トピックス -企業家倶楽部

2016年02月09日

行動すれば道は開ける/眼科医 アキュセラ会長・社長 兼 CEO 窪田良

企業家倶楽部2016年1/2月号 著者に聞く


『「なりたい人」になるための41のやり方 』

窪田良 著 サンマーク出版(定価1,500円+税)

眼科医、研究者、そして経営者として「失明を撲滅する」というミッションに挑み続ける著者が語る、なりたい人になる方法。そこに必要なのは難しい取り組みではなく、日常で気を付けられるわずか41の些細なことだった。



失明を撲滅したい


失明を撲滅したい


問 御社の事業内容を教えてください。

窪田 アキュセラは加齢黄斑変性という目の病気の治療薬を開発しています。加齢黄斑変性は視界が歪んだり、視界の中心に暗点が現れる疾患です。既に開発されている治療法は眼球に注射を施すものですが、我々が開発しているのは飲み薬。開発に成功すれば、患者の体力的、経済的負担を軽減できるでしょう。現在アメリカ・シアトルに本社を置きながら、2014年2月には日本で東証マザーズ上場を果たした、異例のバイオベンチャーです。

問 日本とアメリカを往復し、多忙な日々をお過ごしだと思いますが、そんな折に何故この本を出版されたのですか。

窪田 みなさん、目が見えることは当たり前だと思われているでしょう。しかし、本当は有難いことなのです。健常者の方にも、目の疾患のこと、失明に関することを知ってもらうための一つの手段として、このような本を執筆しました。

問 20代で眼科医、30代で研究者、そして現在40代で企業家として活動されていますね。

窪田 はい。一眼科医として患者さんと向き合っている時、治せない病気があることを悔しく思い、研究者としての道を歩み始めました。今はこうしてアメリカと日本で経営者になっています。

 実は元から起業したいと思っていたわけではありません。ただ、治すことができない病気があるにもかかわらず、治療する薬がない。そして誰も作ろうとしていませんでした。ならば私が作るしかないと思い、起業に至ったのです。

 全く別のことをしてきたように見えるかもしれませんが、失明を撲滅するという目的に変わりはありません。



失敗は人生の糧

問 著書の中で「良い失敗、悪い失敗」についてのお話がありましたが、詳しくお聞かせください。

窪田 失敗の良し悪しは、その後の行動によって変わります。なぜ失敗したのかしっかり検証すれば、後に役に立つ良い失敗となるでしょう。一方で、失敗したという結果を受け止めるだけでは意味がありません。

 第三者から見れば、私にも悪い失敗は多々あったかもしれませんが、個人的にはそう思ったことはありません。こうした考え方は人生を幸せにする一つの秘訣だとも思っています。

問 しかし、危機的な状況もあったと思います。そのような時はどうされるのですか。

窪田 平常心で乗り越えるしかないと思っています。危機だと認識すればパフォーマンスが落ちてしまう。

 例えば、ただの白線の上を歩くことはできますよね。でも同じ太さでも高層ビルの上に渡った鉄骨だと思うと、足がすくんでしまいます。このように、危機だと思うとパフォーマンスは下がるのです。

問 危機的状況下で平常心でいることは難しいと思いますが、社員の方にどのように意識教育をされているのですか。

窪田 みんなが私のように考えなくてもいいのです。私は淡々と前に進む。でも慎重派の社員も必要です。組織のバランスが整っていることが大事だと思っています。

 社員が自分で責任を取れる範囲であえて任せることも必要でしょう。もしかしたら上手くいかないかもしれませんが、私だけではできないことが実現される可能性を摘みたくないのです。

問 では、組織マネジメントで気を付けていることはありますか。

窪田 チームメンバーの一人ひとりの創造性をどう引き出すか。イノベーションはみんなの知恵を出し合って生まれるものです。

 そうでないなら、経営者一人で会社を運営していることと変わりません。一人では、自分の能力の限界が会社の限界になってしまいますが、私は社員と一緒に成長させていきたいのです。



運は掴みにいく

問 窪田さんは世界に影響を与える人になるのが夢とのことですが、どのようにして夢に出会われたのですか。

窪田 偶然だと思いますよ。あえて言うならば、様々なことに挑戦したからでしょうか。しかし、私は夢までのプロセスも楽しんでいます。もちろん達成しようと努力をしていますが、できなくても満足してこの世を去れるでしょうね。

問 はるか先の目標に向けて頑張り続けるのは苦しいと思います。楽しいからこそ、続けられるのでしょうか。

窪田 もちろんそれもありますが、ゴールを見て走っていないからかもしれません。今やるべきことをやるだけです。いわば、足元を見て走っている状態。後ろを振り返ってみたら案外進んでいたという感覚ですね。

問 継続することも才能だと言う人もいますが、続けられない人に何かアドバイスはありますか。

窪田 続けるものは変えてしまって構いません。もしジョギングが苦しいのならば、ウォーキングに変えても良いと思います。そして、続けるものは何も立派ではなくていい。散歩でもネットサーフィンでも、その人にとって取り組みやすいものから始めてはどうでしょうか。できるものを見つかるまで探せば良いのですから。

問 なるほど。日本人は難しいことを続けようとしているのかもしれませんね。

窪田 もしかしたら、日本人は自分に厳しすぎるのかもしれません。あるいは自分に自信がない。厳しさも必要なことではありますが、他人と比べすぎずに自分のペースでいいと思いますよ。

問 最近、日本の若者は安定志向だと言われていますが、そのことに関してはどうお考えですか。

窪田 現状維持は甘えですね。というのも、世界は進んでいますから、安定していると思って何もしなくなった人は沈んでしまいます。安定は努力してこそ手に入る。私はよく「動的な安定」と呼んでいますが、自転車のように動き続けるから安定して進むことができるのです。

問 活発に活動されているからこそ、成功を収められたのですね。

窪田 確かに、私が慶応大学医学部の院生時代に緑内障の原因遺伝子であるミオシリンを発見できたのは幸運なことだったかもしれません。その後もさまざまな運に恵まれてきたと思います。

 しかし、運は待っていたら手に入るものではありません。努力を重ねて掴みにいくものです。

問 最後に、この本で一番伝えたいことを教えてください。

窪田 とりあえず行動を起こしてみてほしい。限りある人生の中で行動しないのはもったいないと思います。行動を起こせば様々な発見や感動、ひらめきが見つかって人生が豊かになるでしょう。



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