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トピックス -企業家倶楽部

2010年06月28日

時代に負けないブランド力を保つ/オンキヨー代表取締役会長 大朏時久

企業家倶楽部2010年8月号 トップに聞く





高級オーディオやホームシアターでその名を轟かせているオンキヨー。昨年より、長年に渡り経営してきた大朏直人会長兼社長が名誉会長に退き、大朏時久会長、大朏宗徳社長、中野宏副社長の代表取締役3名での新たな経営体制となった。会長に就任して陣頭指揮している大朏時久氏に、生まれ変わって1年経ったオンキヨーのこれまでの道のりとこれからの道筋について聞いた。

(聞き手は本誌編集長 徳永卓三)



トヨタに学ぶ

問 大朏直人さんは鮮やかな出処進退でした。大朏直人元会長から後継を告げられた時のお気持ちをお聞かせ下さい。

大朏 2009年の株主総会1カ月前のことです。当時、私は自動車のプレス部品を手掛けるテクノエイトの代表として、トヨタ自動車に売却することで頭の中がいっぱいでした。テクノエイトは新卒で入社した会社だったので、とても思い入れがあったのです。


   以前から私はテクノエイトがOEM(相手先ブランド生産)企業としてトヨタのスピード感に追いつけるかが心配でした。トヨタと一緒に海外進出していく姿勢がテクノエイトにはありませんでした。部品製造時も、日本にしか工場がないため、世界のトヨタに同じ品質の部品を供給する事に限界を感じていました。他社がリスクを背負って海外進出している間に、我々は20年間投資を怠っており、その重みを痛感しました。しかし、プリウスの部品を請け負っていたことが決め手となり、売却も無事に決まりました。社員も組合もリストラせずに済んだので嬉しかったです。今でも取引先の人たちと話す機会があるのですが、みんな楽しく働いていると聞いております。


問 トヨタにはどの様な印象を持たれましたか。


大朏 トヨタは一時、米国の件でメディアに取り上げられましたが、やはり素晴らしい会社だと思います。その会社運営は勉強になりますし、会社作りには感動させられます。


   例えば、トヨタは下請けに厳しいイメージがありますが、実際は違います。成長途上の企業には毎日のように社員を派遣し、家族のように一緒に仕事をしてくれます。その姿勢には何度も感激しました。さらに、協力工場の意見を吸い上げ社員全員の健康状態を一人ひとり把握していて、「○○さんは今月このような薬を貰っているのでよく見てあげてください」などアドバイスをしてくれます。また、トップの人とも1カ月に一度はアポイント無しに会えるよう、イベントや発表会が組まれています。仕入れ先のことをよく考えてくれていて、コミュニケーションがとても上手い会社なのです。「伝言ゲームがよくできている会社は良い会社である」とある本で読んだのですが、正にこのことだと思いました。


   今回は品質で問題になっていましたが、トヨタは会議で毎回、自分達の問題点をきちんと見直しています。お客様の声も共有し、同じ間違いがないようにしています。我々のような協力会社から徹底し、その日にあった不良品は必ず次の日の朝までに直します。景気が落ち込み、町工場が苦しんでいる時も、銀行はトヨタの子会社というだけで、むしろ金利を下げて貸してくれました。銀行も地域もこれほど優しくしてくれる環境は、トヨタにしか作れないものだと感じます。



ブランド力を持続する

問 オンキヨーの会長就任後の1年間はどうでしたか。

大朏 とても厳しい1年間でした。トヨタの傘のない状態だった上に、今までにない赤字決算に直面したのです。赤字の大きな原因の一つは、海外に工場を持っていなかったのに加え、元々あった工場を閉鎖したために取引が減った点です。今ではその反省を活かし、他社との提携などに注力しております。それらが功を奏し、2010年3月期では売上高509億6200万円、経常利益8億1500万円と黒字に持ち直しました。

問 今までのオンキヨーはスピーカーとホームシアター機器というイメージでしたが、この1年間で事業構造は変わってきていますか。

大朏 パソコン(PC)の製造販売を手掛けるソーテックと合併し、PC事業にも力を入れるようになりました。しかし、今後も最も注力していく分野はホームシアター関連です。音楽文化の盛んなヨーロッパや、映画文化のアメリカなど安定的に需要のある国にはもちろん、他の国にもONKYOブランドを、よりグローバルに発信していきたいと思います。

問 ではやはり売り上げではホームシアター関連が大きいのですか。

大朏 全世界的に見てオーディオ売上の半分はホームシアター関連となっています。残りはPCです。見た目はテレビやオーディオなのに中身はPCという時代はすぐそこまで来ており、大きなチャンスがあると考えています。

問 iPhoneやiPadが発売され盛り上がっていますが、モバイル・インターネット時代への対応をお聞かせ下さい。

大朏 弊社からも、テレビとPCが一体化した新シリーズ「E713」を発売しております。我々が得意とする豊かな音響再生のスリム型プレミアムスピーカーを初め、デジタルテレビチューナーやスライド式iPod Dock、フルハイビジョン対応23型ワイド液晶、ブルーレイディスクドライブなどを備えたオールインワンスタイルを実現しました。

 テレビとPCの垣根が段々となくなってきています。iPhoneやiPadは正にPCを感じさせない商品ですし、アップル社の影響も少なからず感じております。日本のメーカーがこのような感動させられる商品を提供できていないことに、とても悔しく思います。日本発であり世界を席捲するような商品を出すために、弊社だけでなく日本全体がもっと危機感を持って盛り上げていかなければなりません。我々は、今日のモバイル・インターネット時代を唯一と言っていいくらいの成長のチャンスだと思っています。


