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トピックス -企業家倶楽部

2012年09月05日

石川ゆずりの“こだわり”を貫く情熱集団/クロスカンパニーを支えるスタッフ

企業家倶楽部2012年10月号 クロスカンパニー特集第4部


肩書き、プロフィール、会社概要等は掲載当時のものです。


「お客様第一主義」の下、顧客を絶対に裏切らないこだわりを掲げ続ける石川康晴。その信念を受け継ぎ、支えるスタッフたちに取材した。石川と長く苦楽を共にしてきた立花隆央。花形ブランド「アース」を指揮する坂巻暢彦。CMなど宣伝販促に力を尽くす中村雅美。元アナウンサーである新卒採用担当、二宮朋子。期待のスーパーバイザー、井上遥。5人が熱い思いと夢を語る。 ( 文中敬称略)

「お客様第一主義」の下、顧客を絶対に裏切らないこだわりを掲げ続ける石川康晴。その信念を受け継ぎ、支えるスタッフたちに取材した。石川と長く苦楽を共にしてきた立花隆央。花形ブランド「アース」を指揮する坂巻暢彦。CMなど宣伝販促に力を尽くす中村雅美。元アナウンサーである新卒採用担当、二宮朋子。期待のスーパーバイザー、井上遥。5人が熱い思いと夢を語る。 ( 文中敬称略)



“怪物”石川の剛速球を受けるたび闘志に火がつく

常務取締役 営業本部長 立花隆央


“怪物”石川の剛速球を受けるたび闘志に火がつく


 立花隆央は自称“洋服オタク”。「自分よりオタクな人に会ったことがない」と語る。SPAアパレルでブランドを任され、社長就任の打診もあったが、02年10月、転職する。実は他にも3社から内定を受けていたが、選んだのはクロスカンパニー。その理由はすなわち石川康晴その人であった。

「以前から『怪物がいる』という噂を聞いていました。若いのに強気で、岡山から東京へ進出して最短でトップに躍り出た。もちろん石川のことです」

 ところが、入社後初めて会った石川の第一印象は「可愛い、優しい人」。だが、きっぱりとこう言われた。「5ツ星のシェフでも皿洗いからやってもらう。でも、やっただけ反映する。うちはそういう会社です」。当時のクロスカンパニーは東京5名、岡山10ー15名という規模で、売上は22億円程度の頃。立花が勤務した当時の東京本部は1階がショールーム、地下が事務所だった。

「地下で4人が会話もなく背中を向け合い、デスクワークをしていると息苦しい緊迫感がいっぱいでしたね(笑)」

 そう言って笑う立花。そして入社2ヵ月後、石川から許しが出る。「そろそろ暴れていいよ」。この言葉に立花は「よっしゃ、暴れるか! すべてやってやろう、見てろよ」と行動開始。備品の管理から新規卸の開拓まですべてを最短最速でやり遂げるべく奮闘した。

 当時、ブランドでは「アース」がぼちぼち順調、「E  hyp hen world gallely(イーハイフンワールドギャラリー)」が苦戦中。立花は「すべて壊して変えてやろう」と決意する。

「イーハイフン」企画担当の女性は「安いブランドにはしたくない」と言う。そこで立花はこう主張した。

「『わかった。でも、お客様第一主義なのだから、お客が喜ぶことをしたい。高いのにクオリティーが見合わないのは客を裏切ることだ。そのせいで売れなければスタッフみんなが幸せじゃない。だから変える。しかし単価を下げても今までより良質なものを提供する』と伝えました。それにカッコつけて『オレを信じて、ついて来い』ってね(笑)」

 立花のこの男気あふれる言葉と、価格を大幅に下げる決断により、ラフォーレの店舗は半年後、4階で売上1位に。さらに10ヵ月後にはラフォーレ全館で1位を獲得する。かくして辣腕を振るい続けてきた立花は現在、営業本部長として管理系を幅広く統括する。具体的には営業のブランディングや各営業部長へのアドバイス、承認申請、施策の発信などが主な業務。ミドルのマネジメント力の教育や商品の品質管理が目下の課題だ。その立花にとって石川はやはり“怪物”なのだろうか。

