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トピックス -ビッグベンチャー

2014年09月29日

女性の部長4.9%

企業家倶楽部2014年10月号 数字で読み解く日本経済 vol.12


   いつの時代も子どもたちに人気の「戦隊モノ」。5人の勇者が1つのチームとなって悪の手から地球を守る。こんなストーリーの男の子向けのテレビ番組だが、最近は5人のうち2人が女性になっていることにお気づきだろうか。

   以前は1人だけだったのだが、テレビ番組制作会社が女性の社会進出に合わせて2人にした。真偽は不明だが、女性の比率が20%から40%に高まっているわけだから、子ども向け番組における女性の存在感が大きくなっているのは確かだろう。

   ところが、日本企業における女性の存在感は戦隊モノと比べると心もとないほど小さい。厚生労働省の賃金構造基本統計調査(対象は企業規模100人以上)によると、2012年の時点で管理職に占める女性の比率は部長相当職でわずかに4.9%にとどまっている。

   男女雇用機会均等法が施行されたのが1986年。それから30年近くたっているにもかかわらず、女性の管理職がほとんどいないのはなぜか。それは結婚や出産、育児などを理由に退職してしまう女性が多いからだ。

   日本企業で管理職となるには、正社員としておおむね20年程度働いた経験が必要となる。残念ながら結婚や出産などで退職した女性が再び正社員として働くケースはまれで、パート社員や派遣社員だったりするのが大半だ。

   現在、女性管理職のかなりの割合が結婚していないか、結婚していても子どもがいない人ではないだろうか。突然の出張や長時間の残業、休日出勤、単身赴任などをいとわずに、人生のかなりの部分を仕事にささげてきた人しか管理職になれない(正社員であり続けられない)のが今の日本企業、特に大企業の実態だ。「ガンダム女性管理職」という言葉がこの状況を象徴している。

   安倍晋三首相は2020年までに企業の管理職に占める女性の比率を30%に高めることを目標に掲げている。多くの主要企業が女性の登用に関して目標値を明らかにしている。こうしたことは前向きに評価すべきだが、達成するのは難しいと言わざるを得ない。なぜなら管理職候補の女性、つまり正社員として20年程度働いた経験をもつ女性が少ないのだ。

   大胆な抜てき人事で若手の女性社員を管理職に据えるという方法はある。だが、周囲の男性社員がやる気をなくしてしまうし、抜てきされた本人も気の毒だ。

   まずは女性社員が辞めないですむ環境を整えるところから始めないと、女性の管理職登用は掛け声倒れに終わってしまう。それには女性の部下を持つ管理職(現状では大半が男性)の意識を変える必要があるだろう。

   だからといって男性管理職を糾弾するような風潮も改めたい。人は批判されればされるほど自分の殻に閉じこもって他人の言うことに耳を貸さなくなる。特に中高年男性にその傾向は強い。それでは逆効果になってしまい、成果よりも残業時間の長さに重きが置かれる企業風土がさらに定着しかねない。

   可憐であり、しかも快活な「なでしこ管理職」をどのようにして増やすのか。男性管理職を当事者として巻き込み、彼らの知恵や経験も活かす姿勢が必要だ。ガンダムがたくさんいるよりも、なでしこが咲き誇る職場の方が居心地はよさそうではないか。(Y・N)



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