ブランド力を持続する







ブランド力を持続する

問 オンキヨーの会長就任後の1年間はどうでしたか。

大朏 とても厳しい1年間でした。トヨタの傘のない状態だった上に、今までにない赤字決算に直面したのです。赤字の大きな原因の一つは、海外に工場を持っていなかったのに加え、元々あった工場を閉鎖したために取引が減った点です。今ではその反省を活かし、他社との提携などに注力しております。それらが功を奏し、2010年3月期では売上高509億6200万円、経常利益8億1500万円と黒字に持ち直しました。

問 今までのオンキヨーはスピーカーとホームシアター機器というイメージでしたが、この1年間で事業構造は変わってきていますか。

大朏 パソコン(PC)の製造販売を手掛けるソーテックと合併し、PC事業にも力を入れるようになりました。しかし、今後も最も注力していく分野はホームシアター関連です。音楽文化の盛んなヨーロッパや、映画文化のアメリカなど安定的に需要のある国にはもちろん、他の国にもONKYOブランドを、よりグローバルに発信していきたいと思います。

問 ではやはり売り上げではホームシアター関連が大きいのですか。

大朏 全世界的に見てオーディオ売上の半分はホームシアター関連となっています。残りはPCです。見た目はテレビやオーディオなのに中身はPCという時代はすぐそこまで来ており、大きなチャンスがあると考えています。

問 iPhoneやiPadが発売され盛り上がっていますが、モバイル・インターネット時代への対応をお聞かせ下さい。

大朏 弊社からも、テレビとPCが一体化した新シリーズ「E713」を発売しております。我々が得意とする豊かな音響再生のスリム型プレミアムスピーカーを初め、デジタルテレビチューナーやスライド式iPod Dock、フルハイビジョン対応23型ワイド液晶、ブルーレイディスクドライブなどを備えたオールインワンスタイルを実現しました。

 テレビとPCの垣根が段々となくなってきています。iPhoneやiPadは正にPCを感じさせない商品ですし、アップル社の影響も少なからず感じております。日本のメーカーがこのような感動させられる商品を提供できていないことに、とても悔しく思います。日本発であり世界を席捲するような商品を出すために、弊社だけでなく日本全体がもっと危機感を持って盛り上げていかなければなりません。我々は、今日のモバイル・インターネット時代を唯一と言っていいくらいの成長のチャンスだと思っています。



「方向を合わせる」1年間

問 今後、大朏さんがオンキヨー全体に号令を発するとしたら、何を伝えたいですか。

大朏 昨年は資金面から見ても「なりふりかまわず」「生き残る」ということでやってきました。今年は「方向・価値観を合わせよう」と言っております。去年は水底に足が付かず、バタバタもがいていた状態でした。今年は水面に首が出たので、その方向を合わせたいです。そのためには、まず従業員がお客様の方向を見なければいけません。接客中に、従業員が上司の顔を浮かべてしまうと方向が定まりません。そこで、上司が部下をきちんと見てあげることが大切です。昇格すると、お客様を見ることより「自分を見て欲しい、褒めて欲しい」と思いがちです。私たちは「お客様の方向を見ることを忘れてはいけない」と胆に銘じさせています。

問 お客様がオンキヨーに求めていることは何だと思いますか。

大朏 難しい質問ですが、少なくともお客様から期待されていないのは「安物の会社になること」だと思います。だから、その逆を行きたいです。我々の良さは「上司が何を言おうが、お客様が欲しい商品をがむしゃらに作り続ける姿勢」を全社員が持っていることです。



新しい経営体制

問 代表取締役3人での役割分担はどうされているのですか。

大朏 今は固定することなく、その時々に応じて役割分担をしています。専門で分けてしまうと偏りが出てしまうからです。特に、経験豊富な中野副社長には様々なアドバイスを頂いております。もちろん、大株主である元会長にも相談・報告はしています。

問 持株会社制に移行するということですが、どういう狙いですか。

大朏 もともと弊社は事業部制でした。事業で分けてしまっていたために事業部門を越えた人事交流がなかったのです。そこで、この壁を取り除くために本部制に変えました。

 しかし、各々の事業によってスピードに大きく差が出てしまいました。PCとオーディオという開発頻度や品質管理の仕方などが違う事業を、同じ部門で運営していくのは難しいと考えました。社内の人事交流もかなり進んでいたのでもう一度事業部制に戻し、これからは各事業でスピード感を持ってやろうと決断しました。人事交流とスピード感が持株会社制の狙いです。

問 アメリカ・ヨーロッパ・アジアと拠点をお持ちですね。海外事業についてお聞かせ下さい。

大朏 工場がマレーシアにあり、販売拠点はイギリスやドイツにあります。これから、更に増やしていくつもりです。全体で4000人弱の社員をスピーディーに動かすことは大変ですが、これからの海外事業で注力するのはグローバル化を進めることです。欧米はもちろんですが、中国にPCで進出することも考えています。




プロフィール

 大朏時久(おおつき・ときひさ)1968年6月1日生まれ。93年9月オンキヨー入社。専務、副社長などを経て、2006年4月テクノエイト取締役副社長、同年6月同社代表取締役社長就任。09年6月、オンキヨー代表取締役会長に就任。

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