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2016年01月28日

三世代が楽しめるテーマパークを目指して/お客様を魅了するハウステンボス

企業家倶楽部2016年1/2月号 ハウステンボス特集第5部 


   肩書き、プロフィール、会社概要等は掲載当時のものです。

   

四季折々で楽しめるハウステンボス。年間を通して咲き乱れる花々は、四季に応じて変わった趣を添える。冬から春にかけて、世界最大級1300万球のLEDが織りなす光の王国は圧巻だ。宝塚顔負けのハウステンボス歌劇団も見逃せない。夜には「変なホテル」に宿泊してみるのも一興。最先端のロボットたちが出迎えてくれるだろう。是非一度、足を運んでみてほしい。 (文中敬称略)

 



花の王国

 ハウステンボスがハウステンボスらしい景色として、最も親しまれているのが花の王国である。広大な敷地を彩る季節の花は、訪れた人全てを癒し、優しい気持ちにさせる。

 四季折々の季節の花で彩られたガーデンの規模は世界最大級。他のテーマパークにはない、圧巻の美しさを実感できる。

 ハウステンボスの春の訪れを告げるのはチューリップだ。エントランスからフラワーロードに足を踏み入れた途端、色とりどりのチューリップと風車のある風景に思わず息を飲む。オランダさながらの風景は、ここが日本であることを忘れてしまうほどだ。園内に咲き乱れるチューリップ、パレスハウステンボスの前庭には700種のチューリップがその美しさを競い合う。

 これだけの種類、これだけの広さでチューリップが堪能できるのは他にはない。「チューリップを見たいならオランダより、ハウステンボスが良い」と言われるほどだ。

このチューリップと並行して春を彩るのは、芝桜のピンクの絨毯だ。4月から楽しめるピンクや白の花の絨毯は圧巻で、春爛漫を満喫できる。


花の王国


 そして5月、広大なガーデンを彩るのは華麗なバラの花である。ピンク、赤、白、黄色、凛として華やかなバラの姿と優雅な香りが、訪れる人を魅了する。1500種、111万本のバラの花が彩るガーデンはあまりにも艶やかで、毎年リピーターを呼び込んでいる。

 6月を彩るのはあじさいである。涼しげな紫や青色の花びらは、雨のハウステンボスによく似合う。800種のあじさいが咲き誇るあじさいロードは、ハウステンボスの魅力を広げてくれる。




9月、秋を彩る最初の花は、華やかに咲き誇るダリアである。花の女王といわれるその豪華な花びらは、強烈な印象を放つ。

 そして10月、秋バラがハウステンボスを再び、優雅に彩ってくれる。春より香りがいいとされる秋バラは、バラの愛好家にはたまらない。秋から冬を彩るのはベゴニアである。国内最多の1000種を揃えたベゴニアガーデンは、昼の可憐な姿も、ライトアップされた夜も必見だ。

 四季折々、色とりどりの花々で訪れた人を感動させる花の王国は、ハウステンボスの最大の強みであり、魅力となっている。



光の王国


光の王国


 夜のイベントを楽しまずして、ハウステンボスを楽しんだとは言えない。1300万個のLED電球を誇る「光の王国」のイルミネーションを見れば、誰もがそう思うことだろう。

「こんなもんじゃありませんよ」

 入り口からハウステンボスの中心部へ行く道すがら、風車が立ち並ぶエリアのイルミネーションに歓声を上げた取材陣に対し、執行役員の高田孝太郎は制するように言った。決して自信家の類ではない彼をして、そのように言わしめる「光の王国」とは一体どれほどのものか。期待を膨らませつつ歩を進めた私たちは、目に飛び込んで来た光景を前に、立ち止まって絶句した。

 そこに現れたのは、はるかな高みより流れ落ちる巨大な滝であった。これを観た多くの方は、ハウステンボスが「光の滝」と名付けたこの作品に、イルミネーションなどという一般名詞を当てはめてはいけないと瞬間的に直感するのではなかろうか。

