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トピックス -企業家倶楽部

2015年04月22日

【光陽グループ特集】TOKYO企業情報/未来を拓く光陽グループの羅針盤

企業家倶楽部1999年12月号 特集第6部


日本のM&Aの草分け、野村企業情報の敏腕ネゴシエーターとして名を馳せた新田喜男は、第二の人生を川路耕一のもとで完全燃焼させる道を選んだ。根っからの野村マン新田を決心させたのは何か。新田率いるTOKYO企業情報が光陽グループで果たす役割を検証する。



ビジネス人生の締めくくり川路と共に完全燃焼したい

   九八年九月末、三貴商事の会長室で二人の男が堅い握手を交わしていた。「私は来年七月で定年を迎えます。わが社の規定で副社長以下は定年と同時に外に転じなければならない。私のビジネス人生の締めくくりを貴方の元で集大成させたい」

    「願ってもない話です。私はこれまで金融総合商社を目指し頑張ってきた。この夢を実現するにはぜひ新田さんの力をお借りしたい。先物中心のわがグループにインベストメントバンキングが加われば、KOBE証券の発展だけでなくグループ全体の発展にはずみがつく。あなたに全てを任せる、ぜひきっちりしたインベストメントバンクを創って欲しい」川路の眼差しが真っ直ぐに新田を捉えた。

   新田が第二の人生を川路の元で、と決意するにはそう時間はかからなかった。しかし、そこは野村企業情報の専務として敏腕を振るっていた新田のこと、当然他社からの誘いも多かった。しかし他社の誘いはほとんどが顧問としての役割。長年この世界に身を投じてきた新田は最後まで現役を貫きたかった。日本のM&Aを進化させるため、川路に残りのビジネス人生を捧げたい。

   その思いを元野村企業情報社長で、川路の親友でもある後藤光男に打ち明けた。後藤は二つ返事で引き受け、すぐさま川路に連絡、新田の転身が現実となった。

   新田と川路の出会いは五年前、丸起証券(現KOBE証券)買収の際、野村企業情報のネゴシエーターとして手腕を発揮したのが新田だった。その時、川路の人間としての魅力に惹かれ、機会あれば一緒に仕事をしたいと願っていた。

   「川路さんは男気があって人間味があり、魅力溢れる人、そして人を惹きつける日輪のような人」と絶賛する。

   常に情熱がほとばしり、輝いている。思わず傍にかけ寄りたくなるような人物なのだ。その川路のもとで第二の人生を踏み出した新田の顔は喜びで輝いていた。



少数精鋭でM&Aのプロ集団を目指す

   新会社設立に当たっては二人は何度も議論を交わした。が、川路は「あなたに任せる」と一〇〇%新田の要求をのんだ。新田の人柄を知りぬいているからだ。

   新会社の設立は平成十一年一月一日。新しい出発を記念し、この日をわざわざ選んだ。川路は新田の願い通り、一月に新会社を設立させ、新田が着任する七月二日まで準備会社として冬眠させた。

   TOKYO企業情報という社名も新田が考えに考えて命名したものだ。既にグループ企業に大きな力を発揮するKOBE証券を鑑み、国際都市“東京”を使いたかったと打ち明ける。

   新会社はM&A専門のコンサルタント会社で、これまでのグループ内企業とは全く性格が異なる。ここで最も重要なのは機密保持と情報管理である。従ってグループの一員ではあるが、独自性は完全に保たれなければならない。

   新田の「業務報告は月に一度にしたい」との申し出に「それも必要ない。必要に応じて報告してくれればいいよ」と川路。新田に全てを任せているのだ。

   新田は強運の持ち主である。新会社設立に当たり二人の強力なスタッフを野村グループから獲得することができたからだ。一人は部長の古川英一。家業を継ぐべく九八年に退社、アパレル関係に再就職していた。しかし折りからの不況でリストラを余儀なくされ、元上司である新田からの誘いに新しい人生を決意した。

   「M&Aというのはどんなに優秀な人間でも一人ではできない。大切なのはチームワーク」と断言する新田。一つのM&Aが完結するまでには事前調査から始まり、データ分析、双方の意向のとりまとめ、法律的実務などいくつもの実務を経る。三、四人のチームが一丸となってまとめあげる共同作業なのだ。従って優秀な人材が最低三人は必要という。若手のホープ吉丸は野村ファイナンスで会計や企業診断を得意とするエース。彼もリストラに遭い、新田の誘いに乗った。

   古川、吉丸という最良のメンバーを獲得できた新田はまさに強運の持ち主といえる。が、これも新田の誠実でまじめな人柄の成果といえる。新会社設立当時は一日数十本もの励ましの電話が寄せられたというが、これもまた新田の人柄を物語る。

   M&Aとはお客様のニーズの擦りあわせ、従って最も重要なのは人間性である。「新田さんにぜひお願いしたい」と、設立間もない新会社ながら、既にいくつかの案件が持ち込まれ、進行している。



「維新回天」に川路と生命を賭ける

   新田は自室のデスクの上に川路の直筆「維新回天」の額を掲げ、訓示としている。金融ビックバンの嵐に翻弄される今の日本はまさに明治維新と同じ。時代は大きく変化を遂げようとしている。そういう時代にあって「自分たちが主役となって世の中を動かそう。自分たちが日本の金融市場を再生させる、舞台回しの主役となろう」、との川路の思いが込められた額である。

   TOKYO企業情報がこれからの光陽グループの新たな羅針盤となることは間違いない。インベストメントバンクとして KOBE証券とのシナジー効果は計り知れないものがあるからだ。そしてそのKOBE証券も野村証券からエース市村洋文を得て、急成長している。

   川路にとっては新田らプロの頭脳集団を得たことは総合金融商社構想の夢に一段と近づくことになる。彼等精鋭部隊が川路のステージを更に一段押し上げたからだ。先物五社、そして証券、そしてインベストメントバンクを手中に治めた川路にとって、あとに残るのは銀行だけだ。それを何時手に入れるのか。その芽を発掘するのは新田の仕事といえる。

   TOKYO企業情報は今、スタートしたばかりだ。しかし、既に世間をアッといわせる大仕事に取り掛かっている。リクルートもその一つであろう。他にも既にいくつものオファーが寄せられている。新田の誠実で真面目な人柄が顧客を呼び込んでいる。M&Aは人との信頼の上に成り立つ。人に客がつく商売だからである。

   新田は新会社の経営の基本をアフターM&A、つまりM&A後のフォローに重きを置く。そして規模は小さくとも自らが全ての案件に真摯に取り組むクオリティの高い会社にしたいと抱負を語る。

   川路の期待も計り知れない。新田はそれを肌で感じればこそ「あと五年間は夢中で走り、一人前の会社に仕上げる」と断言する。男の証として、川路に報いたいのだ。

   金融ビッグバンを逆手に、先物で鍛えた勘と実行力で証券やインベストメントバンクを取り込み、金融総合商社を目指す川路の戦略は、まだ七合目ぐらいだ。この先をどう乗り超えるか。熱い心で志を全うせんとする二人の男は時代の風を背に、金融界のリーダーカンパニーを目指し全力疾走する。



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