トピックス -企業家倶楽部

2016年01月04日

中国「爆買い」の中身とは?

企業家倶楽部2016年1/2月号 ビジネストレンド





 中国では11月11日は「独身の日」と呼ばれているのをご存知だろうか。独り身を意味する「1」が並ぶのが理由とのことだが、未婚者が自分のために買い物をする日として近年定着している。なんと、2015年の「独身の日」には、ネット通販最大手のアリババ・グループだけで1日に1兆7000億円を売り上げた。

 お祭り好きな中国人とあって、驚異的にEコマースが伸びるイベントをメディアも放ってはおかない。タレントや有名人を出演させ、1時間毎に売上高をテレビ中継するなど、大きな盛り上がりを見せた。年々規模が大きくなり、今年は売上高が前年比60%増を記録。このことは、中国でもクリスマスやバレンタインデーなど、若者を中心に欧米諸国の記念日で盛り上がる人口が増えていることを表し、同時にそれを商機とみる企業が特売日と銘打ち、販売促進合戦が加熱しているといえる。8月に起こった上海発世界同時株安なんてどこ吹く風といった感じだ。

  今日では日本全国どこでも中国人観光客の姿を見ることができる。2015年10月までの訪日外国人旅行客(インバウンド)は、累計で1448万人に達し、2014年の年間記録1341万人を早くも突破した。日本政府は2020年の東京オリンピックまでに2000万人という目標を3000万人に引き上げたばかりだ。国別で見ると中国からが1番多く約3割を占める。彼らが楽しみにしているのは観光だけでなく、日本での買い物だ。2015年の流行語大賞にも選ばれた「爆買い」だが、一体何が起こっているのだろうか。




 日本製の「炊飯器」「温水洗浄便座」「化粧品」が爆買いの代名詞と言われる。同じものは中国国内でも販売されているが、価格は日本の3倍程と高い。そこで、訪日する親族や知人に代理購入を頼む人も多い。日本と中国で3倍の価格差があれば、旅行代金と手数料を加えても割安感があり、いい商売になる。訪日する中国人は事前にインターネットなどで購入するものを入念にチェックし、買い物リストを作成し来日する。日本で大量に購入した商品を詰める大きなスーツケースを買ってまで帰国するのはそのためだ。

 また、常時代理購入の出来る在日中国人の存在も無視できない。彼らをソーシャルバイヤーと呼ぶ。買い物リストの情報収集元は在日中国人のブログやSNSである。在日中国人は自分が実際に購入し気に入ったものは、中国版のLINEと呼ばれるWeChat(微信、中国読みでウェイシン。英語でウィーチャットと読む)上に商品の写真と短い紹介文を掲載し、簡単に出店・運用できる仕組みになっている。中国本土にいながら、気に入った商品があれば、ソーシャルバイヤーと呼ばれる代理購入者にWeChat上で連絡を取れば、販売店や卸し業者との面倒な日本語での交渉や決済をしないで済む。代金はSNS上で支払うことが出来る。ソーシャルワーカーは依頼のあった商品を代理購入し、郵便局で重量に合わせ900円から約2万円(30㎏まで)で配送できる国際スピード郵便EMSを使い、購入者に送り、手数料を受け取る。中には月額数百万円を稼ぐソーシャルバイヤーも存在するというから驚きだ。中国人の間では、日本製に対する品質への信頼が高い。訪日し、中国語の取扱説明書があるものよりも、わざわざ日本語だけのものを買い求めるほど、メード・イン・ジャパン信仰は依然強いと言える。爆買いは勢いを増すばかりだ。



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