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トピックス -企業家倶楽部

2015年12月05日

蘇る日本経済/武者リサーチ代表 武者陵司

企業家倶楽部2015年12月号 言いたい放題


肩書き、プロフィール、会社概要等は掲載当時のものです。

 




 下落傾向にある日本の株式市場ですが、長期的に見れば悲観的になる必要は全くありません。日本経済成長の歴史を紐解いた上で現状を見渡せば、「失われた20年」とも言われたマイナス基調から脱し、上昇に転じる理由が見えてきます。

 日本の繁栄を振り返る上で最も有効なのは、地理的な環境が国家に与える影響を研究する地政学です。周囲の環境は経済活動を行う上での土台であり、これがしっかりしていないと商売にならない。しかし、四方を海で囲まれた地である日本は、世界における規格を作ることができません。つまり、日本において最も大切なのは、世界のルールメーカーに対してどのようなポジションを取るかです。

 日本の歴史を遡ると、1900年代前半と後半に二つの大きな繁栄が見られます。一つ目は「日英同盟」、二つ目は「日米同盟」によりもたらされました。このように日本の成長は世界の覇権国によって支えられてきたのです。

 では、現在の日本は地政学的にどのような位置付けにあるのでしょうか。隣国中国は、近年成長著しい。しかし、この繁栄もそう長くは続きません。それは、中国経済成長の源泉でもあった投資主導の政策に限界が訪れているためです。




 これまで中国が投資を続けられたのは海外資本流入があったからであり、これが中国の命綱となってきました。人民元が強ければ資金の流入は続くはずです。しかし、一方で中国は、賃金の上昇を抑制し、さらにバブル崩壊を阻止せねばならないため、大規模な金融緩和によって元を弱くする必要性にも迫られています。元が弱くなると、今度は資産が目減りするのを嫌って国内から一気に資金が引き上げていってしまう。

 以上のジレンマに陥った中国は、衰退の一途を辿るでしょう。日本が低迷した原因の一つでもある中国の台頭が終わるということは、日本にとっては大きなチャンスです。

 中国の衰退に続き、もう一つ日本経済が復活する要因があります。それは、アメリカのサポートが再び訪れることです。現在、アメリカは南シナ海をめぐり中国と冷戦状態にあります。この状況下で中国主導のAIIB(アジアインフラ投資銀行)への参加を拒否し続けた日本はアメリカにとって唯一頼れる存在。そんな中でアメリカがやるべきことは、日本のアジアにおける経済プレゼンスの強化です。そのため今後は、アメリカの全面的なサポートを得ることが出来ます。地政学を考えれば、今日本に大きな好機が訪れているのは間違いないでしょう。

 日本の将来が明るいのは地政学的理由からだけではありません。90年代に日本が世界を席巻したのは価格競争力によるものでした。しかし、円高によりその成長は終わりました。ここまでが「失われた20年」の前半です。ただ、この後半には再び利益が最高になる企業が続々と現れます。それは日本が価格競争から非価格競争にシフトし、新たなビジネスモデルを確立したからです。相手が作れない商品、技術など、品質で優位に立ちました。

 日本はスマホ本体における競争力はありませんが、内部の部品には日本しか作れないものが多い。ニッチな領域ですが、競争相手がおらず、有利な値段で取引が出来ます。この「失われた20年」の後半に技術、品質投資を徹底した日本企業は、新たな強みを手にしたのです。

 地政学的理由による追い風、ビジネスモデルの再構築など、日本は大きな転換期にあります。こうした背景を考慮すると、短期的に見れば困難があるように思えても、長期的に見て日本株はまだまだ割安。世界で最もパフォーマンスの良い株式市場だと言えるでしょう。



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