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トピックス -ビッグベンチャー

2015年08月20日

あたりまえを発明し社会貢献/リブセンス代表取締役社長 村上太一

企業家倶楽部2014年6月号 今、日本を最も面白くする企業家たち


村上太一(むらかみ・たいち)

1986 年東京都生まれ。2005年 早稲田大学政治経済学部に入学後、ビジネスプランコンテストで優勝。2006年に大学1年生でリブセンスを起業。アルバイト求人サイト「ジョブセンス」などを手がける。2011年12月、史上最年少となる25歳1ヶ月で東証マザーズに上場。2012年10月には東証一部上場。



新たなあたりまえを作る

 社名の「リブセンス」は「生きる」のリブと「意味」のセンスを英語化したものが由来です。では「生きる意味」とは何でしょうか。当社では、「生きる意味」=「幸せになること」であるという考えのもと、お客様にサービスをご利用いただくことで、提供する私たち自身も幸せになることを目指しています。

 また、経営ビジョンとして「あたりまえを、発明しよう」というミッションを掲げています。これは、誰もが使い、無くなって困る「新たなあたりまえ」となるサービスを作っていきたいという想いから生まれました。会社のロゴにはビジョンを達成するために「既存の常識に疑問を持って行動しよう」という「?」の精神と「雨垂れ石を穿つ」という諺のように、どんなに小さな力でも根気よく続けていれば、いつかは成果を得られるという意味が込められています。また、社内のロビーには、その精神を模したオブジェを飾っています。これは、オブジェ中心の穴に一定間隔でポツポツと水滴が落ち続ける仕組みになっており、まさに雨垂れが石に穴を開ける様子を表しているのです。



成功報酬型を切り口に展開

 当社の展開している事業として、成功報酬型の求人サイト「ジョブセンス」を開発、運営しています。成功報酬型とは、成果が出た場合のみ費用をいただく料金体系を指します。一般の求人サイトでは広告掲載だけで数十万の費用が発生しますが、ジョブセンスでは、情報掲載費用が無料です。アルバイトの採用や、不動産だと入居の問い合わせなど掲載によって成果が発生した場合のみ費用をいただきます。このビジネスモデルにより、従来は多額の掲載費用をかけても応募が来ず、金を溝に捨てるような想いをしてきた企業から「安心して広告掲載を行えるようになった」と感謝の言葉を頂いています。また、採用されたアルバイトの方も最大で2万円のお祝い金がもらえるシステムを導入しており、広告宣伝費が低くても集客・マネタイズでき、掲載企業もアルバイトも幸せになれるWin-Win-Winの仕組みを構築することで成長しています。

 昨今、ネットで「ジョブセンス」と検索して入ってきてくれるユーザーは着々と伸びており、ジョブセンスがひとつのアルバイト情報サイトとして認知されていることを表しています。また、お祝い金を提供した方がリピーターとして戻ってきてくれていることも強みのひとつでしょう。今では、アルバイト採用のお祝い金だけで年間数億円規模の還元を行っています。



不便の発見からビジネスを生み出す

成功報酬型の求人サイトを思いついたきっかけは、まだ私が学生のころでした。高校生の時、様々な経営者の本を読む中で「不便や問題の解決がビジネスの基本である」という言葉を見つけ、まず自分の周りにある身近な不便を探してみたのです。その中で見つけたのが当時のアルバイト探しです。町中に求人広告は多いのに、いざネットで探してみると、やけに情報が少ないというのが現状でした。掲載料が高くてネットに広告が載せられないのです。これでは、インターネットが普及している世の中にもかかわらず、ネットでは理想の求人先が見つかりません。私自身、わざわざ隣町まで自転車をとばし、アルバイトを探しまわったこともあります。この経験が、今や新たな当たり前となった掲載費用無料の前身となるジョブセンスを生み出したきっかけです。

リブセンスの強み

 創業時、学生ベンチャーとして会社を立ち上げた我々には何もノウハウがありませんでした。しかし、そのまっさらな状態から物事に対する不便や問題点を洗い出し、改善していくことでサービスを構築していきました。現在は、サービスを展開していく上で、多くの人に利用していただけるようなシステムやデザイン、マーケティング手法を内製化し、ノウハウを積み重ねています。