「“怪物”です。しかも、さらに大きく強く熱い、すごい怪物でした。頭の回転が早くて、発想力が豊か。芯が強くて絶対に引かない。志が高くて厳しいけれど、その中に愛情があるんです」

 負けず嫌いな立花には実は「日本一の商売人になりたい」との思いがある。

「だから大きなミッションを剛速球で投げられると、ズンと強い期待感を感じて闘志が燃える。そして120%のことを返してやろうと思うんです。石川とはそんなキャッチボールを繰り返して、非常に成長させてもらいました」

 そんな二人の合言葉は「生きているうちに1兆円は超えていこう」である。

「売上1兆5000億円、営業利益1000億円を最短で走り抜け、歴史を変えましょう。そう誓い合っています」

 その立花はまたクロスカンパニーの楽しい盛り上げ役でもある。サッカー部にボウリング部、卓球部、ゴルフ部、カラオケ部など多くの部を作り、送別会や歓迎会などイベントも仕切る。「人気者なので(笑)」と冗談めかすが、その熱いエネルギーが間違いなくあらゆる場でクロスカンパニーを支えている。



本物を価値ある価格で提供それこそ「アース」の強み

営業第1ユニット ユニットマネージャー 坂巻暢彦


本物を価値ある価格で提供それこそ「アース」の強み


 インタビュールームに入ってきた坂巻暢彦を見て取材陣一同、一瞬軽く驚いた。どこか石川康晴に似ている。思わずそう言うと坂巻も笑ってうなずく。「社内でもそう言われるんです。『社長が来たかと思った。驚かさないでくださいよ』って。それに店舗に行ってもスタッフがヘンに丁寧で(笑)。社長と間違えられてるのかもしれませんね」

 その坂巻の入社は06年。元は取引先アパレルメーカーの営業マンだった。その会社が突然倒産したとき、拡大中でもあったクロスカンパニーが会社説明会を開いてくれたという。その厚意を受けて入社を決めた。最初の業務はグリーンパークスのアシスタント。現在は花形ブランド「アース」と「イーハイフン」を抱える第1ユニットのユニットマネージャーを務める。その坂巻が考える「アース」の強みとは本物を価値ある価格で提供していることだ。

「商品の顔は単価。だから生産の話は気にせず、原価は聞かず、印象のみで上代をつける。それが客目線だからです。この値決めと、着心地や素材感などの使用感こそアースの譲れないこだわり。『オレが社長の間は、これは絶対に守っていく』と石川は言っています」

 だが、CMによって人気も認知度も上がったためもあり、「アース」の戦略を真似るライバルも多い。その対抗策はチャネルだ。エキナカや郊外、空港など店舗のロケーションに合わせて商品展開を変えていく。さらに坂巻によれば、「アース」は変化を恐れないブランド。これまでの歴史の中で白から黒ほどへ変化をしてきたのだという。

「最初はウィンドブレーカーなどのブランドだったし、その後もスポーティ。デニムのスキニーパンツやニットのトップスなどを扱っていました。石川がデザイナーとして夜な夜なTシャツの絵を描いていたんですから。その後、ピュアカジュアルに参入して、“ ナチュカワ”を確立したんです。だからきっとまた新しく変わっていきますよ。

 ナチュカワのターゲットは変わらないが、ファッションは常に変わっていくもの。坂巻はそう語る。

 一方、「イーハイフン」はより個性的。エッジな客を深掘りしていくブランドだ。そう、かつての石川や立花隆央のごとく小遣いをすべて洋服にはたくようなお客のために。そんな主要ブランドはじめクロスカンパニーの商品作りには、言うまでもなく石川の強い思いが込められている。石川が一貫して特に大切にするもの―― それは“こだわり”である。

「商品検討会などでも“こだわり”が感じられないと厳しく叱りますね。自分のこだわりがあれば商品の説明もスラスラできるはず。それが『何となく』とぼやけていたり、『忙しいから』といった理由で希薄だったりすると、思いがない商品になってしまい、お客に訴えることができないということです」

