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トピックス -企業家倶楽部

2011年07月22日

古いビデオをDVDにダビング 思い出をデータ化で保存/カメラのキタムラ

企業家倶楽部2011年8月号 ヒットメイキングの裏側


デジタルカメラ販売やプリントを展開する写真専門チェーン最大手キタムラだが、写真だけでなく、VHSビデオテープや8ミリビデオに録画した動画も広義に「思い出に関わるビジネス」として捉え、DVDダビングサービスを始めた。店頭で新しいサービスを認知してもらうために、「ノボリ」を立て、新聞広告やチラシで告知すると、受注が集中し一時ラボがパンクするほどの反響があった。7月に移行する地上デジタル放送もビデオデッキの買い替えを促し、追い風となり、DVDダビングサービスがヒットしている。




商品EC部福本弘之イメージングバイヤー(左)と高橋渉マーケティング部長



 2011年7月24日、テレビのアナログ放送は終了し、地上デジタル放送に移行する。2年ほど前から総務省が力を入れて告知してきた甲斐もあり、地上デジタル放送の認知度は高い。現在では、地上デジタル放送受信機の世帯普及率は95%に達しているほどだ。地デジ対応の薄型液晶テレビもかつては1インチ1万円といわれ、高額な商品であったが、各メーカーの競争もあり、価格が下がり買い求めやすくなったことも貢献していると考えられる。

 さらに2010年11月末まで実施されたグリーン家電普及推進事業としてのエコポイントが追い風となり、地デジ対応テレビは売れた。テレビ同様、VHSビデオデッキもアナログテレビ放送を受信しているものは視聴できなくなる。

 テレビが売れるのと併せて、地デジ対応で高画質のまま録画できるブルーレイレコーダーも売れ、ビデオデッキの買い替えが一気に進んだ。そこで、問題となってきたのが、録りためた昔のビデオテープが見られなくなるということだった。

 「ビデオデッキの買い替えでVHSビデオテープが見られなくなったがどうすればいいかというお客様からの相談が店舗から上がって来ました」とキタムラ商品EC部の福本弘之さんは言う。



設備増設し納期を短縮

 「録りためたVHSビデオテープがあるが、ビデオデッキの買い替えで見られない」、「ビデオカメラが故障して、昔録った8ミリビデオやminiDVが見られない」といったビデオのダビング需要は以前からあった。これまではそういった依頼があるとフィルムメーカーに送っていた。1年半前の会議でのこと、ビデオのダビングサービスをキタムラでも始めたらどうかと議題に挙がった。

 「生協のチラシにビデオのダビングサービスがあり、やってみる価値はありそうだ。試験的に始めてみようということになった」と福本さんは本格的なサービス開始のきっかけについて話す。

 そこで、09年冬からサービスを開始し、店頭にビデオのダビングサービスをしていることを知らせる「ノボリ」を立てると、受注が10倍に跳ね上がった。価格は、VHS、miniDVなどの60分以内のビデオテープからDVDにダビングするサービスが1本1890円(税込み)で、60分以上120分以内は2730円。同時複製は、1本1365円(120分以内)。

 全国に展開する1000店舗でのサービス告知は徐々に浸透し、サービス開始から約1年後の10年9月、運動会のシーズンになると受注のピークを迎えた。毎月1回掲載する新聞広告の効果もあり、月間2万本の受注、売上げは6000万円に達した。受注が週末に集中し、あまりの反響の大きさにダビングを請け負うラボはパンクした。通常は納期2週間のところ最大3週間に伸び、お客様に待っていただくケースも出るほどだった。現在では、ピーク時にも対応できるように設備を増設し、ダビングのラインを増やした結果、1週間から10日でお客様にお渡しできるようになっている。

 「思い出は早く見たいし、友人や親戚にも見せたいものなので、全国どの店舗でも1週間でお渡しできる体制を整えたい」と福本さんは話す。



店頭の端末で見積り作成

 最近のビデオカメラは本体の内蔵メモリーやハードディスクに長時間録画できるタイプが多くなっている。録画した動画をケーブルでテレビとつなぎ再生する事は操作が簡単なので家庭でも出来るが、録画した動画を一度ビデオデッキやコンピューターのハードディスクにコピーし、DVDやブルーレイディスクにダビングするのは、手間と時間がかかり面倒である。ビデオカメラとビデオデッキのメーカーが別々だと取り扱い説明書を読んでも分からないといった問題がある。

 そこで、これまでのDVDダビングサービスにビデオカメラ本体を預かり、ハイビジョン画質をそのまま高画質で再生できるブルーレイへダビングするサービスを10年10月から新たに追加した。価格は、60分以内1本3890円(税込み)で、120分以内は4730円である。

 予想に反し、「本体の内蔵メモリーに記録された映像をどうやって残したらいいか分からない」といったユーザーは多かった。アナログからデジタルへ機器が進化しても、大切な思い出を残したいという思いは変わらない。昔のビデオテープからDVDへダビングするサービスと併せて、ビデオ本体からブルーレイディスクへダビングするメディア変換サービスの需要は今後も続くと予想される。

 キタムラのビデオダビングサービスの大きな特長は2つ挙げられる。1つは、店頭の端末を使って事前にダビング料金の見積りが分かることだ。店頭に持ち込んだビデオカメラにUSBケーブルを繋げると、本体に録画されている時間を読み取り、価格を表示する。

 この事前見積りの仕組みを作るためにオリジナルのソフトウェアを開発した。ユーザーはビデオを預けた後に価格を知らされるより、安心してこのサービスを利用できる。

 2つ目は、自動的に連続録画とそうでない箇所を読み取りチャプター(見出し)を作成してくれる点だ。簡単にシーンごとの頭だしが可能になり、ユーザーの利便性が高くなるといった機能も喜ばれている。



アルバム丸ごとデータ化

 今後は動画のダビングサービスだけでなく、写真やアルバムもデータ化し、「大切な思い出」の保存サービスを訴求していく狙いだ。デジカメで撮った画像をパソコンで楽しむユーザーも増えている現状を踏まえ、写真や子供の描いた絵をデジタル化し、CDやDVDにデータを保存するサービスを4月から始めた。

 1冊のアルバムを丸ごとデータ化しDVDに収める事で、テレビやPCで楽しむ事ができる。データ化された画像はメールに添付して送信したり、ブログにアップする事も可能。さらに、最近流行のスマートフォン用の動画も用意している。音楽入りでスライドショーのように写真が替わるので、思い出のアルバムを気軽に持ち歩き、友人に見せることができる。

 これまで、1枚しかなかった写真や昔のアルバム、ビデオテープをデータ化することで、複数保存し、紛失や劣化のリスクから思い出を守る事ができる。

 「思い出を残したいけど、やり方がわからない場合は、キタムラにご相談下さい。全国に1000店舗展開しているので、お客様のすぐ近くにお店があります。何でも相談に乗ることができるのが、キタムラの特長であり、強みだと考えています」と商品EC部マーケティング部長の高橋渉さんは語る。



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