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トピックス -ビッグベンチャー

2014年07月08日

少子化対策は国境を越えること/クロスカンパニー社長 石川康晴

企業家倶楽部2014年8月号 次世代の企業家





問 国内のアパレル市場の現状は。

石川 国内は斜陽産業です。海外戦略がないアパレルは衰退していくと思います。参入障壁が低いので若い起業家の下剋上が続き、パイの奪い合いになる。当社では国内はしっかり対抗手段をとり、基本戦略を海外に置いていきます。海外市場は成長産業で、人口が増え、洋服を着る人々が増える。特に東アジアは狙い目です。欧米のGDPの高いところも狙いますが、中国、ASEANも大チャンスです。少子化対策というのは「国境を超える」ことだと思っています。日本の社会保障制度だと60歳超えてどんどん服を買うというマインドではないと思うので、我々は国境を越えて若い人がいるところに広げていく。

問 なかなか勇気が入りますね。

石川 ゼロが1になれば、1を100にするのはそれほど勇気は要りません。ゼロを1にするときは結構唇が震えます。



中国市場にダイナミックに挑む

問 中国に集中して出店しておられますが。中国の現状は。

石川 新店込みの前年比で180%です。Eコマースではタオバオが前年比で300%です。国土が広いのでリアル店舗とEコマースで、全土をカバーするというハイブリッド戦略でいかないと成長角度は上がらない。タオバオの11月11日の記念日は1日で7000億円売りました。この破壊的な売上げは日本の、楽天、ゾゾタウンではできない。タオバオ銀行というのがあり、それが最大のサービスを付加している。中国政府が恐れているのは、若者が既存銀行からタオバオ銀行に口座を移してしまうことです。しかしタオバオが銀行を持つことを政府が許可している。日本のヤフーや楽天やゾゾタウンが中国で勝てないのは、製品とこのサービスの仕組みで負けてしまうからです。これは圧倒的、世界一のサービスかもしれない。そこで我々も来年はリテール10店舗分ぐらいの予算をEコマースにかける予定です。

問 今中国は何店舗ぐらいですか。今後の展開は。

石川 直近では66店舗です。アースを日中集中戦略の柱とし5年後に中国400店舗、10年後に1000店舗を目指しています。

問 中国の成長戦略をどのように考えていますか。

石川 中国展開においては、接客の優位性を勝ち取りたいので中国スタッフの日本研修を増やします。商品の優位性は模倣されてしまうが、サービスの優位性はなかなか模倣されない。FCの拡大路線も見込んでいるので、FCの管理マネジャーも日本で教育していく。2つ目はEコマースですね、ネット通販に対して投資をしていく。3番目は商品の現地化。上海や北京ではメイドバイジャパンで、日本がデザインしたものが売れていますが、内陸部にいくとちょっと違う。一部中国人ニーズに合った商品を開発、現地化をしていきたい。

問 中国の次はどこの国でしょうか。

石川 タイを攻めており、FCで10店舗ありますが、クーデターで苦戦しています。台湾は順調で40店舗超えています。



新ブランドKOEでZARAやH&Mに対抗

問 まだまだ中国はいけると。

石川 クロスカンパニーは日中だけで2500億円を目指しています。一方で秋からKOE(コエ)というブランドも出します。これは本格的なグローバルブランドと位置づけており、競争相手は、ZARA、H&M、GAP、それにユニクロです。先般柳井さんに報告に伺ったら、大いにやってくださいと言われました。KOE一号店は新潟女池のユニクロの横でデビューさせて頂きます。5年後にはNYか上海に旗艦店舗を出す。当然銀座にも出します。

問 アースとKOEの違いは。

石川 KOEはレディースだけでなく、メンズ、子供服、マタニティと複合で攻める。

問 どんなイメージの洋服になるのでしょう。

石川 アースが可愛いイメージだとすると、KOEはクールなイメージです。年代は20代と40代を狙っており、20代の親子がターゲットです。感度の高い子供服をハブにしながら、感度の高い親、ヤングやミセスが来るという連鎖にしたい。KOEは世界中のファッションに興味ある人を楽しくすることを目的にしたい。そのために2年前からZARAやH&Mを徹底研究しました。

問 アースを卒業したお客様をKOEに引き寄せるということですね。

石川 顧客継続率を大切にしています。そのためにクロコレカードを作っており、会員は73万人になりました。アースやイーハイフンを買ってくれている若い人たちを20年間顧客管理したいと。新規の顧客を獲得するにはテレビCM含めて多額な費用がかかりますが、顧客継続のメンテナンスコストはあまりかかりません。

問 それだけの新ブランドとなると組織強化も必要ですね。

石川 中間管理者が多数加わってきています。取締役は4名増えました。特に増やしたのは、出店開発の責任者。新ブランドKOEの責任者。フェアサプライチェーンの担当者などです。

問 フェアサプライチェーンを発想した経緯はどこからですか。

石川 一つはネスレのコーヒー豆の取組みです。それを見た時アパレルでもやれるのではないかと。



ケアコスメや雑貨にも拡大

問 アパレル以外の業容拡大はどう考えていますか。

石川 かばんや靴、ケアコスメや雑貨も視野に入っています。雑貨はM&Aを進めていきますが、当然同業他社も考えています。コスメについてはボディケア、ハンドクリームをメインに考えています。都心のアトレやルミネのような山の手線沿線の好立地の物件に10坪で出店、効率化を目指していく。コスメのグローバル戦略はロクシタンのように世界中に店があるようにしていきたい。

問 20年後のクロスカンパニーは。

石川 半分夢ですけど、世界中のアパレル企業の中で、一番給料を払っている会社にしたい。例えば新入社員は基本給30万円。10人の内1人は1000万円プレイヤーに。50人中一人は2000万円プレイヤー。役員は5000万円級がボロボロいる。そんな会社にしたい。世界一給料もらっている社員が、世界一の会社にしてくれたというのがいいなと。その時の売上げは1兆5000億円を目指しますが、ユニクロは5兆円企業になっているでしょう。

問 ユニクロ超えは。

石川 10年後は無理です。20年でも無理かもしれない。とにかくKOEの成功にかかっています。





石川康晴 (いしかわ・やすはる)

1970年岡山市生まれ。岡山大学経済学部卒。94年クロスカンパニーを創業。99年に「アースミュージック&エコロジー」を立ち上げた。宮﨑あおいを起用したテレビCMで注目を集め、10 年中国に進出。66店舗を展開する。一方、女性支援制度を中心とした社内制度の充実、環境活動や地域貢献活動へも積極的に取り組み、東日本大震災で被災者180人を雇用をしたことでも話題となった。内閣府男女共同参画会議議員。12年「第14回企業家賞チャレンジャー賞」受賞。



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