• トピックス
  • 企業家倶楽部
  • バックナンバー
  • 企業家チャンネル
  • 私の注目ニュース
  • 新商品コーナー

トピックス -企業家倶楽部

2015年06月27日

他力本願/リンクアンドモチベーション代表取締役会長 小笹芳央

企業家倶楽部2015年8月号 私の信条





 意外に思われる方もいるでしょう。現在、一般的に使われているのは、人任せとか成り行き任せだとか、自分ではあまり努力はしないが人に依存するという意味合いでしょうか。しかし、これは誤用で本来の意味は違います。もともとは仏教用語で、「阿弥陀仏が万人を極楽浄土へ導くという約束で、それを心のよりどころとする」という意味で使われていました。

 私は仏教家ではありませんが、なぜ「他力本願」を信条としているかというと、もちろん努力をしないとか、人任せということではありません。元来、人間とは社会的な生き物で、万人が人との関係性の中で生きています。人間という字は、「人」の「間」に生きるという存在であり、自分ひとりでは何もできません。

 仕事でも勉強でも同じことですが、本当に努力を積み重ねてきた人間ほど、最後は運など、自分ではどうにもならない力に対して、祈る気持ちが出てくるものです。99%までは自分の努力で成功に近づくことができますが、全て望みが叶うわけではありません。結果はどうであれ受け入れることが重要です。思い通りの結果にならないと腹を立ててもストレスになるばかりです。努力してもダメなら仕方ない。「次に行こう!」と悩まないことです。

 過去の失敗に執着したり、逆に無駄なところにエネルギーや時間を費やしている人が多いのも事実です。最大限努力したら結果がどうあろうと次に対応していく。まさに達観の境地です。

 もし、過去を変えられるとしたら、今の自分から見て、その事象に対する解釈、意味づけを変えるということは出来ます。起こったことは変えられませんが、起こったことに対する意味づけを変えるということはした方がいいでしょう。また、バタフライ効果という言葉をご存知でしょうか。複雑性カオス理論を説明する例えですが、北京で一匹の蝶が羽ばたけば、ニューヨークでハリケーンが起こる。ようするにちょっとした変化で、様々な分子の相互作用によって最終的な結果は一見結びつかないような大きな変化になることがある。それくらい我々は色々なものと複雑な関係の中で生きているという話です。実際に、私達は人間関係の網の目の中に生きる存在であり、自然現象まで含めれば、予知できないようなことが起こっています。




 人のご縁や運が大切だと思うようになったのは社会に出て、仕事をするようになってからです。若い頃は成功すると全部自分の力だと思いたい。能力を認めてもらいたいという気持ちが強かった。根拠のない万能感が私にもありました。若いから焦っていたのですね。しかし、経験を重ね、年齢を取ってくると、誰かのお陰だということに気付きます。

 こんな経験もありました。現在、弊社は本業の拡大の他にM&Aをしながらグループを拡大しています。当然、他社からも買収の打診があったことでしょう。どちらにするか重要な決断を下す際に、誰かの助言があったことを後になって聞くことがあります。

 何か大きな成果を出したときに勘違いする若者たちを見てきました。それだと成長しません。成功の裏には自分以外の誰かの協力もあったかもしれません。

「人事を尽くして天命を待つ」ではありませんが、やれるところまで尽力したら、最後は運や人の縁に委ねる方が、謙虚で素敵ではないですか。頭を垂れる、そういう心持ちでいると、結果的に多くの人からの支援やエネルギーを引き出せることが多いと思います。



コメントをシェア

骨太対談
 
コンテンツメニュー
企業家賞
企業家倶楽部企業家大学
Page Top