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トピックス -企業家倶楽部

2015年03月09日

【ジャパネットたかた特集】顧客第一主義を貫く通信販売界きっての話し手/高田明の人的ネットワーク

企業家倶楽部2007年12月号 特集第5部


「お客様のために」を常に考え、分かりやすく伝えることに徹してきた高田明。彼のネットワークもまた、顧客第一主義の志を貫く仲間に溢れていた。
 メーカーという立場から“利用者が嬉しくなるモノ”を追い続けた松下電器の元・副社長、戸田一雄(現・文化学院校長)。高田の姿勢を「ジャーナリスト的だ」と評するRKB毎日放送常任相談役の熊本誠。ジャパネットたかたの更なる成長を影で支える十八銀行の元頭取の藤原和人と日本ユニシス社長、籾井勝人。共に長崎県のために尽力している長崎県知事、金子原二郎。全員が全員、高田の徹底した顧客第一主義と分かりやすさを追求する姿勢に賛辞を送る。                       (文中敬称略)



長崎県発の全国企業として飛躍し続けてほしい

長崎県知事 金子原二郎


 
   「もの静かに語り、先を読む力と行動力を持つ人。これが高田さんの第一印象でした」


    金子が高田と初めて出会ったのは、2003年12月。2カ月に1回発行する長崎県の広報誌「ながさき夢百景」(04年1月号)で、金子と高田の対談記事が掲載されることになった。「佐世保を拠点に短期間のうちに全国展開を遂げた高田さんと是非話をしたい」と金子が希望したのである。


   「意外と言っては失礼ですが、甲高い声と軽快なリズム、身振り手振りで夢中になって商品をPRされる姿をテレビで拝見していただけに、その姿とのギャップが大きかったですね」。金子と高田は同郷で、高田の平戸なまりにはとても親近感を覚えたという。


   「お話しをする中で、皆さんに喜んでもらえるもの、世の中の役に立つものを、自然体で、誠実に伝えることを大切にされていると感じました。本当に自分が惚れ込んだ商品以外は売らないという高田さんの哲学なんだと思います」


    特に共感したのは「お客様の目線でものを考えて販売する。これ以上に優先するものはない」という高田の言葉だった。「私も、県民の目線で物事を考え、県民のニーズを政策に活かしていくことが、行政として最も大切なことだと考えています。企業も行政も大切なことは同じだと感じました」


    ジャパネットたかたは顧客満足を第一に考え、真面目に仕事をこなす姿勢の積み重ねの中から、顧客をはじめ放送局やメーカーの信頼を勝ち取り、今では全国区の企業へと成長を遂げてきた。2006年度の売上高では県内の企業で初めて1000億円を突破し、長崎県内のトップ企業となっている。


    だが、これまで長崎県で生まれた企業は成長すると、拠点を福岡などの大都市へ移してしまうことが多かった。金子が残念に思うのは、そんなときだ。


    金子が高田に「佐世保、地元に対するこだわりは何かありますか」と尋ねたとき、高田は「自分が育ち、仲間が大勢いる地元に根ざすことで、かえって優れた人材を集めることができる。それが最高の環境です」と答えた。通信販売は良い商品と同時に夢を売る仕事であると高田は考えている。「会社見学に訪れた小学生たちに、ぜひ長崎発の夢を感じてもらえるようなジャパネットたかたをつくっていきたい」というのが高田の夢だ。


   「私はその想いを非常に心強く思っています。長崎県には、他の都道府県に負けない優れた県産品がたくさんありますが、全国的にはまだまだ知名度が低いのが実情です。私はこれを何とかブランド化していきたいと思っています」


    そこで、金子はジャパネットたかたのテレビショッピングの中で、長崎県の農水産物などの県産品も扱ってもらえないかと提案した。高田も大いに関心を持ち、今年6月には、念願の中継車を導入。平戸市、佐世保市、島原市の現地に出向いてのテレビショッピングでは、商品を購入した人たちへ、それぞれの地域の特産品を抽選でプレゼントするという新企画が行われた。ジャパネットたかたは今後、県内各地の特産品を販売していく方針であり、金子も大きな期待を寄せている。


   「県政も県民の皆様に『長崎で暮らして良かった』と思う満足と誇り、そして夢を与える仕事だと思っています。そういう意味では、私と高田さんは目標が共通しています。同じ想いを共有するジャパネットたかたが、長崎県発の全国企業として、今後さらに大きく発展されることを楽しみにしています」



会社経営は経営者の心

日本ユニシス 代表取締役社長 籾井勝人


    高田がテレビなどで商品を紹介するや否や、殺到する注文の電話。しかし、いくら注文の電話が多くても、その電話がきちんとコールセンターに繋がらなければ意味はない。そういったジャパネットたかたの核となるシステムを影で支えているのが日本ユニシスである。そしてそれを率いるのは、見事な体躯とさわやかな笑顔を持った骨太社長、籾井勝人だ。