 
 これは、単なる光の明滅に彩られた「イルミネーション」ではない。そこには確かに水が流れていた。ハウステンボスのシンボルタワーである「ドムトールン」から溢れ出した豊かな水は、下の建物を伝って広がり、地に植わった光の花畑の中へと吸い込まれていく。これだけでも圧巻という言葉が相応しい「光の滝」だが、次の瞬間、私たちをさらに驚かすこととなった。

 流れ出す壮大な音楽。燦燦ときらめく星が降ってきたかと思うと、滝は虹色に染まり、その中を花びらが舞う。幻想的な空間が数多の水泡で満たされたかと思うと、最後には巨大な龍が出現し、天高く登って行った。

 通常、こうしたアトラクションは30分や1時間置きに見られるものだが、ハウステンボスの「光の滝」は短い間隔で惜しげなく仕掛けを流し続ける。遠近感があり、プロジェクションマッピングさながらのショーを前に、多くの来場者が目を奪われていた。

 ちなみに、今では知名度も上がり、全国的にイベントなどで導入されることも多くなったプロジェクションマッピングだが、こちらも火付け役となったのはハウステンボス。リピーターすら飽きさせない同社が試みた新しいチャレンジの象徴として、現在も健在だ。




 さて、「光の滝」から離れて運河に出ると、川の底に埋め込まれたライトが鮮やかに輝いて出迎えてくれた。向こうの方から橋をくぐって航行してきた船が、色とりどりの噴水の中を進む。川底の色は万華鏡のようにくるくると変化し、それを周囲のライトアップが引き立てて言い知れぬ美しさを生み出している。

 この「光と噴水の運河」も、ハウステンボスだからこそ出来る芸当だ。通常の河川の場合、公共空間となるため、商業目的で一企業が改造を加えるには様々な規制をかいくぐらねばならない。しかし、ハウステンボスは私有地なので、こうした「実験」を行うことも可能なのだ。まさに「王国」と呼ぶに相応しい。

 人気で行列の出来ている「光のバンジージャンプ」で度胸試しをするも良し、「光の観覧車」に乗って優雅に夜景を楽しむのも良し。エレベーターでドムトールンの展望台に上れば、光の王国が燦然と輝く様子を眼下に捉えられるだろう。

 今では、このイルミネーション群の素晴らしさから、ハウステンボスは九州を訪れる人にとって外せない観光スポットとして世界的にも認知されるに至った。望むと望まざるとに関わりなく、九州を旅するツアーに組み込まれることも多くなり、相乗効果が生まれている。

 そんな期待に応えるべく、社長の澤田も「来年はまた別のアトラクションを考えている」と漏らす。来場者にサプライズを提供しようというハウステンボスの意込みは衰えを知らない。

 この「いつでも同じものが見られるとは限らない」という点がミソ。進化し続けることでお客を飽きさせないだけでなく、限定感を出して、訪れようか迷っているお客の背中を後押ししているのだ。

 LED電球の数がいくらと聞いても、正直ピンと来ない方は多いだろう。百聞は一見にしかず。是非、現地に足を運んで「光の王国」を堪能して欲しい。



ハウステンボス歌劇団


ハウステンボス歌劇団


 ハウステンボスの数多くのコンテンツの中で最近人気急上昇中なのが、「ハウステンボス歌劇団」である。結成は2013年、宝塚歌劇団やOSK日本歌劇団出身者を中心に十数人でスタート。最初は野外テントから始まった。人気が出るに連れ、専用のミューズホールが新設されたが、220席の客席は常に満杯。立ち見も出るほどだ。ホール前方の席は会員席となっており、すぐ近くで見られるとファンには好評だ。

 ステージで繰り広げられる歌とステージでダンスの華麗なショーは本格的。ひと目見ただけで「カッコイイ!」とファンを熱狂させる。それは宝塚歌劇団さながらの迫力だ。ホールが小さく、ステージと観客席が近いのも魅力。トップスターがステージから降りてきて、すぐそばで歌ってくれることも人気の秘訣だ。その距離感の近さがファンを増殖、1周年記念公演は、入場料+5000円という価格にも関わらず、3分で完売したほどという。

