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トピックス -企業家倶楽部

2014年05月07日

社長の覚悟が未来をつくる

企業家倶楽部2014年6月号 視点論点


   東日本大震災から3年経った。2011年3月11日午後2時46分は今でもわれわれの記憶に鮮明に残っている。テレビなどでは復興の様子を報道していたが、まだ、手付かずのところもあり、大震災の爪跡は癒えていないようだ。

   福島第一原発近くの市町村は放射?能の関係で帰還が難しく、16万5000人が故郷に帰れないということだ。原発の恐ろしさを目の当たりに見せ付けられる一方、火力発電で賄えば、年間約4兆円の油代が必要になる。退くことも進む事も難しいカジ取りを迫られている。


   首都圏直下型の震災も気になるところだ。富士山噴火も起こるかも知れない。今年の大雪の被害もあった。こうしてみると、日本は自然災害の多い国だということを改めて認識する。しかし、災害が多いからわれわれは緊張感をもってことに当たっているのかも知れない。そこで、今号はトップの覚悟についてお話したいと思う。


   ジャパネットたかたの髙田社長は昨年春、「2013年12月期の経常利益が最高益137億円に達しなければ、社長を辞める」と公言した。2012年12月期の売上と経常利益が大幅に減少したのだ。理由はそれまで600億円あったテレビ部門の売上がほぼゼロになり、2013年12月期の売り上げ、利益は大幅減が予想された。


   そこで「最高益を出さなければ、社長を辞める」と社内外に宣言し社長の「覚悟」を示したのである。ドル箱のテレビ部門がほぼゼロになり、新しくドル箱を探さなければならない。そうした状況下で「最高益を出す」と宣言したわけだ。


   結果は売り上げが250億円増の1423億円、経常利益が150億円を達成、見事、約束を果たした。髙田マジックをどうやって発揮したのか。さわりの部分をご紹介しよう。


   私が最も驚いたのは、厳しい経営環境の中で「経費節減などの消極策は一切取らなかった」ことだ。売り上げの3分の1を占めるテレビ部門がほぼゼロになるのに、財政緊縮策は一切行わず、むしろ積極財政策を打ち出した。


   広告宣伝費もたっぷり使い、東京スタジオもそのまま使った。積極財政を打ち出したのは、「社員の心を前向きにしておきたかった」と髙田社長は言う。


   普通、経営環境が厳しくなった場合は緊縮財政になるが、ジャパネットたかたは逆に積極財政策を取り、「社長の首をかける」という背水の陣を敷いた。社員たちは「社長を辞めさせてはならない」とそれこそ不眠不休で頑張った。


   髙田社長は積極財政で社員の心を前向きに保ち、その上でポストテレビのドル箱を懸命に探した。テレビほどの大型商品ではなかったが、いくつかテレビ部門を穴埋めする商品が現れた。


   その一つが電気掃除機。東芝のトルネオは累計で100万台を超えた。エアコンは3万台が15万台と5倍に、レイコップという布団の掃除器は100億円も売れた。「お客様に商品の良さを伝えていこう」という原点回帰も功を奏した。こうしたテレビ以外の家電製品が健闘し、エースの穴を補って余りあった。「ビジネスモデルの転換に成功しました」と髙田社長は胸を張る。


   髙田社長のインタビューで印象に残ったのは「変化を創り出す」という言葉だ。「今、世界的に変化の波が起こっている。その1つはモバイルだろう。デスクトップ型のパソコンの出荷台数は減っているが、その代わりタブレット型やスマートフォンなどのモバイル機器は飛ぶように売れている。モバイル・インターネットの時代が到来しつつある。


   髙田社長はこうも言う。「変化に迅速に対応するだけでなく、変化を自ら創造していくことが大切です」。


   髙田社長は消費者の今の感覚をテレビショッピングのライブ放送を通して肌で感じていると思うが、「私は、タブレットは若い人でなく、60?80代の人に売っています。これは高齢者の生きがいになると思うからです。ジャパネットたかたのお客様の8割くらいは50歳以上。シニア世代に需要があると思います」。社長の覚悟が未来を切り開く。


   さて、そんな髙田社長が本年の第16回企業家大賞を受賞することとなった。授賞式は7月14 日(月)に都内のロイヤルパークホテルにて行われる。是非、足を運んでいただければと思う。(T)



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