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トピックス -企業家倶楽部

2015年09月24日

古典から学んだ「仁・義・信」/SBIホールディングス代表取締役執行役員社長 北尾吉孝

企業家倶楽部2015年10月号 私の信条


   経営者は日々、一歩間違えば会社の屋台骨を揺るがすような判断を迫られます。そんな時に一番やってはいけないのは、軸がぶれてしまうこと。私が判断の軸にしているのは、儒教における五常のうち三つ「仁・義・信」です。

「仁」という字は人が二人と書きます。見ず知らずの人と人とが向かい合った時に、どれだけ歩み寄ることが出来るか。特に私たちのようなインターネット業界では対面営業と異なり、お客様の顔が見えませんのでなおさら自分本位にならず、相手の心を思いやらなければなりません。

 約束をちゃんと守っているか、信頼を失うことがないか、社会正義に照らし合わせて間違っていないか。そうした時、「義」は試されます。近頃は義の欠如が多く見られる気がします。欲の無い人間はいませんが、一方でそれを律しなければなりません。私がベンチャー企業への投資を最終決定する際には、その経営者に志があるかを見ます。利己的な野心ではなく、本当に世のため人のためという想いがあるのか見極めなければなりません。まさに「利を見て義を思う」ような人物の会社に投資したいのです。

 最近のギリシャ問題で見受けられたのは「信」の欠如です。「信無くば立たず」というように、嘘をついて人を欺いてはいけません。自分のことだけ考えていると、やがて「信」は失われてしまいます。人間は生まれた時には無垢な気持ちを持っていますが、その綺麗な心もいつの間にか曇ってしまう。それをいかにして磨いていくかが大切です。

 世の中に、お金持ちになりたい、偉くなりたいと思う人はたくさんいると思います。ただ、孔子の『論語』に「死生命有り、富貴天に在り」とあるように、生きるか死ぬかは天が決めることで自分ではどうにもならないのです。富についても同じ。お金持ちになりたくてもなれません。全て天の配剤なのです。




若い人には、上司の顔色を伺う必要など全く無いと言いたい。すべては天が決めることなのだから、目の前の仕事に一生懸命取り組むしかないと悟ればいいのです。そうすれば楽になります。人間関係で悩む暇などないはずです。

 諸々うまくいかずとも、気にすることはありません。天の責任にしましょう。「任天、任運」の考え方です。自分の信念、描いたビジョンをどう具現化するのかと、大きなことを考えればいいのです。天は必ず正しい者に味方します。天ほど公平なものは無いでしょう。こうした指針を与えてくれたのは、『論語』をはじめとする先人たちの書物です。

 私は歴史と哲学から多くを学びました。以前、SBI証券の手数料を圧倒的に安くしたことがありました。部下たちには業績が悪化すると言われて猛反対されましたが、結局は黒字になりました。そしてドイツの哲学者ヘーゲルの言う「量質転化の法則」が起りました。手数料を安くすることで、お客様が増加。それはサーバー数の増加、金融商品の多様化に繋がりました。そしてサービスの質の改善が起こったことで、結果的にまたお客様の量が増えたのです。

 ビジネスとは人と人との関わり合いから生まれます。古今東西、人間の本質はそう変わりません。それを知るためにも、読み継がれてきた古典から学べることは膨大だという認識を心に刻んでおくべきでしょう。



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