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トピックス -企業家倶楽部

2015年06月24日

ポスト・グーグルの最前線 日本発の検索エンジンを世界へ / アルベルト代表取締役会長 山川義介

企業家倶楽部2008年10月号 注目企業

検索エンジンに特化

 アルベルトは、レコメンデーション(推薦)に特化した検索エンジンを開発するベンチャー企業だ。レコメンデーション・エンジンは、文字を入力して検索する従来のキーワード検索に代わる新しいサーチエンジン「感性検索」として注目が集まっている。キーボードを使わずにマウスのみで欲しい商品が見つかる仕組みで、コンピューターの知識がなくても容易に使え、ユーザーの言葉で表現できない感覚的な情報や潜在的な需要を掘り起こすことが可能になる。この検索サービスをECサイトを運営する企業に提供している。

 これまでもアマゾンなどの大手オンラインショップでは独自のレコメンデーション・エンジンを開発し、運用しているケースはあった。しかし、専門のエンジニアや開発コストが掛かり、中小企業まで広く普及するまでには至らなかった。アルベルトはネットを介し商品を期間貸しするASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)形式を活用することで導入企業の運用コストを下げることに成功した。月額使用料は約10万円からと手頃な価格設定に抑えている。

 会社設立は2005年7月と若いベンチャーだが、すでにヤマダ電機やカメラのキタムラなど大手企業が自社のオンラインショップでアルベルトのサービスを採用するなど実績を上げている。ページを閲覧した人の購入率が通常の検索と比較して2.5倍に上がる成果が得られている。

「感性検索や画像自動認識技術を融合すれば、言葉の壁を越えたエンジンが出来る」と、代表取締役会長の山川義介は事業の広がりについて語る。


検索エンジンに特化

グーグルの限界 検索技術の進化形

 インターネットの普及に伴い、世界中のあらゆる情報がネット上に浮遊している。ユーザーは目的の商品や情報を見つけるために、グーグルやヤフーでキーワードを入力し、ヒットしたデータの中から探していた情報を見つける。このように欲しい商品が決まっている場合、キーワードが明確なので、目的のサイトを検索するのは比較的容易だ。

 しかし、必ずしも欲しい商品が決まっていない人や漠然としたイメージしか持たないユーザーが商品を絞り込むのは難しい。

 そこに注目したのがアルベルトだ。「グーグルのマニュアル本が出版されるほどだから、一般のユーザーには扱いにくいのではないか」と山川はいう。2000年にネットリサーチ会社インタースコープを設立し、消費者のマーケティングを研究していた山川は、「グーグルなどのキーワード検索の限界を感じ、新しいコンセプトの検索技術の開発が必要と考えた」という。現在は、インタースコープはネットリサーチ大手のヤフーバリューインサイトに売却し、以前から温めていたアルベルトの経営に注力している。

「レコメンデーション・エンジンで代表的な例は、オンラインショッピングのアマゾン・ドットコムの『この本を買った人はこんな本も買っています』という機能があるが、人間の行動履歴を基にした数あるエンジンのひとつでしかない」と山川は語る。アルベルトでは、目的に応じたレコメンデーション・エンジンの細分化を進めている。



販売員の接客を実現

 デジカメの購入を検討している場合、どのような行動が考えられるだろうか。試しにグーグルで「デジカメ、一眼レフ」と検索すると696万件ヒットした。このようにウェブ上に大量に氾濫した情報の中から、目的の商品や情報を的確に探すには、専門用語の知識や条件検索のスキルが必要で、結構難しいと思った経験はないだろうか。次に、価格比較サイトに行き、トップページからデジカメを選び、一眼レフをクリックすると価格表と一緒に全メーカーがズラリと並ぶ。そこから画素数や記憶媒体などのスペックを選び、絞り込むわけだが、ある程度の電化製品についての知識がある人でなければ、十分な商品比較はできない。

 アルベルトの推薦エンジンを採用しているカメラのキタムラのサイトはどうだろうか。「予算はおきまりですか」、「メーカーは決めていますか」という質問の後、重視する項目として、手ブレ補正機能や連写、液晶画面の大きさなどを選択し、推薦結果が表示される。質問に対してキーボードを使わずにマウスで答えればいいので、誰でも簡単に使いこなせる。

「アルベルトのレコメンデーション・エンジンの特長は、ユーザーの理想とどのくらい一致しているかというフィット率が表示されること」と山川は説明する。一般的な検索エンジンでは条件と合致したものしか表示されないが、フィット率80%や90%の中にも、ユーザーの潜在的なニーズを発見する場合がある。それを掘り起こし購入率に繋げるのが狙いだ。

「店頭で販売員が消費者のニーズを汲み取りながら希望の商品を紹介する過程をウェブ上で再現できる」と山川はいう。



日本発の検索エンジン

 画像認識を使った新しい推薦エンジンの開発も行っている。画像色彩の自動認識技術で高い開発能力を持つ徳島大学と共同で衣類や雑貨などネット通販向けに商品を開発、販売する。従来のユーザーの購入履歴などを解析する技術とは異なり、商品そのものが持つ色や形状を自動認識しデータ化、ぴったり合致しなくても、類似の商品を検出・表示するエンジンを開発した。今後はこの新しい検索エンジンの収益モデル化を進める。

「これまで、インターネットのサービスの多くはアメリカに先行された。今後は、日本発の検索エンジンを開発し世界に向けて展開したい」と山川は夢を語る。日本のケータイをはじめとするモバイルコンテンツの技術は世界をリードしているといわれる。日本独自の推薦エンジンと感性エンジンの技術で世界を牽引する可能性は高い。山川の挑戦から目が離せない。

【会社概要】
社 名 ● 株式会社アルベルト
本 社 ● 〒151ー0053 東京都渋谷区代々木2ー22ー17
設 立 ● 2005年7月1日
資本金 ● 3億1400万円
電 話 ● 03 5333 3703
従業員数 ●12名



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