 さらに石川が断固許さないのは「お客を裏切るような行為」。たとえば販促ノベルティをプレゼントするオペレーションをしっかり組めなかったとき、本社の都合でお客への告知が遅れたときなどがそうだ。「お客を絶対に裏切らないこと。それ以外には何もない」とすら坂巻は言いきる。そんな石川を見ていて、坂巻はいつもこう考える。

「本当に仕事が好きなんだな、と。いつもいつも寝ているときも仕事のことを考えてるんじゃないでしょうか。入浴中でもそうらしく、実際よく『昨日、風呂入ってて、ひらめいたんだけどさ』と話し出すことがありますよ(笑)」

 さて、そんな坂巻の将来の夢を聞いてみると、きっぱりとこう言いきった。「社長になりたい。個人的にはもともと抱いていた夢ですが、石川の影響はもちろん大です。その石川に認めてもらい、いつか司令塔として会社を率いてみたいと思っています」



石川は鋭敏な感覚と多彩な発想、そして強運の持ち主

コミュニケーション統括本部 宣伝販促部 課長 中村雅美


石川は鋭敏な感覚と多彩な発想、そして強運の持ち主


 長くアパレル業界で働いてきた中村雅美は06年、クロスカンパニーへ転職した。プレス希望での入社であったが、経験のため2年半、店舗に勤務。販売の仕事に就いた当時、「すごい!」と驚いたのは全員が正社員であること。今まで勤めてきたアパレル企業はほとんどがアルバイトだったからだ。

「それにショップにいても、石川(康晴社長)が遠くないことにも驚きました。キャリアをどう積んでいるかを見てくれていて、がんばった分だけ評価してくれるんです」

 そう語る中村は現在、宣伝販促部課長を務める。担当はクロスカンパニーを代表する花形ブランド「earth music&ecology 」と期待の新ブランド「SEVUNDAY(セブンデイズサンデイ)」。ブランド全体を見ながら、宣伝販促を手がける。宣伝についてはCM作り全般、また販売は店舗で使うPOPやビジュアルの管理、さらにコスト面や管理の取りまとめも行なう。「アース」の認知度を一気に上げた宮﨑あおいのCMも、もちろん担当した。

「石川をはじめ私たち全員にとって初の試みだったので、CMを打っていったいどれだけ売上が上がるのか予想がつきませんでした。でもブランドの認知度が上がり、店舗スタッフのモチベーションが上がれば来店促進と売上アップにつながるはず。そう考えて踏みきった結果、来店客数の増加と店舗のCSアップにうまくつながりました」

 中村自身にとっても、あれほど影響力絶大なCMを自分が手がけたという満足感と誇りは大きい。だが、そこでしっかりと、こうつけ加える。

「でもクロスカンパニーではあくまでも店舗スタッフが主役。スタッフがテーブルの上の花ならば、私たちプレスはテーブルの脚。店への配慮を忘れず、負担を減らせるように支えて100%の接客をしてもらうことが大切です」

 そう語る中村は、自ら店舗で販売をしていた頃、石川のすごさを目の当たりにしたという。あるとき訪れた石川が真っ先に売り場の電球が切れていることに気づいたのだ。

「『感覚で気づかなきゃだめだよ』と言われました。石川は何事にも敏感で、今もよく『気づき脳が鈍い』と注意されますね。それに発想も多彩。『打つ手は無限だ』が口癖で、例えばPOPスタンド作りで煮詰まっていると、新鮮なアイディアを出してくれます」

 また中村によれば、石川にはまた“運”もついている。窮地に追いやられると、不思議にうまい話が舞い込んでくるという。例えば09年、売上に波があった頃にはこんなことがあった。

「翌10年は猛暑で秋物の売れ行きが憂慮されました。でも『アース』のCMでミネトンカ(伝統的ハンドメイドモカシンのシューズブランド)のブーツを使おうと決断したんです。価値のあるものですから。するとそれが大当たり。予想通り他のアパレルが苦戦する中、ミネトンカが爆発的に売れたんです。これも石川の運かもしれません」

 さらに石川のあらゆる“スピード感”も常に中村を驚かす。判断も指示も早く柔軟。ときには朝言ったことが午後には変わることもある。「でも、そのときはなぜそうなったのか、どうしてそう思うのか、わかりやすく話してくれます。だからみんな納得できるんです」