    そんな二人の出会いは意外にも最近の事。2005年、籾井の日本ユニシス社長就任会見の時が初めてだという。初めて高田に会ったときの印象を尋ねると、「高田さんの名前はテレビで以前から存じ上げていたが、印象はテレビと全く同じでした。同じ九州出身ということもあり、親近感も覚えましたね」と語る籾井。その話しぶりから表裏のない高田の人間性を推し量ることができる。


    また、二人は仕事だけではなくプライベートでも付き合いがあるという。「高田さんはご家族に恵まれている」とも話す籾井。生活の基盤となるべきところがしっかりしているからこそ、高田から人としての魅力を感じることができるのだろう。


    九州出身という以外にも二人には共通点がある。物事に対して「分かりやすさ」を求めるという基本姿勢だ。ジャパネットたかたでは商品を紹介するとき、細々とした機能を説明することをしない。例えばデジカメの画素数の良さをアピールする場合、やたら画素数の多さを協調することはしない。代わりに、撮った写真を何十倍にも引き伸ばしたものを用意して、引き伸ばし写真もきれいに撮れることをアピールする。数字の良さを訴えるのではく、引き伸ばし写真を使って画素数が良いことの利点を視聴者に訴える。これによって見ている側はその利点をよりイメージしやすくなり、何よりそのような説明の方が非常にわかりやすい。


    また高田らが実際に商品を使用した上でその商品を紹介しているため、その言動に迫力すら感じられる。「安さを印象付けるのも必要だけど、その機能とかを全部分かった上で、高田さんは『私が今これをおススメしてるんですよ』と言う。この辺は僕も全く同じですね」ITの難解さからくる世間とITの壁を、分かりやすい言葉で話すことでその壁を取り払おうとする籾井と、商品の良さを視聴者に分かりやすく伝える高田。「高田さんはメディアそのもの。見習うべき点は多々あります」


   「やはり僕は高田さんの、いわゆる通常の会社の営業姿勢が素晴らしいと思います。僕なんかにすると、会社経営というものは経営者の心だと思ってますから。高田さんの場合、そういうのがすごく出てると思いますね」経営者としての高田についてこう話す籾井。そんな高田の心を見ることができたのは、やはり2004年の個人情報漏洩のときの対応だろう。


   「今では不祥事が起こった場合ほとんどがすぐに発表するでしょう。そういうことは5年前くらいにはなかった。しかし、世の中がそうしないと許さなくなった。外から入ってきた概念であれ、コーポレートガバナンスという概念が日本でもだんだん浸透してきた。高田さんのところでは2004年の段階で既にそういうことを率先してやっておられたということですよね」


    危機管理で最も重要なことは、逃げないこととその緊急性を把握してトップとして決断することである。高田は問題究明と再発防止に重点を置き、49日間営業を止めた。


   「会社に対する責任感もあると思いますが、やはりお客様に対する責任感でしょう。人の話を聞くと当然のように思えますが、なかなかできない決断だと思います」


    最後に、籾井は高田にこうエールを送る。


   「今の情熱をずっと維持していただき、今のように立派なコミュニケーターとして引き続きやっていって欲しいと思います。わが社との取引も忘れずに(笑)」





高利用者が喜ぶモノを常に追い求めてきた人

文化学院 校長 戸田一雄


   「何としても一度会ってみたい…」


    今から10年ほど前、当時松下電器産業に務めていた戸田一雄はある金融関係の雑誌を前に思わず唸った。紙面に登場していたのは高田。「お客様の立場で販売する商品を選び、お勧めをしているのです」。顧客の立場からビジネスをする大切さについて切々と語る高田に、戸田は強い共感を覚えた。そして5年後、松下とジャパネットが取引を始めたことで、2人は実際に顔を会わせることとなる。


   「実際に話してみて感じたのは、私が勤めていた松下電器産業の創業者・松下幸之助さんと考え方が似てるな、ということ。松下幸之助さんはこう言っていました。『お客様が欲しがるものを売るより、お客様が買ってみて嬉しいと喜んでもらえるものを売りなさい』。ジャパネットたかたも『お客様が買って嬉しくなる商品を売る』という姿勢がとても強いのです」


    そんな姿勢が如実に表れるのが、テレビやラジオで耳にする商品のオススメトークだ。高田は商品のカタログをそっくりそのままオススメトークにはしない。カタログはあくまで参考程度に留め、自分で商品を使い、いち利用者として顧客に伝えるべきことをじっくり考え、トークに仕立てあげる。


