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トピックス -企業家倶楽部

2014年07月18日

圧倒的な収益を上げ人類の課題に挑戦したい/エニグモ代表 須田将啓

企業家倶楽部2014年8月号 次世代の企業家




鉱脈を見つけヒット生む

問 4月に新事業「BUYMABooks(バイマブックス)」をスタートさせましたね。

須田 はい。世界中の本や雑誌を翻訳し、発信するサービスです。世界中から翻訳者を募り、誰もが興味のある本を選んで訳すことが可能です。

 現在は事業を軌道に乗せており、どこの国でどんな本が売れるかを探っているところです。英語と日本語など双方向で翻訳を行い、既に15カ国語に対応しています。訳された書数は30冊を超えました。

 現状で翻訳者のニーズはつかむことができたと感じています。バイマブックスは会員の半分以上が訳者で、本の翻訳依頼に対して多くの応募があります。

問 翻訳者の心をつかめた要因は何だと思いますか。

須田 今までに無いサービスを実現させたということでしょう。バイマブックスは多くの人に、翻訳の門戸を開きました。「翻訳の許可を得るのは大変そう」「趣味の範囲で訳してみたい」といった考えの人々に、誰でも手軽に翻訳できる機会を提供したのです。

 既に弊社で翻訳許可は取得済みなので、訳者側に面倒な手続きは必要ありません。このように、いくつかある選択肢の中から自分で好きな本を選んで翻訳するというスタイルは今までありませんでした。

問 翻訳者はどういった方々ですか。

須田 翻訳が本業の方もいれば、他の仕事の傍らに訳されている方もいます。BUYMAにおけるバイヤーと同じように、海外に住んでいる方がほとんどです。趣味に近い形で主婦の方が始めるケースも見受けられます。

 個人的に興味深い話もあります。ある著者の方に英語の本3冊の翻訳許可をいただいたところ、題材は「お金」「オーケストラ」「マネジメント」でした。その方は「オーケストラ」と「マネジメント」が人気を博すだろうと予想していましたが、実際に翻訳者からの人気が一番高かったのは「お金」の話だったのです。翻訳者から見た感覚と、現地の著者の感覚が全く違うという所に面白さを感じました。

 今後は、翻訳していただいた本の買い手を増やすことが目標です。訳者を上手く増やすことができたので、あとはそれをどのような方が読まれるのか分析していきます。

問 まさに、BUYMAと同じ流れですね。

須田 その通りです。BUYMAでは、まず初めに現地で商品を仕入れるバイヤーの方が増えたことによって、取り扱う商品数が増加しました。そこで次の段階として、買い手を増やすことに力を入れ、順調に業績を上げることができたのです。

 まずは1つ、ヒットする作品を生み出したいですね。弊社のサービスは、他社には無い独自のものなので、バイマブックスのアプリでしか読むことができません。一度話題になれば、必然的にダウンロード数は上昇するでしょう。話題作の積み重ねによって、多くの人に読んでもらえるアプリにしていきたいと考えています。

 バイマブックスにおいてもBUYMAと同様、「個人の価値化」という理念を大切にしています。本来の翻訳を超えて、訳者の人間らしさが前面に出てもいいのです。極端に言えば、標準語で訳すのが一般的なところを関西弁で翻訳したとしても、それを面白いと思う人がいて人気が出るかもしれない。評判になれば、翻訳の依頼も増えるでしょうし、そこに正解・不正解はありません。

 BUYMAにおけるバイヤーのように、バイマブックスでは世界中にいる訳者がエニグモの強みになっていくと考えています。個性を活かして様々な翻訳者が活躍して欲しい。そのためには、ユーザーに正当な評価をしてもらえるよう、ユーザーレビューを充実させていきたいですね。



エニグモカルチャーを大切に

問 新しい事業を次々とオープンさせていますが、社内に新規事業を生み出すための試みはあるのでしょうか。

須田 社員には、アイデアが浮かんだらいつでも言ってくれと話しています。日々の業務の中、思いついた時で構いません。特別な取り組みはありませんが、言い出しやすい雰囲気にはなっていると思っています。

 社内には冷えたビールも常備していて、18時以降はいつでも飲んでいいことになっています。目標達成時などに、皆で気軽に乾杯している様子はよく見かけます。

問 「やんちゃであれ!」をはじめとする「エニグモ7」は独特の経営理念ですが、採用ではどこを見られているのですか。

須田 エニグモのカルチャーに合った「いいヤツ」であるかどうかが大切です。

 私は、会社も人と同じように気風を持っていると考えており、そのカルチャーに合わない人が増えてくると危険です。そのため、エニグモが間違った方向に進まないよう、自分と社員の価値観に溝が無いかには常に気を払っています。

 例えば、毎日2ー3分遅刻してくる人は要注意です。ちょっとした気の緩みは、エニグモのカルチャーに反します。「いいヤツ」を採用していますから、メリハリは付けられるはずなのです。



失うものなど何も無い

問 今、興味を持たれているテーマはありますか。

須田 まだ漠然としていますが、人類の課題を見つけ、お金と時間をかけて解決していきたいです。そのためには、やはり資金が必要になります。グーグルは膨大な収益があるからこそ、エネルギー事業への参入やロボット関連企業の買収など、新たな成長分野を切り拓けるのです。

 将来的に大きな事業を起こすために、BUYMAで大幅に収益をあげて、さらにバイマブックスも育てていきます。ある程度の利益を出せるようになったら、新しいことにどんどん挑戦していきたいですね。

 グーグルの例にもあるように、利益を出している会社が面白いことに取り組むべきです。普通の企業が出来ないような、ワクワクすることにチャレンジしたいと思います。

問 最後に、須田代表に続く若い企業家に向けてメッセージをお願いします。

須田 長い目で見れば、失うものなど何もありません。失ったかどうかを決めるのは自分自身です。不運に巻き込まれてその時は嫌な思いをしたとしても、捉えようによって、それはチャンスに変わります。

 私は、基本的には得るものしかないと考えています。だから、とにかく挑戦してみてほしい。

 起業にあたって不安はあると思いますが、一度捨ててみましょう。後から振り返ってみれば、実は大したことはなかった、ということばかりです。





須田将啓(すだ・しょうけい)

1974年茨城県生まれ。慶応義塾大学院理工学研究科を終了後、博報堂に入社。ストラテジックプランニング部に配属され、幅広い領域のクライアントを担当。04年、エニグモを設立。世界105カ国のバイヤーからリアルタイムで欲しいものをお取り寄せできる、これまでにない新しいソーシャルショッピングサイト「BUYMA」を運営。12年7月、東証マザーズ上場。



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