 さて今後の中村のミッションは「アース」と「セブンデイズサンデイ」の認知度をさらに上げること。自分の分身たる若手を育てることも必須だ。女性支援制度が徹底したクロスカンパニーでなら女性も仕事を続けられる安心感があると語り、笑顔でつけ加えた。

「『キッズ・プラン10』(子供が10歳になるまでの支援制度)も活用したいですね。私が使わないと、みんな遠慮して使いにくいでしょうから(笑)」



会社側も学生も互いに熱く燃焼できる採用を目指して

営業本部 人事部 採用チーム 二宮朋子


会社側も学生も互いに熱く燃焼できる採用を目指して


 すべての社員を「価値」と考え、従業員満足(ES)を追求するクロスカンパニーにあって、人材の採用は最重要ミッションの一つ。その採用チームで新卒採用を担当するのが二宮朋子だ。元は宮崎のテレビ局のアナウンサー。カメラに向ける知的な笑顔、美しい話しぶりに納得である。本人によればアナウンサーはやりがいがあったが、元の職場は、女性はすべて契約社員。フレッシュさを求められもする。退職後、放送大学のアナウンサーなどを経て昨年2月、クロスカンパニーに入社した。

「石川に初めて会ったのは入社当日。若い経営者はギラついている人が多いものですが、石川には静かなオーラがありました。一瞬で『ただ者ではない』とわかるようなオーラでしたね」

 そう振り返る二宮は教育チームで3か月働いたあと、新卒採用担当となった。クロスカンパニーでは昨年、3万3000人の応募者の中から371名を採用。今年は500名を目指す。そしてその500名すべてに石川自らが会う。

「石川が言うのは『別の会社の店をもすすめられるスタッフであれ』。例えばお客さまの探す花柄のワンピースがなければ、他の店へ案内できるスタッフであってほしいということです。売上的にはマイナスですが、きちんと向き合う親身さがあればお客は必ず戻ってくる。そして花柄ワンピに合うニットや靴を買ってくれる。そんな真摯で誠実な社員を求めているのです」

 そんな人材を採用するため昨年から行なっているのが「100時間の企業研究」。レポートでもスクラップブックでも何でもいい自由研究で、中には青春18 きっぷを使って全国100店舗をめぐった学生もいたという。

「それぞれがいかに取り組んだかで、やる気や本気度、熱さを感じたい。学生側にも『落ちても悔いなし』と思えるくらいに燃焼してほしいんです」

 そんな選考を経て採用された学生にはクロスカンパニーならではの心のこもった入社式が待っている。岡山市民会館のホールで行なわれる式の前には、石川や取締役も全員出席してリハーサルまで行なう。会社にとっては採用の集大成、新入社員にとっては一生一度のハレの日を大切にするためだ。司会はもちろん二宮である。一方、採用には学生からの辞退もまたつきものだ。

「口惜しさもありますが、石川の考えは『学生もお客と思え』。エントリーしてくれ、当社の服も着てくれる学生にも、もてなしの心を持たなければならないというのです。ふだんから石川の口癖は『してもらったことは石に刻み、してあげたことは水に流す』ですから」

 入社を果たした学生に正社員としての責任を教え、高い意識を植え込んでいくのも二宮の任務である。それは日々の業務のためだけではなく、二宮の思いはより深く、グローバルに広い。

「学生や新入社員と接していて思うのは、『こんなに素直ないい子が大勢いるのに、この国はなぜよくならないのか』ということです。ホスピタリティは日本の美徳の一つ。そのもてなしの心をクロスカンパニーから日本へ、世界へと広め、伝えていきたいと思うんです」

 だから二宮の夢は「学校」を作ること。ホスピタリティを学び、キャリアアップを極める学校を社内に作りたいという。今からキリッと美しい“二宮校長”の姿が目に浮かぶようだ。それは先の夢として、二宮自身にとってクロスカンパニーは曰く「やっと見つけた女性のパラダイス」である。