    カタログはどうしても「その商品の技術がいかに素晴らしいものか」にかたよりがちで、「その商品がどれだけ顧客の役に立つか、使ってみてどれだけ嬉しいか」についてはあまり触れない。そこをジャパネットたかたがすくい上げてあげるのだ。


    ちなみに、ジャパネットたかたが松下の炊飯器の販売を受け持った時も、社員たちが白米や炊き込みご飯を何度も作り、その使い心地を徹底的に検証した。


   「利用者の立場を徹底的に貫くからこそ、ジャパネットたかたに商品を褒められると『保証をもらった』という気がして、嬉しくなるんです。もちろん予想外のところを褒められることもある。けれど『そんなところが顧客に受け入れられるのか』とハッとさせられることが非常に多いんです。メーカーに新たな気付きを与えてくれるジャパネットたかたは、ありがたい存在ですね」


    そんな独自のトークがあればこそ、ラジオやテレビ番組でいっせいに何千件もの反応が返ってくる、と戸田は分析する。加えてジャパネットたかたの強みとして「経営者の理念が浸透し、実践されていること」を挙げる。ジャパネットたかたの社内に入るとどんな時でも「こんにちは」と明るい挨拶が返ってくる。社員の顔がにこにこと明るい。そんな中、高田は代表だからといって居丈高にしているわけではなく、自然に場になじんでいる。


   「テレビでモノを売る人が、偉そうな人だと嫌ですよね。社内でもテレビと同じような感じですよ。ただ、すごく存在感はあります」


    高田への信頼もひとしおだ。2006年夏には、松下社内の研修組織「松下国内マーケティング大学」で高田を講師として呼んだりもした。講演内容は「市場から見た商品の考え方」。大阪で開いたこの講演会には当初社員30人が出席するはずだったが、「参加者の上司だから、ここはひとつ入れてくれ」「家族も聞けないの?」といった依頼が相次ぎ、当日、会場は倍近い人々でごった返すこととなった。 


   「高田さんの人気を実感しましたね。仲よくさせていただいているのを誇りに思います。またぜひカラオケをしましょう。今度は我々のホームグラウンドである東京で。その時は負けませんよ」


    そう言って戸田はいたずらっぽく笑った。共に違う立場から?利用者が嬉しくなるモノ“を追い続けてきた2人の友情は今後も続く。



信頼関係を 大切にする企業家

十八銀行 取締役 指名・報酬委員長 藤原和人


    高田との最初の出会いは、7年前。2000年に藤原が農林漁業金融公庫の副総裁を経て十八銀行の頭取に就任した時からの付き合いになる。


   「ただ者ではない」。それが高田から受けた強い印象だった。01年に、ジャパネットたかたの新社屋と自社スタジオ開設の記念パーティーに招かれたときのこと。パーティーには、テレビやラジオなど各局のマスコミ関係者のトップが来訪。さらにソニーや富士通、東芝など日本を代表する電機メーカーの経営者が参加し、会場が埋まっていたのだ。長崎県の地元関係者は藤原や長崎県知事などほんの一握り。「ジャパネットたかたは全国レベルの企業なのだと実感させられた」と藤原は振り返る。


   「高田さんは、一代で全国区の企業に育て上げました。それは顧客や取引先との信頼関係を積み上げてきたからこそです」


    十八銀行は、ジャパネットたかたのメインバンクとしても付き合いが長い。銀行にとっては、取引先企業との長く安定的な付き合いが一番重要だ。「高田さんは最も信頼できる経営者」と藤原は言う。


    高田の信頼関係を大切にする姿勢は、商品紹介でも表れている。商品選定は自ら厳選した商品のみを販売するという姿勢を貫く。


   「常に消費者に目線が向いています。私も番組を見ると、つい注文の電話をしてしまいます」。


    藤原家では、ジャパネットたかたでパソコンやデジタルカメラを購入するなど頻繁に利用している。「パソコンとプリンターをセット販売してくれるのも嬉しい」。ジャパネットたかたでは、デジタル機器のベストの組み合わせを紹介し、格安でセット販売する。購入後もパソコンのセッティングまで行ったり、問い合わせも受け付けるなど、アフターフォローの体制も整っている。


   「手厚いサービスが顧客からの信頼を高めていると思います」


    その顧客主義を象徴する出来事が、2004年3月の個人情報漏洩事件だった。「危機の時こそ、経営者の能力がわかる。当時の対応は非常に素晴らしかった」と藤原。この事件では、ャパネットたかたの顧客情報が約51万件流出した。こういった事件は起こさないことがベストだ。しかし、ミスを完璧に防ぎきることもまた困難である。「重要なことは、事件が起きた時の対応」と藤原。不祥事を隠すことで結果的に大きなダメージを受ける企業も後を絶たない。そんな中、ジャパネットたかたは49日間営業を自粛し、全力を投じて原因を究明、二度と起こさないためのセキュリティ体制を構築した。その姿勢が今では危機管理の模範的な代表例として知られている。


