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トピックス -企業家倶楽部

2015年06月25日

福井県を日本のシリコンバレーにしたい/jig.jp代表取締役社長CEO 福野泰介

企業家倶楽部2008年4月号 注目企業

携帯電話をパソコンのように使えるサービスを提供する

   jig.jp(ジグジェイピー)は携帯電話向けの便利なサービスを提供するITベンチャー企業だ。

   主なサービスとして、携帯電話でPCサイトが閲覧できる「jigブラウザ」がある。通常、携帯電話の画面では、PC上で表示されるインターネットサイトをそのまま見ることはできず、携帯電話向けに作られたミニサイズのサイトが表示される。例えば、ヤフーのサイトは、PC用と携帯電話用では、デザインやレイアウトが違っている。PC向けのサイトに慣れているユーザーにとっては、携帯電話用のサイトは使いにくい。しかし「jigブラウザ」をダウンロードすれば、携帯電話の画面上でPC画面と同じサイトのレイアウトを見ることができる。携帯電話の画面にあわせて表示する「ケータイモード」や全体を縮小表示する「縮小レビュー」など表示モードの切り替えも可能だ。RSSの閲覧やPCメールの送受信など、数多くの機能も搭載している。

「jigブラウザは携帯電話業界初の高機能フルブラウザで、携帯電話をまるでPCのように使えます。このような携帯電話で使いやすいアプリケーションを提供することが我々のサービス方針ですね」とjp社長の福野泰介は語る。

「jigブラウザ」(月額630円)や携帯電話向けに動画配信ができる「jigムービー」(ソフトウェア価格は約20万円)などの主力のアプリケーションは有料サービスで、同社の収益源となる。「jigブラウザ」の累計利用者数は100万人以上と大ヒットしている。

   他にも無料の追加サービスとして、オンラインのアドレス帳「jigアドレス」やスケジュール機能「jigスケジューラ」、音楽やラジオのポッドキャスト番組を携帯電話で聴ける「jigポッドキャスト」など多様な機能を提供している。

「わかりやすくて、使いやすい。そんな便利なサービスをこれからも開発していきたい」と福野は言う。


携帯電話をパソコンのように使えるサービスを提供する

20代で3度の起業を経験

   jig.jp社長で創業者の福野は、1978年生まれ。現在29歳の若手経営者だ。小学校3年生の時にコンピュータに初めて出会った。「ものづくりが何度でも体験できるプログラミングの世界に魅了されましたね」と福野は当時を振り返る。94年、5年間の一貫教育で開発研究型の技術者を育成する国立福井工業高等専門学校に入学。95年には全国高等専門学校プログラミングコンテストで準優勝を果たした。その後も研究会やアルバイトでソフト開発に没頭する中で、「自分が開発したサービスを人に使ってもらいたい。ものづくりを手がけるベンチャー企業を起業したい」と考えるようになっていった。99年に福井工業高専を卒業後、2000年に高専時代の先輩に誘われ、有限会社シャフトの設立に参画、CTO(技術担当取締役)に就任する。シャフトでは携帯電話向けのサイトをそれぞれのキャリア向けに変換できるシステムなどを開発、多くの企業からの反響を呼ぶ。しかし受注すると受託開発がメインになってしまい、日々の業務に忙殺される日々となった。

「受託開発ではなく、新技術を開発したい」。そんな想いから01年に自ら有限会社ユーエヌアイ研究所を設立し、代表取締役社長に就任。携帯電話のパケット代が半額になるサービス「半パケ」を開発する。当時は現在のようなパケット定額制がなく、高額のパケット代が削減されるサービスは高い支持を得た。ところが「半パケ」を各プロバイダに導入すると、細かな修正作業
の仕事が発生する。このままではまたしても受託開発に陥ってしまう。

「B to Bの企業向けではなく、B to Cでユーザーに使ってもらえる新製品の開発がしたい。今度こそ新しい技術開発に専念できる開発型のITベンチャーをつくろう」。福野はユーエヌアイ研究所を後任に引き継ぎ、03年、jig.jpを設立、代表取締役社長CEOに就任する。jig.jpでは、PC向きに作成された
サイトを携帯電話の画面で閲覧できる世界初のJavaフルブラウザ「jigブラウザ」を開発。一躍業界での注目を集め、成長の原動力となった。

「私にとっての起業とは、ものづくりそのものです。世界中で喜ばれるものを作りたい」と福野。社名にもその想いを込めた。jig.jpという社名は、アイルランドのテンポの速い軽快なステップダンスを表す「jig(ジグ)」や、ものづくりのための道具「治具」、そして短くて携帯電話から入力しやすいドメイン「jp」に由来している。

「すぐに使える便利なツールを開発すれば、仕事時間が短縮され、余暇の時間が作られます。それがゆとりを創出し、豊かな社会を実現できます。その世界を実現するのが、私たちのミッションです」



福井県を日本のシリコンバレーにしたい

「携帯電話でパケット定額制が導入されてから、モバイル業界は大きく変わりました。今後はパケット定額をどこまで使い倒せるサービスを提供できるかが重要ですね。今後は、音声や動画などのリッチコンテンツが要になってくると見ています」と福野は言う。 jig.jpが大量のパケット代を使う動画配信サービス「jigムービー」を開始したのも、パケット定額制を利用するユーザーが増えたことが背景にある。

「jigムービー」は07年5月に韓国で開催されたモバイルコンテンツに特化した世界規模のアワード「GlobalMobile Content Awards 2007」で「Best Mobile TV & Video」を受賞するなど、業界の評価も高い。
 だがモバイル業界では、07年からアップルのスマートフォン「iPhone」やイー・モバイルのモバイルブロードバンド端末「EM・ONE」などが次々と提供され、PCと携帯電話の垣根もなくなりつつある。携帯電話でPCサイトが閲覧できる「jigブラウザ」のビジネスモデルが今後も通用するとは限らない。

「日々の積み重ねによる開発力と大きな成果こそが会社の原動力です。そのためには、持続可能な開発体制がかかせません」と福野は言う。

   開発環境を整える一案として、スタッフに夕休みの習慣を導入している。16時から17時は夕休みとしてパソコンから離れ、卓球などで身体を動かすようにしている。メリハリの効いた心身の働きで、リラックスした状態で開発に打ち込める環境を整えているのだ。「私が育った福井県の鯖江市にとても愛着を感じています。福井県はメガネのフレーム生産では日本ナンバーワンです。IT業界でも福井県を日本のシリコンバレーにしていきたいですね」



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