「テレビ局で働いていた頃からずっと、女性である難しさを感じていました。でも、やっと年齢や経験がプラスになる会社を見つけられました。結婚や出産をしても働き続けられる支援制度も充実しています。私も実例になりつつ、女性をサポートしていきたいですね」



友達のように、心を込めてそれが私のフレンドリー接客

earth music&ecology 事業部 スーパーバイザー  井上 遥


 友達のように、心を込めてそれが私のフレンドリー接客


 09年に新卒で入社後、横浜ルミネ店、ららぽーと横浜店店長を経てエリア内複数店のマネジメントも務める本部と店舗のパイプ役、スーパーバイザー(SV)に。そして今、89坪の広さを誇るグローバル旗艦店「東京ソラマチ店」を束ねる井上遥。社内でも「早い出世」と評判の25歳である。現れた本人は明るい笑顔と闊達な話しぶり。店舗での温かな接客の様子が目に見えるようだ。接客の秘訣は、クロスカンパニーの基本「フレンドリー接客」だそうだ。

「マニュアルではなく、お客様第一主義で相手のことをきちんと見ること。知識よりもマインドが大事です。商品について知っておくべき知識が10あったとしても、その中で目の前のお客さまに当てはまることは一人につき2つくらい。それなのに10の知識をまくし立てると、お客さまはスーッと離れて行きます」

 だから井上は「頭の中をお客さまと一緒にする」という。学生時代に八百屋で4年間アルバイトをしていたとき、相手の食生活に合わせて商品を売ったのと同じだ。客には友人のようにフレンドリーに話しかけ、好みやライフスタイルを細かく聞き出して商品を提案する。そんな接客で、三世代にわたる常連客も生まれた。まず30代の女性客に接客をすると喜ばれ、次には母親を連れて来店した。今では2歳の子供と3人でやって来るという。

「あるときは『あなたを信じてるから、2万円以内でコーディネートして』と言われました。恋愛下手なお客さまに好きな人ができ、勝負服選びを任されたんです。もう化粧品のことまで必死に考えましたよ(笑)。そのかいあってかお客さまの恋は成就! 相手の男性にも感謝されて旅行のおみやげをいただいたり、ソラマチ店に異動したときはお手紙をいただいたりもしました」

 こうした接客ぶりはインターンとして横浜ルミネに勤務していた頃から、石川の目にも留まる。あるとき店を訪れた石川にこう言われたのだ。

「『こっちへおいで。今、いい接客していたから。井上が接客したお客さまが3人とも笑顔だった。体ごと井上に向いていたよ』と言ってくれたんです。本当に嬉しかったですね。こんなふうによく見てくれていることも含めて、『きみたちが大事だよ』という気持ちがとても伝わってくる会社なんです」

 さらに井上は社内ロールプレイング・コンテスト「ベスト・オブ・クロス」でも活躍。昨年、総参加者2100人の頂点となる6名に入賞し、「グッド・スマイル賞」を受賞した。

「そんな名前の賞なのに私、舞台でムスッとした顔で受け取ったんですよ(笑)。1位になりたかったんです」

 そんな向上心の強い井上は今、ソラマチ店を率いる。かなり売上も上がってきたが、この店舗は客層が10ー70代と幅広く、朝と午後の客層や売れ筋もガラリと変わるのが特徴である。朝は食品などの買い物に来る地元の客が多く、丈の長い商品が売れる。夕方になると一転、OL客が増え、丈の短い商品を求める。「だから時間帯によってマネキンの服を着せ替えたりするんですよ」と笑う井上。15人抱えるスタッフたちの教育も重要な仕事だ。

「私がよく言うのは『お客さまに対してもう少し素直にくだけてもいいんじゃない?』『自分の友達なら何て言ってあげる?』ということ。『この服は色みがいいから、お顔立ちに映えますよ』なんて心のこもっていないマニュアル言葉、誰も聞きたくないと思うんです」

 そんな井上に今後の夢を聞いてみると、輝くばかりの言葉を返してくれた。

「夢はありません。現状が夢だから。夢はかなっているけれど、私はまだ全然だめだから、もっと極めていきます」

 実に頼もしく美しい若きSVである。



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