    業績面でも04年度の売上高は下がったが、その後は見事V時回復を果たし、06年度に売上高は1000億円を突破した。


   「災い転じて福となす。高田さんは危機管理能力を持った経営者でもある」と藤原は指摘する。


 
    ジャパネットたかたは、今や長崎県を代表する企業へと成長した。「高田さんは全国で最も知られている長崎県民だと思う。ただ本社が長崎県にあることを知る人は少ないかもしれない」と藤原。ジャパネットたかたは、長崎県の佐世保から車で10分の場所に本社を置いている。


   「地理的に見れば、日本の西の果てにあり、不利な面もある。しかし、その条件を克服できる知恵を持っているのが強みだ」と藤原は指摘する。しかし、自社のスタジオやITシステムなどをいち早く導入し、地理的な不利を克服した。


    自動車メーカーのトヨタは、東京や大阪、名古屋などの大都市に本社があるわけではない。愛知県の挙母市(豊田市)から世界ナンバーワンの自動車会社となった。


   「ジャパネットたかたも、佐世保のトヨタを目指してほしいと思います」



魅力的な話し方はラジオが原点

RKB毎日放送 常任相談役 熊本誠


  「自分にとってはラジオが原点」。2003年12月、熊本がジャパネットたかたの本社を見学したとき、高田は熊本に熱く語った。


    現在ではテレビショッピングの印象が強いジャパネットたかただが、意外や意外、ラジオショッピングの歴史の方が長い。テレビショッピングを始めたのは94年、そのさらに4年前の90年からラジオショッピングを始めている。ジャパネットたかたにとって、ラジオはメディアデビューを果たしたいわば?原点“の地。その思い入れは深い。「高田さんの語り方はむしろラジオ向き」とRKB毎日放送のラジオ番組のパーソナリティーとして活躍してきた熊本は指摘する。「高田さんの語りにはつい引き込まれる。聞いているだけで、商品のイメージや魅力、そして購入後の使い方やライフスタイルまで思い描けます。商品への熱い思いもわかりやすく伝わってくる。心と声がつながって、それが独特のパワーとスタイルになっているのです」


    熊本が高田の語りで特に印象に残っているのは、デジタルカメラの説明だった。デジカメが出始めたころで、使われ方も楽しみ方も一般的に知られていなかった。そこで高田は「現像代は一切かからず、フィルムを買う必要もありません。何回でも何十枚でも好きなだけ撮影できますよ」とだけ伝えた。他には一切何も言わなかった。通常は画素数や操作性など様々な機能を紹介するのが普通だが、高田は違う。フィルムからデジタルに移行することで、カメラの使い勝手が向上し、写真を撮ることの楽しさを伝えた。その視点は、あくまで生活者の視点だった。


   「ラジオは、パーソナリティーがリスナーに信頼されるかどうかが最も大切」と熊本は指摘する。受けを狙ったり、自分をよく見せようと飾っても、リスナーには想いが伝わらない。


   「高田さんの魅力は、本気でその商品の魅力を伝えたいという想いや情熱があることです」


    熊本も実際、ジャパネットたかたの通販で商品を購入したことがある。他の通販と違うのは、衝動買いしても後悔しないことだ。他社の通販では購入後も結局使わず、後悔した商品も多い。ジャパネットたかたの販売する商品説明に嘘はないというのが大きな信頼につながっている。


   世の中の動きのスピードは速く、昨日売れたものが今日は売れないということもある。ラジオは生放送が主体で、例えばその日の天候にとって商品を変えることができるなど、世の中のスピードに対応できる。高田が生放送にこだわるのはここに理由がある。


   「高田さんの姿勢は、まさにジャーナリズムです」と熊本。現実世界や人々の意識の変化を、商品を通じて伝えている。「ニュース性の高いドキュメンタリーを毎日、生放送しているようなもの。そのジャーナリズム精神こそ、ジャパネットたかたの魅力ですね」


    売上高1000億円を超えた今、売上高に占めるラジオショッピングの割合は10%を切っている。だが、ラジオでの成功がテレビショッピング進出への足がかりにもなった。


   「ジャパネットたかたは急成長よりも長く存続することに軸足を置いているように思う」と熊本は見る。そう確信するのも、高田から直接その想いを聞いたからだ。


   「今後の課題は、高田さんを引き継ぐMCが育つかどうかでしょうね。ジャパネットたかたには、これからもジャーナリズム精神を貫き続けてほしいと願っています」



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