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トピックス -ビッグベンチャー

2014年07月17日

経営者は「修正力」が重要/トレジャー・ファクトリー社長 野坂英吾

企業家倶楽部2014年8月号 次世代の企業家





問 以前から野坂社長は「徳川幕府のように300年続く会社を作りたい」と話されていましたね。成長し続ける組織を作る上で心掛けていることはありますか。


野坂 企業風土、文化として、何事も継続して積み重ねていくことを大切にしています。短期的な結果成果を求めるようなことはしていません。たとえばルールを作る上でも、それがきちんと継続できるものなのかどうかについて検討しています。長期的な視野で考える思考法は、現場の様々な取り組みの中で、根付いてきているなと感じます。特別に何かメッセージとして伝えるということはありません。

問 野坂社長が個人で取り組んでいることはありますか。

野坂 経営者として気をつけていることは、可能な限り急成長している経営者とも接するようにしています。スピード感のある企業家と話をすることで、自分の潜在的に持っているスピード感の限界まで引き上げられる効果があるように思います。以前は他人と自分を比べて良くも悪くも影響を受けることがありましたが、最近では平常心で受け止められるようになって来ました。

 だからこそ、敢えて急成長している経営者たちと接することで、自分自身もまだまだ上を目指さなくてはならないと刺激を受けるようにしています。現状で満足してはいけませんね。

問 具体的にスピード感のある企業家とはどんな方がいますか。

野坂 エニグモの須田社長などITベンチャー企業家はスピード感がありますね。株式市場でも今後の成長期待値が高くみられている会社です。投資家の期待に応えるプレッシャーを感じていることと思います。私たちももっと成長できる要因があるなら、追求したいと考えています。イーコマースは成長余地が多くあるので、ウェブやモバイル対応も強化したいと思います。

 トレジャーファクトリーを創業した頃、同世代の起業家たちの多くはIT関係で起業しました。私は違う道を選択し、参入障壁が低く差別化しにくいITではない強みを持ちたいと考えました。ITはツールとして活用していきたいと思います。

 IT関連企業と比較して、リアル店舗の運営企業は過小評価されているのだというぐらいの心意気でいます。ITベンチャーとはジャンルが違うからと諦める気持ちはありません。




問 今、経営する上で注目していることは何でしょうか。

野坂 最も意識しているのは、世の中の変化についてです。人の働き方も変わってきています。採用の手法も、アルバイトから社員登用を始め、社員移行も増えています。

 世の中の変化ですが、最近の10年位で人々のライフスタイルが変化しています。例えば、家の中に洋服ダンスがなくなり、クローゼットになっています。ライフスタイルが変われば、当然ですが売れるものにも影響があります。洋服が売り買いされるようになってきたのも、ここ5年ぐらいでしょうか。世の中のマーケットだけではなく、我々の取り組み自体も変化しています。

問 世の中に対して、トレジャーファクトリーが提案したいことは何ですか。

野坂 創業の原点としては、まだ使えるモノがたくさん捨てられてしまっていたのを、変えていきたいということでした。これまで捨てられていたモノはもっと買い取りが出来るということを伝えたいですね。モノを大切にすることはもっと実践でできるということをしっかりと伝えていきたい。

 店舗が新しい地域に出店すると、その地域の捨てられるモノは確実に減っていきます。何かを売ったことで家の中にスペースが出来、新しいモノが買えます。お金を節約出来れば、他のことで贅沢して消費できることもあるでしょう。ちょっとしたことで生活が豊かになります。広い意味では資源の有効活用という側面で、社会に貢献できるのではないでしょうか。その地域に住む人々の生活が豊かになっていくことに貢献したいと思います。

問 リユース業界も他業種からの参入があったり、競争が激しく生き残りの厳しい世界だと思いますが、そんな中で成長を続けている御社の強みはどこにあると思いますか。

野坂 早くから単品管理を導入したり、現場の店長に権限を委譲し地域に根ざした店舗作りをしたり、他社にない特長があると思います。しかし、何か1つのことで差別化する企業は実際は弱いのではと考えています。何か他と違うことを打ち出したとしても、すぐに他社も同じようなことを始めます。

 私は小さな他社との違いを1000個作ることが、大きな差別化になり、強さになると思います。

 例えば、最近関東エリア以外の関西エリアに出店しました。買い取りの際に関西では1品ずつ査定しません。数点まとめて3000円といったように買い取りするのが一般的です。しかし、弊社では1品ずつ査定します。地域によって当たり前のことが違うこともあるでしょう。自分たちが提供できるサービスが何であるのか知ることも重要です。遠く離れた関西エリアで成功すれば、次の地域への展開も見えてきます。いずれは海外展開もしてみたいですね。

問 若い経営者や起業を志す人たちに向けてメッセージをお願いします。

野坂 経営で重要なことは、「修正力」です。事業をやりながら、どう計画を変化させていくかがポイントです。どんなタイミングで何をどう取り組むかが、明暗を分けると考えています。経営者は「修正力」の良し悪しが試されています。

 究極的には、その人のセンスとも言えるでしょう。我々には自社も他社も含めて、過去の事例の裏付けというのが沢山あるので、それをヒントにすることです。急成長も良いですが、逆風の時には急ブレーキになるので、そのときどんな判断をして、どんな取り組みをするかとか、施策は参考になるはずです。常に3つぐらい手を打っていかないと、危機的状況は回避できないので、どんな施策を3つ選ぶのかなどは私も他の企業家の取り組みを参考にしています。



野坂英吾(のさか・えいご)

1972年、神奈川県生まれ。95年5月、有限会社トレジャーファクトリーを設立。99年12月、資本金を1000万円に増資し、株式会社に組織変更。07 年12月、東京証券取引所マザーズに株式上場。



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