 今は「花」と「光」の2チームが1日2回ずつステージをこなしているが、最近は地方や海外からも遠征の要望が多いため、もう1チーム結成する予定という。団員一人ひとりの本気のステージは、人々を夢の世界へと誘う。ファンは子供からお年寄りまで幅広い。

併設するハウステンボス歌劇学院では、歌や踊りだけでなく、人間としての考え方や作法、立ち振る舞いまで叩き込むので、きちんとした人間が育てられると、好評だ。歌やダンスのスキル、お客との距離感など、長く愛される歌劇団として、宝塚歌劇団を超える日も近い!



変なホテル


変なホテル


 2015年7月17日、ハウステンボスにオープンした「変なホテル」。「変な」と聞くと「変わっている」という意味が先立つだろうが、澤田はここに「変化し続ける」という想いを込めた。

 コンセプトは、効率性と快適性を極限まで追求したスマートホテル。荷物を自動で預かってくれるロボットアーム、人間のように受け答えをする接客ロボット、荷物を部屋まで運ぶポーターロボットなど、多くのロボットが活躍しているため、「ロボットホテル」と捉えられることも多いが、これらはあくまで手段の一つ。機械化によって人件費を削減し、効率の良い経営を行うことが本質的な主眼である。このホテルを手掛けたHTBエナジー代表取締役の早坂昌彦は「最終的には清掃まで人の手を介さずに行いたい」と言うから驚きだ。

 このため、部屋の中にテレビや電話、冷蔵庫の類は無く、必要最低限のものしか置いていない。代わりに、価格帯としては一人あたり約9000円から泊まれるので、ハウステンボス内のホテルにしては割安感がある。




このホテルが通常の宿泊施設と一線を画しているのは、これが言わば実験の場でもあるという点だろう。元々、澤田はハウステンボス内にスマートハウスを作らせ、その中に最先端技術を結集。自身が実際に住み込み、利用してみて良いと判断した製品や仕組みを、変なホテルに導入したという経緯がある。

 例えば、部屋の空調管理に使用される輻射パネル。この中に夏は冷水、冬は温水を流すことで、冷暖房なくして快適な室内温度が保たれる。また、チェックイン時にフロントのカメラで自身の顔を登録することにより、客室の扉も顔認証によって解錠できるなど、近未来的だ。

 各部屋に置かれているミニロボットの「ちゅーりー」は、現在試用段階。このバスケットボールほどの可愛らしいロボットは、「ちゅーりーちゃん」という呼びかけに応じ、その日の天気や現在時刻などを教えてくれる。

 エネルギー、植物工場など、澤田が次々に目を付ける新たな事業の中には、ロボット産業も含まれる。ソフトバンクも人型ロボット「ペッパー」を発売し、毎月1000台が1分で完売する盛況ぶりだが、いかんせん価格がネックだ。本体料金こそ約20万円とインパクトがあったが、よくよく聞けば3年間の縛り契約。通信料月額1万4800円と保険月額9800円を払い続けると、最終的に100万円を優に超えてしまう。

その点澤田は、より安価で身近なロボットを大量生産し、一般家庭に普及させたい考え。そのロボットに頼めば、テレビの電源がつき、電話もかけられ、万が一の際はセキュリティーも担ってくれるという。

 変なホテルにちゅーりーを置けば、その未来のロボットを製作する上でお客からフィードバックを得る絶好の機会となる。可愛らしい姿ながら、彼女は新ロボット開発において次の手を打つための重要な任務を背負っているのだ。

 今後も、澤田はこのホテルに様々な試作段階の「製品」を取り入れ続けるだろう。それはロボットかもしれないし、全く別のシステムかもしれない。いずれにせよ、変なホテルは、ハウステンボスが次に創出するビジネスの小さな実験場として、常に変化し続けていく運命なのである。



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