トピックス -企業家倶楽部

2007年04月27日

オフィスはメディアである/プラス社長 今泉嘉久

企業家倶楽部2007年6月号 私の信条 vol.2


「オフィスは企業の理念を社内外に伝えるメディアだ」と私は考えています。オフィスのデザインを通じて、その企業のビジョンや独自性を広く伝えることができるのです。

   一般的なオフィスは、家具を選ぶに際しても座り心地のよさや収納性の高さなどといった利便性を追求している場合が多いと思います。しかし、オフィスは利便性だけではなく自社をPRするメディア的機能も併せ持ったほうがいい。一石二鳥で投下資本の効率性も高まります。

   本来、オフィスを見ただけで、どこの企業であるかを知らせなければいけません。オフィスは「その会社がどのような方向に行きたいのか」というビジョンをお客様が訪問された瞬間にわかるようにするべきです。もちろん企業理念が明確でなければ、オフィスというメディアを通じて伝えるものがありません。他社とは違う差別化されたビジョンやコンセプトがなければ、オフィスのメディア機能を使いこなせません。その結果、同業他社と同じようなオフィスの佇まいになってしまいます。

   オフィスを差別化することで、その企業の理念やビジョンを伝えることが大切です。例えば、プラス本社のオフィスを見てもらえれば、同業他社とは違う方向を目指していることがわかると思います。以前は、当社が販売するスタイリッシュな文房具やオフィス家具と、本社オフィスの佇まいに落差がありました。しかし、オフィスを改装したことで、取引先の企業の方に「商品のイメージと会社の雰囲気が一致した」と言われるようになりました。お客様の反応も今のところとても好評で、「オフィスのトータルデザインをプラスに頼んだらスタイリッシュに作ってくれる」と思ってくださるようになったのです。このように、オフィスは社外に与える影響が非常に大きいのです。

   ロケーションも重要です。これまでプラスの本社は東京都文京区の音羽という住宅地にありました。それが港区の虎ノ門というビジネス街に移っただけで、社員の意識も大きく変わりました。その上にこのオフィスの佇まいです。ロケーションと佇まいの組み合わせが社内に与えたインパクトは非常に大きなものでした。今後、新商品の開発にもよい影響が出てくるはずです。

   このように「オフィスはメディアである」という考え方は多くの経営者の方が理解してくださると思います。問題はコストです。日本企業では一般的に「オフィスには多くのお金をかけるべきではない」という考え方が支配的です。確かにオフィスのデザイン家具などを特注すれば値段は高くなりますが、既製品でも佇まいをよくすることはできます。

   例えば、一般的な大企業は受付に数百万円から数千万円のお金をかけますが、プラスでは既製品の24万円のデスクと5万円の椅子などで、合計40万円くらいでスタイリッシュな受付を作り上げました。既製品なのでコストもそれほどかからず、効果は何倍にも上がります。メディア的な機能を強化したら、コストが高くなるとは限りません。

   企業家は、オフィス作りにもっとエネルギーを注ぐべきだと思います。それがその会社の強烈な個性になるからです。プラスでは、私が石の柄や絨毯などの細部のデザインまですべて決めました。これは人任せにできません。大企業になると、オフィスの設計を中間管理層に任せますが、それは絶対にしてはいけません。なぜならオフィスは企業の顔だからです。「どんなオフィスを作るか」でその会社の大まかなビジョンがわかります。ですから、オフィス作りは企業家の最優先事項のひとつなのです。



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