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トピックス -企業家倶楽部

2015年05月26日

駐車場×シェアリングで新たなインフラを作る/akippa 代表取締役社長CEO 金谷元気

企業家倶楽部2015年6月号 スタートアップベンチャー


【企業概要】

社 名 ● akippa株式会社

本 社 ● 大阪市西区西本町1-2-1 AXIS本町ビル9F

設 立 ● 2009年2月

資本金 ● 3億978万3776円(資本準備金含む)




観光地などに車で行った際、駐車場がどこも満車で時間を浪費した経験はないだろうか。もし駐車場の数が足りていて、しかも事前に予約できるとなれば、こんなに便利なことはない。

 この問題を解決すべく名乗りをあげた企業家が、akippa社長の金谷元気である。「なくてはならぬものをつくりたい!」という想いを、事業として形にした。

 akippaは、契約されていない月極駐車場の車室を1日単位で利用できるアプリだ。通常は、契約していない限り空いていても駐車できない月極駐車場だが、実は全体の約20%が契約されずに野放し状態となっている。オーナーがそのスペースを契約者のいない期間だけakippaに登録すると、消費者が時間貸し駐車場として使えるシステムを作り出した。akippaに課金された駐車代の70%が駐車場のオーナーに渡るため、管理者としても何の収入も上げずにスペースを放置しておくより遥かに有益だ。

 また、駐車場を貸す時間は最低5時間あればいい。例えば個人宅の駐車場を、仕事に行っている間だけ貸すことも可能だ。さらに月極駐車場の契約が決まった折には、akippaへの登録をすぐに取り消すことができるため、気軽に利用できる。

 現在、akippaに登録されている駐車場の数は全国に約4万7000カ所。休日や平日のみ貸し出しているところも含めた登録車室数は、タイムズや三井のリパークに次いで業界第3位となっている。



駐車場の利用法を一新

 一般的なパーキングは、現地に行ってみなければ空いているかどうかの確認ができなかった。しかしakippaを使えば、駐車場を事前に予約できる。さらにコインパーキングよりも安い価格設定。スマホ決済のため駐車場に精算機はなく、予約している時間中は何度でも出入りできる。一般利用者だけでなく、出入りの激しい工事業者にも最適だ。

 安価に利用できる理由は、コインパーキングのような設備投資が必要ないところにある。例えば渋谷の宇田川町にある駐車場は、通常は12時間4500円ほどかかるのに対して、akippaは1300円という低価格になっている。他の場所であっても、通常の約3割引で駐車場を利用できる。

 東京で6万3000台、大阪で3万1000台。これは、毎秒路上に駐車されている車の数だ。国内にある自動車数が約7600万台であるのに対して、時間貸し駐車場は約520万台分しかない。その差が路上駐車を生み出してしまっているのだ。

 路上駐車数が事故数に比例しているというデータもある。さらに、110番通報の約16%を占めているのは駐車に関する通報だ。その数は年間約19万件。akippaの事業は、日本の事故件数と警察の受電コストを下げることにも繋がる。


駐車場の利用法を一新

社員の悩みから価値を生む

金谷が会社を設立したのは2009年2月。当初は携帯電話の代理店から始まり、後に求人サイトの運営へ転換していった。それらの事業で利益が出ていたものの、金谷は「もっと社会の役に立つことがあるのではないか」と悩んだ。

 社員と話し合った結果、「なくてはならぬものをつくりたい」という思いで一致した。金谷は社員に悩みごとや困りごとを会社の壁に書かせ、インターネットを駆使することでそうした問題の解決ができないか考えた。

 
 そこで目についた困り事が「駐車場」に関する不満だ。ある女性社員はコンサートの時に会場周辺の駐車場が満車になっていることを挙げ、ある男性社員は家にある空き駐車場をもっと有効活用したいと綴っていた。その意見が繋ぎ合わさって、駐車場の予約アプリ「akippa」が誕生した。

 既存の事業よりもakippaに注力するため、2015年2月には社名を「akippa」に変更。

 「現在は既存事業の売上が全体の約7割を占めていますが、来期にはakippaの売上を逆転させたい」と金谷は意気込む。

 「ゲームに課金することには消極的でも、駐車場に1日1000円課金するのはakippa以外の駐車場を利用するよりも安いため積極的になる可能性が高い」と金谷は分析する。実際、車で通勤している人の中には、akippaの利用者も多い。このようなヘビーユーザーの存在がakippaの売上を牽引しているのだろう。



看板無くとも予約身近に


 サービスの認知を広げることは容易ではない。登録されている駐車場に分かりやすい看板があるわけではないakippa。アプリで見て初めて、そこがakippaの駐車場だと知ることができる仕組みのため、なかなか広めることができないのだ。

 しかし近い将来、グーグルなどがカーナビ業界に参入してくる。カーナビがインターネットと連動すると同時に、akippaもそのプラットフォーム上で存在を示せるようになる。カーナビから駐車場を予約できる時代が来るのだ。

 また、日本最大級の地図・ルート検索サービスを展開するナビタイムから駐車場を予約可能となる日もそう遠くない。これらによってakippaの認知度が上がり、これまで以上に利用しやすくなるだろう。



駐車場と目的地間の新しい概念

 akippaは駐車の概念を一層変えていく。例えば、目的地近くに駐車場が見つからない場合、駐車場からタクシーで指定した場所まで無料で送ってくれるサービス「HAILO×akippa」。同じように、アメリカで始まったハイヤー配車サービス「UBER」とコラボして、駐車場からハイヤーを使って移動する新しい形も提供している。

 さらに、独自に展開しているサービスとしては「akippa Plus」がある。駐車場がない場所に代行運転手が待っていて、一旦車を預け、指定した時間にまたそこへ車を運転してきてくれるというもの。前述のコラボサービスと同様、駐車場が目的地から遠い場合に利用することが多い。時間という制限があるが、スポーツ観戦やコンサートなどの時には十分だ。また運転代行社の空き時間を有効活用できる。

 今や、映画やレストランもインターネットで予約するのが当たり前だ。「競争率が高いにも関わらず予約できなかった駐車場の概念を変えていきたい。今はakippaをより多くの人に使ってもらうことが重要」と金谷。駐車場が空くのを待たなければならない。近くに駐車場が無いから諦める。車に関わるこれらの不満を次々と解消し、社会インフラとしての成長を目指す。



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