 リブセンスでは、利用者がサイトを開く際、検索から何秒でページを表示できるか、1秒でも速いレスポンスを作ることを大切にしています。たかが1秒と思われるかもしれませんが、この僅かな時間を縮められるか否かでユーザーの利用率は大きく変動するのです。日々より良い情報、快適な使い勝手を追求し、掲載するキャッチワードの一字一句も重要と考えています。今後も繰り返し改善を重ね、さらなる不便の解消に努めます。



イメージしていた上場

私がリブセンスを創業したのは、19歳の頃です。当時、何もノウハウのなかった私は、沢山の人に助けてもらいました。先輩経営者の方々からは、多くのアドバイスを頂き、在学していた早稲田大学のインキュベーションセンターからオフィスを提供してもらいました。その甲斐があって大学卒業から2年半、創業から5年と10ヶ月経った2011年12月に史上最年少で東証マザーズに上場しました。しかし、上場したときは、想像していたよりも冷静でした。自分が鐘を鳴らす様子は、既に何度も夢にも見るほどイメージしていたからです。私は、お金持ちになりたいというよりも、新たな事業を創りたいという思いが大きかった為、事業欲が強く、幼いころから常にビジネスモデルに対するイメージトレーニングを行っていました。故に、いざ鐘を鳴らす場に立った時は、新鮮味を感じなかったのです。偶然ですが、夢で見た初値も現実と一緒でした。

困難こそイノベーションを生む

 私が社長になりたいと思い始めたのは小学6年生の時です。中学に進む頃には共に企業の志を持つ友達とともに夢を膨らませていました。高校生の時には現在のジョブセンスの原型となるようなサービスモデルを考えるようになっており、創業メンバーを集めたりする活動も積極的に行っていました。そして大学1年の夏、19歳でリブセンスを創業するに至ったのです。しかし、10代で会社を起こす上で様々な障害がつきまとってきました。銀行に届出に行った際には「未成年の届け出提出には、保護者の同意書が必要である」と言われ、書類を突き返されることや、今までにないサービスを売りにしていることから、誰にも認知されず1年目は全く利益が出ないこともありました。当時は心が折れかけ、事業を諦めかけていたこともあります。

 そんなリブセンスが大きく成長したきっかけは、成功報酬型システムの導入です。現在は採用ごとに掲載費用をいただくビジネスモデルですが、創業時はアルバイトの応募ごとに費用をいただく仕組みでした。しかし、次第に利用者の方から「採用の場合のみ費用が派生するシステムに変えてほしい」と要望する声が次第に大きくなってきたのです。ですが、このニーズを反映させるには、大きな課題が立ちふさがっていました。応募者採用の有無を我々が確認する術がないのです。このままだと掲載費用の発生があやふやにされてしまう危険性を孕んでいました。この事態を解決すべく生み出したのが現在の「お祝い金制度」です。このシステムの導入により、アルバイトの方からお祝い金をもらうために採用の報告が入るようになり、応募者採用の確認ができるようになったのです。

 物事を進めていく上で壁にぶつかると、諦めてしまう人も多いかと思います。しかし、どうにか打破しようと考え抜くことでしか良いイノベーションは生まれないのだと私は思います。



理念の共有を目指す

 組織の理念やビジョンの浸透とは、永遠に追い続けるべき課題です。創業直後は、少ない人数の中で共有されていた理念も、会社が大きくなるにつれて、毎日声に出して伝えていかなければいけません。オフィスの至る所に企業ビジョンを明記したポスターを貼ったり、毎週、私自身が社員に向けてメールマガジンを配信し、「誰もが使うあたりまえを発明しよう」という想いを共有すべく日々努力しています。最近配信したメールマガジンは「自分のやり方に囚われないようにしよう」というタイトルで、自身の成功体験をそのまま適応せず、状況に応じて臨機応変に対応しようという内容を配信しました。

 今後は、人材育成にも注力し、私自身の創業時から現在までのノウハウを文章化することで社員にレクチャーして習得させていく仕組みを作っていきたいと考えています。



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