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トピックス -企業家倶楽部

2015年02月11日

当たり前のことを当たり前に、倦むことなく/オンキヨー名誉会長 大朏直人

企業家倶楽部2013年6月号 私の信条





   私が還暦を迎えた時、親しい方々がお祝いのサプライズパーティを開いてくれました。とても嬉しかった。その時、パーティに出席してくれたみなさんに、2つの約束をしました。1つは、60年後、私はノーベル平和賞をきっと取るから、その時また皆さんに集まって欲しいということ。もう1つは、点字作文コンクールを開催するということ。


    約束を守ることはとても大切です。スケジュールも自分に対する約束のうちのひとつ。だから、約束と時間を守らない人は相手にしてもらえません。ノーベル平和賞受賞の時は、みなさん来られないでしょうが、点字作文コンクールの約束は、2003年から毎日新聞社の点字新聞、点字毎日と協力して始めました。今年で10回目を迎え、世界128カ国を対象にした第9回から、「オンキヨー世界点字作文コンクール」とコンクールの名称を改めました。


    オンキヨーでは、目の見えない人と見える人との間で手紙のやり取りを可能にする、点字と印字が同時にできる点字プリンターを製造しています。こうした技術的背景もあり、実は、点字作文コンクールの構想はかねてより暖めていました。まだ社員が50人くらいの時からです。極論かもしれませんが、目の見えない人には、姿・形や人種など見た目での差別がないため、世界平和を実現できるのではないかと思っています。この目標を達成するには、世界で点字作文コンクールを開催する必要があり、そのためには世界中に支社を持つ会社にならなければならない。また、この事業を長く続けるためには、永続する企業をつくらねばならない。費用もかかりますから強い会社にしなければならない。ステージに立っただけでは感動を生む舞台を創ることができないのと同じで、オンキヨーというステージには立ったものの、課題(目標)は山積していました。しかし、目標を持つということで多少ブレはあるものの、行動が大幅にズレたり到達点を見失うことはありません。孔子の論語、子路篇に「倦むことなかれ」という言葉があります。飽きずにコツコツ続けよ、ということです。


    昔から言っていることのひとつは「当たり前のことを当たり前にやる」です。多くの企業の経営再建に取り組んできましたが、経営状況が厳しい会社の工場は概して散らかっていて、始業ベルが鳴ってもテキパキ従業員が働かないといった時間的なルーズさも目立ちます。給料日には給料をもらうのが当たり前なのであれば、決まった時間に働くのが当たり前だと思っています。でも、当たり前だと分かっていても、なかなか実践できない人が、実は多い。だからこそ、人としてどういう行動が当たり前なのかをきちんと教える機会、つまり教育をもっと考えるべきですね。


    私の息子たちは小学生の時、私の車と道ですれ違うと、帽子を脱いで「おはようございます」と挨拶していました。運転手に「社長の息子さんはすごいですね」とよく言われましたが、私が特に何も言わなくとも、家庭の文化が継承され、息子たちはそれを実践していただけなのです。昔の人は家庭教育や躾がきちんとしていたから長幼の序など当たり前でした。今の世代の人たちは、挨拶ができることを人としての優れた一面として評価しますが、それは裏返せば、挨拶といったような「当たり前」のことが実はできていないということではないでしょうか。これからも「当たり前精神」を実践かつ主張し続けていきます。



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