思いに由来する。正に名は体を表すといったように、創業当時から変わらない理念は「全ての瞬間に感動を」。そのような背景から、「採用においても日々感動を起こすことを楽しめる社員を集めるようにしている」と上村も力強く語る。



太陽光業界に風穴を開ける


 アイアンドシー・クルーズの大きな特徴は、インターネットでグローバルに販売できる商品を扱うというところにある。主力サービスとなっている「グリーンエネルギーナビ」は太陽光発電に関心のあるユーザーと販売会社を結ぶ仲介事業であり、現在加盟会社は1200社に上る。

 サービスの内容はシンプルだ。アイアンドシー・クルーズの社員が全国の太陽光発電システムの関連会社を巡り、審査をクリアした会社のみ加盟企業として登録する。審査の基準は、1年以上の経歴があるか、取扱店のIDを持っているか、保険に入っているかなど、安心を担保できるような仕組みの有無である。同社は仲介の立場でユーザーを集客し、そのユーザーの住まう地域の加盟店を紹介。報酬を加盟企業から受け取ることでwin-winの関係を築いている。

 同サービスを開始した当初、太陽光パネルを導入する家庭は年間8~9万世帯だった。しかし、それに対して提供側の会社は2009年時点で6000社超。太陽光パネルという同じ商品であっても価格が200万円~500万円と千差万別な上、販売する会社まで多いとなると、ユーザーにとって比較検討する労力もばかにならない。

 サービスを開始した当時について上村は「各社の情報をよりオープンにし、お客様が安心してスマートライフを始められるようなプラットフォームを作らなければならないと感じました」と思い返す。

 実際、当時消費者庁に持ち込まれた太陽光発電システム関連の案件は年間約2000件。住宅や就職の仲介ビジネスよりもユーザーの少ない分野ではあるが、太陽光発電の販売会社を簡単に比較したいという需要は十分にあったと言えるだろう。現在、同社のサービスを利用して太陽光発電を自宅に取り入れた家庭は5万世帯を超えている。



社員の意欲を持続させる試み

 成長を続けるアイアンドシー・クルーズが人材教育についてこだわっているのが「3つのI」という人事ポリシーだ。これは「自立している(Independent)」、「周りを巻き込む(Involve)」、「新しい価値を創出する(Incubate)」の3つの価値観を軸としたもの。

 同社は今のところ太陽光などのエネルギーを主軸とした事業を展開しているが、昨今の水素自動車の登場に見る通り、次世代エネルギー分野は変化の激しい業界である。そうした業界の中で成長し続けるために進めているのが、3カ月ごとという短期間で個人の目標や成果を明確化させ、それに対し評価・フィードバックをする仕組みだ。

「今の若い社員にはそれぞれのビジョンを持ってほしいと思います。そして、その目標に向かってスポンジのように学び、ビジネスレベルを上げる努力をしてもらいたい」

 フィードバックにあたっては、具体的な成果である「パフォーマンス」とそれを元に訂正、成長を促す「ストレッチ」を行う。そして前述の「3つのI」に基づき、用意された8つの階級を昇級していく上での明確な目標にするという仕組みだ。新規事業に対して意欲を持った社員に対しても、自ら進むべき方向性を定めることでモチベーションを維持させている。

「社内で新規事業を支援する制度もあります。クリエイトカンファレンスといって、年に2回新規事業のコンペティションを開催しています」

 こう上村が自信を持って言うように、アイアンドシー・クルーズでは新規事業の立案を奨励している。GOサインの出た事業の立案者はすぐ事業部長に任命され、予算も付与されるなどスピード感がある。これらの甲斐あってか、同社の離職率は低く、優秀な社員を表彰する「感動賞」でもモチベーションの高い社員が絶えない。



いよいよ世界進出か

 アイアンドシー・クルーズが強みと語るのは、同社が抱える加盟企業約1200社と、そのマッチングによって顧客と企業双方から満足を得られるような仲介ノウハウだ。

 設立から8年目。上村は同社をともに牽引してきた社員の採用について、当然のこととして「全ての瞬間に感動を」という同社の企業理念に共感することを挙げながら「1つの事業をコツコツと進め、その後きちんと運用できるような人材が良い」と、地道に1つの事業を大成させる同社の姿勢を見せた。

 現在は、太陽光発電システムが農業をはじめとした産業にも転用されることから、「グリーンエネルギーナビ」にも産業用や蓄電池版などが登場。新たなプラットフォームを創出し続けている。太陽光発電関連商品を扱う会社は全国に約1万社も存在する。同社の手がけるサービスの加盟対象は今後も開拓の余地があるだろう。

 上村は今後のビジョンとして「太陽光発電は海外でも注目されています。グローバルに進出することも視野に入れ、2016年の電力自由化というチャンスを掴みたい」と海外進出に意気込む。日本では自宅に太陽光パネルを設置している家庭は約30万世帯と、産業用よりも住宅向けの太陽光発電市場が発達しているのが現状だ。そして、インターネットで世界が繋がっている時代だからこそ、自社のサービスを日本のみならず世界に売り出せる可能性は大きい。アイアンドシー・クルーズは海外でも感動を巻き起こすことができるか。同社の次なる舞台に注目だ。



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